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本屋さんは、エンタメだと思っている

ぼくが特に大型書店へ入店した際、昔からいつも思うことがある。

こりゃ、何時間でもいれるな

読みたいものが明確な場合は、それを手に入れると早く読みたい一心から家路を急ぐこともあるけれど、特にお目当てもなくフラッと入ったときには本当に何時間でもいれる。
こう話すと、あまり読書に熱心でない友人や知人などからは結構な確率で驚かれるのだけれど、これを読んでくださっている方の中には「うん、うん、わかる、わかる」と頷いてくれる人もきっとおられると思う。

本屋さんは、タイトルや装丁を見てるだけでも楽しい気分になる。
例えば、noteを書いている人なら記事のタイトルに多少なりとも思案するだろうし、自分でお店をされている人ならかなり考え、思い入れある店名にされる場合がほとんどだと思う。まして、書籍化されるものは携わったそれぞれのプロの人たちが考え抜き、著者や編集者の思い入れが反映されたものなんだから、そりゃ完成度が高い。

装丁を見ていて楽しいのはレコードのジャケ買いと似ている気がするし、背表紙のタイトルを眺めているだけでも中には名コピーと遜色ないと思うものもある。そんなタイトルに遭遇すると、ぼくは心の中で拍手を贈る。
また小説にも秀逸なタイトルはたくさんあるけれど、個人的には内容から直接的でないものの方が惹かれる。そういう意味では、東野圭吾さんの「さまよう刃」は読後、改めてタイトルをしげしげと見つめ、巧いなぁと唸った作品だった。
あ、余談。

先日、本屋さんへ行ったときは欲しい本が決まっていて早く読みたかったこともあり、さほど時間をかけることもないと思っていたけれど、結果的には3時間以上もいた。理由は、お目当ての本が見つからなかったから。それも欲しかった3冊とも。
探していたものが専門書やマイナーな作家さんの作品というわけでもない。
天下の、と呼んでいいと思う大型書店でそんなはずなかろうとぼくは気を取り直し、文庫本の棚をもう一度どころか3周もしたけれど見つからなかった。

ああそうですか、ないんですか。文庫がないなら単行本でもいいぞ。

そう思い、最初に素通りした単行本のコーナーへ戻り、棚をくまなく探したけれどやはりなかった。

はぁ〜。ため息がもれる。

こうして、ぼくの中でAmazonへの支持が改めて上昇するのである。
ちなみに、大きな書店には「検索機」なる端末があることは知っているし(このお店にあるのかは知らないけれど、場所と規模を考えればあると思う)、かなり昔に京都の書店で一度だけ使ったことがある。それ以来ぼくは使用していない。また、店員さんに尋ねるといった手段もあるけれど、それもぼくはしない。
ホームセンターや大型の100均などに行ったときには、すぐに店員さんをつかまえて尋ねるくせに本屋さんではそれをやらない。
なぜなら、検索機を使用したり店員さんに訊くならAmazonで注文をするし、せっかく本屋さんへ行ったのに、その楽しみが半減すると思うから。

そんなわけで、結局ぼくは他のおもしろそうなタイトルの本を4冊買って帰った。
この数日後、お願いしていたわけではないけれど友人、知人から立て続けにそれぞれお薦めのタイトルがLINEやメッセンジャーで送られてきた。3冊分。

あー、こうして積読やダウンロードが増えていくのである。
信頼できる人たちのお薦めだし、タイトルも惹かれるので必ず読みますよ。
ありがとうございます。

つづく




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