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70 そろそろ始まる「デジタル課税」

Insight Tech アイタスクラウド営業担当です。
昨年から議論が続いていたデジタル課税ですが、今夏にも合意するようです。

デジタル課税ルール、6月か7月に合意へ=OECD事務総長
2021年5月28日 ロイター
各国のデジタル課税、米「国際合意後すぐに凍結を」
2021年5月27日 日本経済新聞
デジタル課税、利益率で線引き OECD約100社対象
2021年5月22日 日本経済新聞

デジタル課税って何?

「そもそもデジタル課税って何よ」と思われるかもしれませんが、インターネットによって海外に直接サービスを提供する企業を対象にした法人税です。

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企業が海外に事業進出する際、進出国における納税義務は、物理的な拠点(恒久的施設と言うらしい)があるかないかで決まるのが国際課税の原則なのだそう。ざっとですが以下のようなイメージです。

(例)
①日本の小売店A社がインドで店舗展開・・・課税
②日本のゲーム会社B社がインド語版ゲームをAppStoreで販売・・・非課税

へ~(゚Д゚)

経緯と内容

現地に拠点を構えずともビジネスができるため、課税されずにすんでいた企業が結構多かったようなのですが、これを問題視する方々が「デジタル課税するぞ!」と、いろいろ議論していたという話ですね。

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当初は2020年内の合意を目標に進めていたらしいのですが、「GAFA狙い撃ちじゃないか!」とアメリカ側からの批判と、議論からの離脱があったためスケジュールが後ろ倒しになりましたが、アメリカが政権交代の後、新案を提出したことから進展したと言われています。

新案というのがざっくり以下の文面で読み取れますね。

経済協力開発機構(OECD)は米国の新提案を採用する調整に入った。利益率と売上高の規模による簡素な線引きで世界の100社程度を課税対象にする。既に具体的な基準について約140の交渉参加国・地域に伝え始めた。2021年半ばの合意に向けて詰めの協議を急ぐ。

身近なサービスだと動画配信サービスなどが対象になりそうです。
例えばNetflixは世界190以上の国へ配信サービスを行っていますが、支社を構えているのはオランダ、ブラジル、インド、日本、韓国、イギリス、シンガポール、フランス、スペイン、メキシコのわずか10ヵ国です。

法人を持たない国からの課税はこれまで無かったため、今回の改正以降はとんでもない額を持っていかれそうですね。
世界の100社に選ばれたら大変です。

ちなみに

こう見るとデジタル系の法整備はヨーロッパが進んでいますね。
2019年には既にフランスがデジタル税の徴収を可能とする法案を作っていたようです。こちらは作ったけど施行せず(ずっと延期)となりましたが。

サードパーティーcookieを終焉させるようなGDPRやePrivacy規則(可決前)もEUが整備したものなので、このあたりの感度は高いのでしょうね。




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