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エッセイ | 気持ちよく眠るために

目が覚める。カーテンの隙間から光が入ってきているため朝だと分かる。

起きたらやるべきことを行い、コップにアイスコーヒーを注いで椅子に座る。パソコンに向かい、記事を書いたり音楽を聴いたりする。

キーボードをたたいていると腕がかゆいことに気付く。
「机に何かあるのだろうか?」と思い机を見るが、そこには何もない。続けてかゆい腕を見ると、小さくだが赤く腫れた部分がある。

「蚊ではないな。ダニか?」と考えながら、さっきまで自分が沈んでいたベッドを眺める。

考えてみれば、このベッドカバーは久しく洗っていない。窓の外を見ると明るい日差しが入ってきている。洗濯するなら今日しかない。


私はベッドにかぶせているシーツを取り、その下にあるベッドカバーも外した。久しぶりにベッドの本体を目にする。意外とキレイなままで驚いた。

外したシーツとカバーを洗濯機に放り込み、たくさん洗剤や柔軟剤を入れて洗濯を開始する。いい匂いになってこいよと願いを込める。

困ったことに、洗濯を開始すると空がだんだんと暗くなってきた。焦って天気予報を確認するが、やはり今日は晴れのはずだ。空の気まぐれになんて付き合っていられないと考え、気にしないふりをして別の作業に集中する。


洗濯機に呼ばれて駆けつけてフタを開ければ柔軟剤のいい匂いがする。ベッドカバーとシーツをカゴに取り出してベランダへ向かう。

外は晴天で温かい。風の吹き方も強すぎず、かといって弱いこともなく心地よい。

「今日は洗濯日和だな」と思いながら、物干しさおとベランダの手すりに洗濯したものを干していく。ベランダ一帯がふんわりといい香りになっていくのがたまらない。

部屋に入って外を眺めると、見える景色の半分は洗濯物になってしまった。シーツの向こうから太陽の日差しが透けて見える。

こんな風景もたまには良いかなと思える。


夕方4時頃にベッドカバーに触ると乾いているようだった。すぐ暗くなってしまうだろうから、もう取り込むことにした。

ベッドカバーとシーツを取り込み、ベッドにかぶせる。ベッドカバーはベッド本体と留める部分が多くあるため一苦労だ。

シーツをかぶせるとうつぶせでベッドに倒れ込む。鼻から息を吸い込めば良い匂いが体に入ってくる。

干した後の布団や、洗濯後のシーツはどうしてこうも気持ちが良いのだろうか。これで今夜からまた気持ちよく眠れそうだ。


目を開けて起き上がると辺りが暗くなっていた。今夜は眠れないかもしれない。



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