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文学フリマ東京37へ行ってきた

 去る11月11日、文学フリマ東京37が開催された。会場は従来通り東京流通センターであった。数日前までの季節外れの暑さはどこへやら、この日は一日中冷え込んだ。
 その翌日からは師走並みの寒さが続き、急激な気温変化に身体がついていけない。それはさておき、この日は運が悪いことに、詳細は控えるが都内での別の用事と重なってしまい、1時間半ほどの滞在となった。
 朝が苦手な私は前回、入場開始時刻から1時間半が経った13時30分頃に会場に到着した。会場内は歩くのにも骨が折れるほどの人だかりで、お目当ての同人誌も購入するのに苦労した。私が到着した時点で残り1、2冊のブースや再入荷待ちのブースがあり、既に完売のブースすらあったからである。再入荷予定の同人誌を待ったため、私が会場を後にしたのは開催終了時刻の約30分前の16時30分頃であった。
 今回はその逆であった。苦手な朝を早く起き、入場開始時刻ちょうどに会場に到着することができた。そのためお目当ての同人誌を順調に購入することができ、予定通りの時刻に会場を後にすることとなった。
 前回の来場者数は、出店者と一般来場者とを合わせて10780人と初めての大台を超えた。先にも記した通り、会場内は歩くのにも骨が折れるほどの人だかりで、私は今後も来場者数の増加が見込まれる以上はそろそろ会場の変更を考えなければいけないのではないかと思うようになっていた。
 最初の1時間半しかいなかったので、その後の会場内の様子はよくわからないが、今回は前回ほど混雑した様子ではないように思われた。後で調べたところ、今回の来場者数は、出店者と一般来場者とを合わせて12890人だったようである。前回よりも2000人ほど増えている。恐らく、今回は1ホール追加して、全ホール利用での開催となったため、前回ほどの混雑にはならなかったように思われる。ただ、回を重ねるごとに来場者数が増えていっている以上、このままでいいという訳にはもちろんいかない。
 今回は開催直前に次回の東京開催は入場料税込1000円の予定であることと次々回の会場は東京ビッグサイト西3・4ホールに変更するとの発表があった。次々回も同様に入場料は有料の予定である。この件について、これ以上の説明はなく、旧Twitterを中心にSNS上がざわついた。私も先に記した通り、そろそろ会場の変更を考えなければならないと思っていたが、変更先が東京ビッグサイトだったことに疑問を持った。コミックマーケットとは歴史も規模も格段に異なり、他に会場の候補はなかったのかと思ったからである。次回からの入場料の導入は新会場利用のための資金集めなのではないかとも思った。文学フリマへ行くのも今回限りと考えたりもした。
 今回、会場で配布された配置図と出店者一覧の冊子の巻頭言に次回の東京開催での入場料導入の理由が書かれていた。それによれば、今回は全ホールのキャパシティを超える出店申込があり、抽選をせざるを得ず、開催コストも増加しているという。理由はわかった。次回の東京開催に私は行くことにした。ただ、東京ビッグサイトで開催される次々回はまだ決めていない。次々回の入場料の金額がまだ発表されていないからである。
 仮にS氏とするが、今回、出店者として参加したある高名な批評家が開催終了後に旧Twitter上で、文学フリマの出店が拡大している理由として創作系の参加と商業出版社の参入を挙げる一方で、広義の評論系はここ何回か見た限り減っていると発信した。私も当初は前回よりも評論系の出店者が減っている印象を持った。あくまで印象である。実際には、前回よりも評論系の出店者の数はむしろ増えていた。前回、わずか2時間ほどで完売したものの、今回は出店しなかった評論系の出店者が意外と多かった。恐らく、抽選を外したか、最新号を作成しなかったかのいずれかであろう。このために私は前回よりも評論系の出店者が減っている印象を持ったまでである。S氏が私と同様の印象を持ったかどうかはわからないが。
 評論誌を作成するにあたって、資料収集、文献の読解を含め、労力も時間もお金もかかる。そう簡単なものではない。今回は評論誌の価格の高騰が目立っていた。そのために、今回は同人誌を購入するにあたって思い通りにならないところがあった。だからと言って、評論誌の出店者を責めることは私にはできない。

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