くつろぎイタチ(妖怪フトンタタミ)、或いは板近 代

文章を書くオコジョです。写真を撮ったりもしますです。どうぞ、よろしくお願いイタチます🦦…

くつろぎイタチ(妖怪フトンタタミ)、或いは板近 代

文章を書くオコジョです。写真を撮ったりもしますです。どうぞ、よろしくお願いイタチます🦦🦫🦡

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【#短編小説】母を否定する手紙

 拝啓、お母さん。  あなたに手紙を書くのは、はじめてのことではありますが、私は時々、手紙とは感情のためにあるのではないかと思うことがあるのです。 「私の人生にあなたを巻き込んでしまった」  きっと、あなたは私に対して、本気でそう思っているのでしょう。  でも、人生に巻き込んだのはお互い様ではないですか?  たしかに私は、あなたが産まなければ産まれてこなかった生き物ではありますが、あなただって私の人生に巻き込まれてきたでしょう。  嫌でしたか?   つらかったですか

    • 【お知らせ】小説家になろうでも投稿を開始いたしました

      イタチの短編小説を読んでくださっているみなさま、ありがとうございます。 本日は、お知らせがあって記事を書かせていただきました。 少し前、2024年の4月4日より小説投稿サイト『小説家になろう』にて投稿を開始いたしました。 当noteに掲載中の小説も投稿しておりますが、一部、小説家になろうにのみ投稿している小説もございます。 逆に、当noteだけに投稿している小説もございます。 現在、投稿済みの『小説家になろうオンリー』の作品は以下の三作品。 (※2024年4月22日

      • 本気でサッカーをする熱い人たちがいる場所。現地に行ける日と、行けない日と

        こんばんは、板近 代です。 本日は、約一ヶ月ぶりに行くことができた『本気でサッカーをする熱い人たちがいる場所』を振り返りながら、現地に行ける日と、行けない日について書かせていただきたいと思います。 どうぞ、よろしくお願いいたします。 一ヶ月ぶりの、現地2024年4月14日。 約一ヶ月ぶりに『本気でサッカーをする熱い人たちがいる場所』に行くことができました。 ひと月の間も試合などありましたが、体調不良で行くことができなかったのです。 14日の試合はトレーニングマッチ

        • 【#短編小説】怪談 腐液腐肉

           女が、青年の世話をしていた。 「くさくないかって? 大丈夫です。大丈夫ですよ」  床に敷いた和布団に眠る青年はもう長いこと起き上がることができておらず、室内にはすえたにおいが籠っている。 「大丈夫です。大丈夫ですよ。大丈夫です。だって、ええ。ええ。そうですね。私は嬉しいくらいですよ」  かいがいしく世話を焼く女の年頃は、二十代後半くらいか。彼女は青年のために幾日も起き続けているが、表情や声、そして振る舞いには一切疲れた様子を出すことがない。 「ほら、もし人間が野生

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        • イタチの短編小説
          31本
        • FC刈谷 記事&写真まとめ 一覧
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        • イタチカメラ
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        記事

          【#短編小説】私より足のサイズが小さな子が羨ましかった

           私より足のサイズが小さな子が羨ましかった。不自然ではない高い声が出せるよう部屋でこっそり練習をした。だから私は、どんどん私ではなくなって、友達とふざけた写真を撮るようになってしまったのだ。 「友達の正体は友達ではなく、友達らしきものであることは、ずっと、ずっと、わかっていたのに」  そんなことを思ってしまう私は、性格が悪いのだろう。でも、あの子たちのグループに入れたのだから、まあまあマシな顔をしているのだろう。 「そんな私も」  いつか母親になり、父親を名乗る人と暮

          【#短編小説】私より足のサイズが小さな子が羨ましかった

          【#短編小説】鎌、全覧ならざるを得ず

           鎌、全覧ならざるを得ず。  残するは刑。鈍しては礼。  烙印十がされおりて、裁きすけらぬ道色知れ者がちりぢり形て咽ぶ哭く哭く渡り鳥の果て。  夢、芽か、破れた雅のかいざいつちて。  金、輝きざるを得ず。  夢見るは罪。座しては伏。  最、避けの嘆き日々知らず刺す毒の呪詛なりて臥せぶないなぜの我が身川沿いの異詞。  爪、土か、崩れたしずかのさいざいに轟轟て。  鳥空概生ましてれから、今で幾ら、までぞ幾ら数々鳥死したか死しずしか。  誰はかり、誰そはかる。  すいず

          【#短編小説】東京エナジードリンク

           私の恋人が、寝る前だというのに冷蔵庫からエナジードリンクを出してきやがった。 「マジかよおまえ」 「マジの大マジよ。今の私には、ソファからベッドに移動して眠りにつこうとするためのエナジーが必要なんです」 「百歩譲って移動のためのエナジーはわからんでもないが、眠りにつくのにエナジーはいらんだろ」 「追加で、五万歩くらい譲ってくれない?」 「それでもわからん」  明日は早起きしてデートにいく約束だろう。だから、久方ぶりのお泊りにも関わらず酒も飲まずにパジャマを着たんじゃない

          【#短編小説】一眼レフ(この世界は君にとって優しくない、されど君の世界はとても美しい)

           大人になってまで、こんなことを頑張らなければならないとは思ってもみなかった。  シャワーをあびる。  髪を洗う。  バスルームから出て、髪を乾かす。  そんなことすらもまともに行なえぬ日々が、いつしかあたりまえとなっていた。  母が言うには――――幼い頃の僕は夕日を見ていつも泣いていたらしい。綺麗すぎるから、などという理由で。 (僕はまだ、夕日を見て泣けるのだろうか。朝日に怯え、照らされながら、泣くことはあるけれど)  泣けば泣くほど、涙の価値は下がるのか。多分、

