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独立した元スタッフへの言葉と、経営のこと 8.

※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

こうして良い状態の中古機器を手に入れようと思うと、物件と同じで常にアンテナを張っておく必要があるし、運もある。また時間と足を使って探す場合も多い。

資本のある人や会社なら、こんな面倒なことをしなくても新品を購入すれば確実に間違いのない機器が手に入る。
時間や手間をかけ探したり、場合によっては修理代や完全に壊れた際の買い替え費用といったリスクを取ってでも初期投資額を抑えるのか、あるいはそういった手間暇や故障などの心配をすることのない代わりに初期投資額が大きくなる方を選択するのかは、トレードオフの関係になる。
それでも先述した様に初期投資の差額や減価償却のことを考えると、小資本の人や会社が選択すべきは前者だとぼくは考えるし、そこへかける時間や労力は決して無駄だとも思わない。

独立をするスタッフやこれからお店をされる方からぼくが相談を受けた際、助言させてもらうことの一つにこういったものがある。

お金のない人が、ある人と同じようにやろうと思わない方が良い

もちろん嫌味じゃない。
みんながお世話になったお師匠さんたちというのは、恐らく既にお店を何年も経営されていて売上規模もそれなりにあったり、場合によっては借入も完済しているかもしれない。
そうだとするとこの時点で資本力が違うし、何よりもこれからお店を始めようとする人は、本人にどれほど実力や自信があったとしてもその時点では看板もない無名な人でしかなく、お店を開いたからといって何年も営業されてきたお師匠さんのお店のように初めからお客さんに来てもらえる保証だってない。

例えば厨房などで使用する道具類。プロ仕様の道具は機能的で耐久性がある分、何かと高価になる。だから資本の小さなこれからの人たちには、こう伝える。

「フエ(ホイッパー)やボウル、ザルでも100円ショップで買って来ればいい。
すぐに壊れるかもしれないけれど、また買い直しても108円。
業務用の高価な道具は、確実に利益が出せるようになってから買えばいい。
お金のない人が、ある人と同じようにやろうと思わない方が良い」

そこにあることを当然のように思い、他人の店の道具や機器すら大切にできないような人には理解できないかもしれないけどね。

つづく

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