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5.ローンを早期返済するつもりだったのに

マンション購入するまで3、4年ほど一人暮らしをしていました。
そして部屋の契約更新をするとき1カ月分の家賃を更新料として払わなきゃいけなくて、それがなんだか腑に落ちませんでした。

それまで払い続けていた家賃も合算すると400万円近い金額になります。
もったいないなぁ、同じ毎月の支払いでもそれがローン返済だったなら自分のものなのに、と何となく考えたのがマンション購入のきっかけだったように思います。


一目惚れで購入した物件

とはいえ、積極的に物件を探すようなこともなくしばらく時が過ぎていきました。
仕事が忙しくて、それどころではなかったのです。
マンションのことなどすっかり忘れていたころ、ある日偶然に見た新聞広告に激しく心惹かれました。

東京湾を臨む場所に位置する間取りの変わった物件。
当時はまだ基礎工事に着手したばかり。
建設予定地のすぐ近くにあるビルの一室に造られたモデルルームを内覧に行ったところ、一目惚れしてしまったのです。
こんな部屋に住みたい!どうしても欲しい!

マンションを買うための具体的な準備はゼロ。
しかも独身女がマンションを買うなんて、昭和の日本では相当なレアケースです。
でも、どうしてもその物件に住みたいと思ってしまったのでした。

親に相談し、頭金をかき集め、ローン審査にも通り、スルスルとことが運び、何とか購入できることに。
内装やベランダデザインを好みのものに替えると、なんだかんだで4000万円近い物件です。

今から考えると30歳ほどでそんな借金を背負うなんて恐ろしいけど、まさに若気の至りだったと思います。

ホムパ三昧な日々

初めてその部屋に入り、窓からレインボーブリッジが見えたときは本当にうれしかったなぁ。
暑い夏の日でした。
そして入居後すぐに夏休みでハワイへ行ったので、現地でキッチングッズやらリネン類やら爆買いしたのを憶えています。

相変わらず激務の日々。
部屋には寝に帰るだけのようなものでしたけど休みの日にホームパーティーをするのが楽しみでした。
インテリアをリゾートホテルのようにして、波音のBGMを流して。
家の中をハワイのようにして、忙しい日々のなかに癒しを求めていたのです。

当時のホムパで抜栓したコルクたち。魚の置物はプーケットで購入。イタリアの家でも飾ってます

このときに開催したホームパーティーは今では友人間での語り草になっているほど。
飲みに行った先で盛り上がり、そのままうちになだれ込んでひと晩中飲み明かす、なんてこともザラでした。

運命の早期返済期日

忙しいながらも充実した日々を送っていました。
働いてローン返済して遊んで、という繰り返しに満足していたとも言えます。

ローンは早期返済するに越したことはないのは、皆さんご存じの通り。
早期返済するとその分利子が減るのです。
そのため、もらったボーナスは使わず満額貯金して備えていました。

手続き費用と先々の利子とを天秤にかけると、たしか200万円だったか300万円がお得な金額帯だったので、その金額に達したとき、なぜかすぐに返済手続きをしませんでした。
たぶん忙しかったのだと思います。

仕事がひと段落した、忘れもしない2004年3月1日。
ローン会社へ電話をしたら、早期返済の受付けは昨日で締め切ったこと、次の受付けは7月1日以降になることをあっさり告げられる。
いつでも好きな時に返済できると思っていたので驚きました。

そしてここで浮いた大金を手にしていたことで、人生はイタリアへとグッと近づくのです。

それにしても謀られたかのようにちょうど前日に返済期日が終わっていたなんて、考えれば考えるほど不思議。
まとまったお金がなければ会社を辞めてイタリアへ行きたいと思っても、絶対に無理でしたから。

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