          【#短編小説】一眼レフ(この世界は君にとって優しくない、されど君の世界はとても美しい)

          【#短編小説】ごめんなさい、おかあさん

           起きていれば悪夢を見ないという話は、嘘である。 //2024年3月14日:いけすかないカフェにて//  あいつは言った。 「最近、なんにもしていないのに泣きそうになるんだ。つらいことなんてなにもないのにさ」  私はあいつに、なら泣けばいい、泣いてはならない理由なんてないだろう――――と言い返した。  そうしたらあいつは私に、こう、返したんだ。 「泣かないよ。僕が泣いたらお母さんが心配する」  私はなにも応えずに、煙草に火をつけた。  それがあいつとの最後の会話

          【#短編小説】ごめんなさい、おかあさん

          復帰。サッカー選手がピッチに帰ってくるということ

          2024年3月10日。 待ちに待ち望んだ瞬間がやってきました。 今年最初の記事に『とても待ち望んでいる』と書いた瞬間が、ついにやってきたのです。 それは、怪我で離脱していたある選手の復帰。 本日は、厳しいリハビリをこえ再びピッチに立った一人の選手の姿と、ともに出場し戦った仲間たちの姿をお届けさせていただきます。 あの熱を、伝えられたら嬉しいです。 そのフォワードの名は、鈴木直人FC刈谷というサッカーチームに、『鈴木直人』という名のフォワードがいます。 とても熱い

          復帰。サッカー選手がピッチに帰ってくるということ

          エンブレム

          只今深夜1時すぎ、仕事の休憩中。 私は今、ある写真を見ています。 2024年3月3日、天気は晴れ2024年3月3日、天気は晴れ。 緊張感あふれる、試合開始前。 FC刈谷の9番 鈴木直人選手と、8番 齋藤雅之選手が並んで歩いていました。 私が二人の姿を見はじめて、ほんの少しの時間が過ぎた時。 鈴木選手が、顔を少しあげました。 続いて、齋藤選手が顔をあげました。 二人は、観客席を見たのです。 鈴木選手と齋藤選手。 二人がサポータがいるほうをまっすぐに見ながら触れたの

          ゴールキーパーコーチ、凛々しく

          サッカーチームFC刈谷。 その試合会場には、たくさんの魅力があります。 たとえばゴールキーパーコーチ“上田雄太郎”さんの姿を、見ることができること。 雄太郎さんはゴールキーパーコーチの名の通り、ゴールキーパーとともに勝利のためのトレーニングを行なう、とても、心強い存在。 さらに、トレーニング以外にも様々な仕事を行なう、チームを支える大切なメンバーです。 雄太郎さんは選手ではありませんので、試合に出ることはありません。 ですが、試合中も重要な役割を担います。 もち

          FC刈谷 2024年3月3日 全ゴール&PKセーブ写真集

          シーズンがはじまってから、勝ち続けているサッカーチームFC刈谷。 その勢いはすさまじく、2024年2月25日には第64回刈谷市長杯サッカー大会の優勝もつかみ取っています。 (以下の動画は、刈谷市長杯優勝の喜びの気持ちを込めて作った動画です。見ていただけたら嬉しいです!) その翌週。 2024年3月3日に行なわれた『第47回愛知県社会人サッカー選手権大会 兼 第60回全国社会人サッカー選手権愛知大会 2回戦 名古屋シティユナイテッドFC戦』でも、6-0のクリーンシートで

          FC刈谷 2024年3月3日 全ゴール&PKセーブ写真集

          【#短編小説】怪談 指

           部屋に指が落ちていた日の話をしましょう。  あれは、長さと肌艶からして三十二歳ごろの男性の人差し指かと思います。すぐ近くに長い髪の毛が一本落ちていたので、私はそれの先に指を結び付けてクルクルクルとまわして遊んでみることにしたのです。  すると、不思議なことがおきました。  何度回しても、必ず指が同じほうを指して止まるのです。  まるで方位磁石。  ですが、指の向いた先には箪笥があるだけ。  抽斗は小さく、深さは横向きに寝かせた人の頭が一つ入る程度。横幅奥行きは、大人の

          【#短編小説】人を傷つける文章 副題:小指の外側が真っ黒になるまで

          『みんなが、私のいないところで、私の悪口を言っている気がするわ』  みんなとはすなわち、全て。  全てが自分を嫌っていると考えることは、全てが自分を愛していると思いあがることと同義です。  また、害意を抱いている者がみな悪口を言うとも限りません。  人間には、悪口すら言わないという選択肢もあるからです。 『みんなが、私のいないところで、私の悪口を言っている気がするの!』  少しだけ、落ちついて考えてみてください。  そうすれば、彼女の言うことがありもしない話、或いは、

          【#短編小説】人を傷つける文章 副題:小指の外側が真っ黒になるまで

          【#短編小説】人ヲ壊ス

           今私の目の前にいるこの汚らしい少女の仕事は、人を壊すこと。 「殺したことは一度もない、だから私はプロフェッショナルなのよ! いい? たとえば目玉を触る時は――――」    糞みたいな話を熱弁する、人間を痛めつける専門家である。 「では、なぜ君はそんなにも苦しそうなのかね。プロとしての自信はあるのだろう」  私は医者ではあるが、頭に闇とつく。  だからこそ、このような結論を急いだ質問も許されるのだ。 「私が壊した人、何人も死んじゃったって」 「遅効性の致命傷を与えてし