文学フリマ東京36へ行ってきた

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけがいわゆる2類相当から5類へと移行となってから約2週間後の5月21日に従来通り東京流通センターにて文学フリマ36が開催された。前回の雨天とは打って変わって、一日中晴れ渡っていた。
 私が会場に到着したのは13時30分頃であった。入場開始時刻から1時間半が経っていた。単純に朝が苦手なだけである。入場開始時刻から1時間半が経っていたことから、お目当ての同人誌の売れ行きがどうも気になった。
 会場に入るや否や、まず来場者の多さに驚かされた。前回よりも多いように思われた。前回は雨天と先に書いたが、それでも出店者と一般来場者とを合わせて来場者数7445人は過去最多であった。今回は会場内を歩くのにも骨が折れるほどの人だかりで、前回を大幅に上回る来場者数であるように思われた。後で調べたところ、来場者数は10780人と大台を超えていた。今後、関係者は会場の再考を余儀なくされるように思われる。
 入場開始時刻から1時間半が経過し、前回よりも混雑している様子から、お目当ての同人誌がどうなっているのか気になって仕方なかった。私のお目当てのほとんどは批評関連であったが、私が到着した時点で残り1,2冊のブースや再入荷待ちのブースがあり、それどころか既に完売のブースすらあった。いずれも批評関連の同人誌である。朝が苦手な私は自らの体質を恥じた。
 これで思い出されるのが、ちょうど1年前に某大物批評家が会場周辺をうろつきながら指先で発信したあのツイートである。単純に言うと、「批評は人気がない」というものである。しかし、今回の批評誌ブースの盛況ぶりは某大物批評家のツイートがいかにいい加減で間違っているかを証明したように思われる。今後、新手の詐欺のようなぼったくり通信制大学の教授に就任する予定であるようだが、私の知ったことではない。
 私が会場を後にしたのは、開催終了時刻の約30分前の16時30分頃であった。お目当ての同人誌をすべて購入して速やかに退場するつもりでいたのだが、再入荷の予定のある同人誌が欲しかったためにこのような時刻になってしまった。先に出店者と一般来場者とを合わせた来場者数が10780人と大台を超えたと書いたが、以前よりも文学フリマへの関心が高まっていることを示しているように思われる。これは大変喜ばしいことのように思われるかも知れないが、ただ今回は大型書店の関係者の出入りがやけに目立っていた。私としては複雑な気持ちになったものである。

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