第1章から第3章まで、昭和や平成に起きたことなどついて触れて来たが、平成という時代も西暦2000年をまたぐ頃になると、ハードコアの世界でも様々な出来事があった。
　あまりにも多くの出来事があるために、遅々として書き進める時代が進んで行かないのだが、この第4章では新たに世界に飛び出していった日本のハードコアや、多くの経験を積んだハードコアの人間たちが、どのような変化を遂げていったのかということも含め書き進めて行きたいと思っている。
　海外との交流が進むに連れて、来日バンドも多くなり、日本のハードコアシーンが国際色豊かになっていった時期でもある。世界の中の日本のハードコアという観点も、この第4章には登場するだろう。
　他にもまだ書けていないことや、思い出す話もあると思うので、今しばらくお付き合いを願いたい。
　売文稼業なので有料とさせていただくが、連載の励みにもなるので興味のある方は、この第4章も購入していただけると幸いだ。

　第1章、2章と同様、自分が体験したことでもないことで、馴れ馴れしくバンドに知ったかぶりをして話しかけても自己責任なので気をつけることを忠告しておく。　
　昭和のハードコア・パンクの先輩たちがそうであったように、一旦中に入れば信じられないほどの優しさを見せてくれる日本のハードコア・パンクの人間たちだが、その壁は厚く高い場合があることを認識してほしい。そうでなくては、このコラムを続けることができなくなるかもしれない。

「 #2 JUDGEMENT衝撃の真実」

　西暦2000年を境に鉄アレイやPAINTBOX、FORWARDやCRUDEなどのBURNING SPIRITS周辺のバンドが海外進出を果たす中、日本ハードコア界において重要かつ世界でも評価の非常に高いバンドが、まだ海外進出を果たさずにいた。

　JUDGEMENTである。

　結成以来の活動や逸話は、第3章#6や第3章#12に書いてあるので、そちらを読んでもらえばわかると思うが、FORWARDが初の海外進出を果たしたあと日本に帰り、またすぐにでもアメリカに行きたいと思うようになっていた。
　再びアメリカに行くとなった場合のことを考えたとき、俺は日本のハードコアシーン、ここで言うならばBURNING SPIRITS周辺のシーンを、よりわかりやすく伝えるために、もうひとつのバンドと2バンドでアメリカツアーをやりたいという思いに至った。

　キラ星のごとく存在する素晴らしいバンドたちの中で、一緒にアメリカツアーを行うバンドは？と考えたときに、素晴らしいバンドにもかかわらずまだ海外進出を果たしていなかったJUDGEMENTが真っ先に頭に浮かんだ。
　そしてその思いを実現させるべく、俺はMUKAIやZIGYAKUに「今度一緒にアメリカツアーをやらないか？」と声をかけたのが、確か平成17年である2005年頃のことだったと思う。

　アメリカツアーの話をしたときのメンバーは答えを濁していたが、俺個人としてはこんな素晴らしいバンドが日本だけに埋もれているのはもったいないし残念で仕方がなかった。
　そのため、顔を合わせると思い出したようにアメリカツアーの話をしていたのだが、明確な返事はまだ貰えない状態だった。

　そんなときにJUDGEMENTに事件が起きてしまった。