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セルフ・レコーディングのトリセツ -3

ミュージシャンの皆さん
自分たちの音は自分たちで録りませんか。
レコーディングプロデューサーからの提案です。


自分たちでもいい音が録れます。
いや、自分たちだからこそいい音で録れます。
ミュージシャン自らが一番のレコーディングディレクターです。

アコースティック音楽(クラシックやジャズ、邦楽やコーラスなど)の皆さんは、普段、音響機器(いわゆるPA)を使わないでコンサートをしていることが多いと思います。
その場合、ステージ上で、グループの各楽器同士のバランスを自らで取り合い、自分たちが誇る音楽に仕立て上げ、客席に向かって投げ掛けているのです。特別にバランスをそれほどまでに意識して演奏しているわけでもないとおっしゃるかもしれませんが、グループで仲間の音すべてが聴こえながら自分の音をそこにのっけていっているわけですから、それでバランスは取れているということです。いい演奏できてるぞ、という手応え = いいバランスでお客さんに皆さんの演奏が届けられているぞ、ということです。
そんなこと言われなくても分かってるって怒られそうですが、そうやっていつもいつも演奏なさっているわけです。
つまり、バランスがとれた上に皆さんの音楽性がのっかった素晴らしい音楽のかたまりが客席に届いているということは、その座席にワンポイントマイクロフォンがあればいい、というのがアコースティック音楽のレコーディングの基本と思って下さい。

そして、その席(マイクロフォン)に届いた音が、いかに素晴らしいか、いかにいい音か、いかに自分たちが届けたい音か、それを誰よりも明快に判断できるのはご自身です。
そうです !!
そうなんです。
ミュージシャン自らが一番のレコーディングディレクターなのです。
特にアコースティック音楽の場合は最高のレコーディングディレクターです。

では、その上に立って、そのほかにレコーディングで大切なことは?、あとほんのちょっとです。
一つは、「いい空間でありたい」、もう一つは、「その空間におけるマイクロフォンとの距離感」、これだけです。

コンサートの時と同じ気構えでいいわけですから、時には、コンサートで終演後すごい充実感がってことありますよね。「時には」では失礼でしたでしょうか。
その、すごい充実感の時に音を録っていたら「テイク・ワン、OK ! 」ですよね。
そんな可能性もいっぱいあります。
プロのレコーディング・スタッフは録り直しや編集ありきでの現場が多く、ついついレコーディングってそういうもの、というムードができ上がっている感じもしますが、1回でいい演奏はそうそうできないものだ、なんて言ってしまったらコンサートのお客さんに失礼ですよね。
「テイク・ワン」でメンバー全員が充実感の中にいたならば、それは絶対にそのユニットの最高作です。

編集無し、また継ぎはぎ無しで "とおし" で録れた時のほうが必ずいいです。
ということは、セルフ・レコーディングでできるぞ ! 、がまた一つ判明しました。
レコーダーをONにして何秒か後に、目で合図「せーの」、
フィニッシュの音の残響が消え去った何秒か後に、レコーダーをOFF。
喜びの声で「OKー !!」 ・・です。

かつて、そんな充実感の連続でコンサートを終えたことはありませんでしたか。
その日にレコーダーをセットしていたとしたら、全曲一発録り編集無しのアルバムがコンサートと同時に完成していたことになります。
セルフ・レコーディングを習得した暁には、今度はライブ・レコーディングができてしまいますね。(コンサートホールなので、当然マイクロフォンの位置どり、空間の捕らえ方、お客さんの存在など、新たな対応は少なからず必要にはなりますが)

セルフ・レコーディンの先に、様々な楽しみが膨らむのも確かなようです。


♬ 「 セルフ・レコーディングのトリセツ -4 」へ、  つ・づ・く


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