見出し画像

独立した元スタッフへの言葉と、経営のこと 4.

※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

「広さは15坪~20坪くらい、家賃は1坪あたり約1万円」

これが、ぼくの想定したいわゆる街場にある食べもの屋さんのサイズ感だった。
そして、このお店を開業するために必要と思う投資額として試算したのが2千万円という金額。

自分にもできる可能性のあるレストランとして大き過ぎず小さ過ぎず、豪華でなくチープ過ぎないものを、と考えた条件だったけれど結局ぼくはレストランでなくパン屋さんをつくった。
レストランとパン屋さんでは、その厨房設備はまったくというほど別物であり、よほど特殊な調理機器を導入でもしない限り厨房設備費はパン屋さんの方がかなり大きくなると思われる。
一方でパン屋さんをするには基本的に必要ないけれど、レストランをするためには必要なものがある。ナイフ、フォークといったカトラリー類やお皿、テーブルや椅子といった什器備品類がそれにあたる。

レストランにかかる厨房設備費 + 什器備品類費 = パン屋さんをするためにかかる厨房設備費といった単純な話ではないけれど、ぼくの中で15坪~20坪くらいの店をつくるのにかかる投資額というのは、それがレストランであれパン屋さんであれ(恐らくお菓子屋さんであれ)、およそ2千万円くらいという一つの目安ができた。

この試算を最初にしたのが、もう30年近くも昔のことになる。
これほど長い年月が過ぎ時代背景が変わっているにもかかわらず、ぼくの感覚としては未だこの目安にあまり変わりがない。

ぼくの考える “経営を圧迫する、自分たちではどうすることもできない外的要因” をいくつか書いたけれど(この話の 2.)、それらは初期投資でなく開業後のランニングコストに影響を与えるものがほとんどで、消費税を除けばいずれも店をつくる段階では直接関係のないものばかり。
そう考えると、これほど時代が変わっても開業するために必要な初期投資額自体は昔と比べてもそれほど変わりがなく、経営を圧迫し続ける原因というのは法律などを含めた外的要因によるランニングコスト上昇部分だということがわかる。

「お店(事業)は立ち上げるよりも維持継続することの方がずっと難しい」という言葉にも納得がいく。

つづく


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?