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世界に誇れる「おもてなし」とは?

「おもてなし」が間違った形で表現されている今の日本


YouTubeからのおすすめ動画にこんな動画があったので、見てみました。

日本の観光業の問題点についての討論のようですが、だいぶそれぞれの話が独特過ぎて、議論が成り立ってない印象でした。古坂大魔王が一生懸命話を分かりやすくまとめようと苦心されていますね(苦笑)

私が今回この動画を上げた理由は、この動画の中で「接客サービス」に対する大事なキーワードがいくつか出ていた為です。
その為、この動画の内容にはあまり触れないかもしれません(笑)
私が気になったワードは3つ。

  1. 感動させるサービスを出来る人材。

  2. マニュアルの限界。

  3. 安くすることでお客様との距離を取る

ひとつずつ詳しく深掘りしていきたいと思います。

①感動させるサービスを出来る人材

私の記事の中でも度々書いていますが、接客サービスの一番の商品価値は「お客様の心を感動させることができる立ち振る舞い」です。
「接客」という物としての商品は存在しないので、そのサービスを提供する人間がお客様に対してどのような立ち振る舞いで「接客」を提供するのかが大切です。

この動画では、時間外にご来店されたお客様の対応の例があげられていました。
コメント欄でもこの対応の答えについてかなり盛り上がっていましたが、私の答えとしては「その場に立ってみないとわからない」になると思います。

私にとっては、設定が曖昧すぎて、対応策が3つ、4つと浮かんでしまうためです。
そのお店の状況、お客様の状況、対応する、またはその周りのスタッフの状況で最適解は変わると私は考えます。

接客サービスは、その場の状況に合わせた最適解を提供することで、お客様に感動という満足感を提供することができます。

ただ、昨今のサービス業界では、マニュアルで全てを解決しようとする傾向が強く(しかも、そのマニュアルも理想形のものが多い)サービススタッフ個人個人の最適解を求める為の思考力を育てられていない場所が多いように感じています。

②マニュアルの限界

この動画の中で私は、デービッド・アトキンソンさんのお話がとても興味深かったです。

「日本のサービスはマニュアルがしっかりしていて、そこに感動する。でも、回数を重ねると感動が薄れていく。」

少し動画と言い回しが違うかもしれませんが、この内容には、悔しいながらも納得してしまいました。

海外のレストランと見比べた訳ではないので、あくまで私の主観ではありますが、日本のお店は、それぞれがしっかりとオリジナルのマニュアルを作成しています。そのため私もいろんなお店に行くたびに「こんな考え方があるのか」と発見があります。

ただ、その感動も最初だけだとも感じます。
その理由は二つ。
一つは、①でも上げた「最適解を求めるサービス」をやっていないから。
もう一つは、日々のサービスの良し悪しに落差が激しいこと。

デービッドさんがおっしゃられていた部分は、一つ目の理由が大きいと思います。
それに加え、接客サービスが回を重ねるごとに感動が薄くなる原因として私が考えるのが、二つ目の理由です。

私は、披露宴の現場で長く勤めてきました。
そこでは、常にお客様の満足度が100%になるように、一件一件勤めています。ただ、現実としては難しく、常に100%の満足度を得られるわけではなく、良くて95~90%というところだと思います。(これは、自分自身がより良いサービスを提供できたはずという反省も含めています)
しかし、結婚式場全体で見てみると、90%の日があれば、次の日は50%くらいの出来ではないかと反省する日もあります。
あってはならないことではありますが、40%にも満たないと感じる日も経験したことがあります。

このように、毎回のサービス提供の落差が激しく、満足度の平均点が低くなってしまっていることが感動を薄めている原因ではないかと感じています。

私としては、接客サービスの満足度はスタッフ側だけでなく、お客様もありきと考えるので、こちらではどうしようもない事態になることもあります。

ただ、それでも平均値を出来るだけ100%に近づけていくことが、プロとしての仕事になります。

人はどうしても悪い方にフォーカスを当てて評価をしてしまいます。
そのため、平均以下の接客サービスが続けば、その前にどんなに最良のサービスをしていても、その平均以下がそのお店の評価となってしまいます。

それを防ぐためには、日々マニュアルをその日の最適解にカスタマイズすることが大切になります。

私はそれを「接客戦術」と呼んでいます。

スポーツが好きな人には理解していただけると思うのですが、相手チームが毎回変わるのに、こちらは全く変わらない戦術で臨んでも勝てません。

それと同じように目の前のお客様とスタッフの状況に合わせてマニュアルを柔軟に変化させて、高い平均値を取りにいく接客サービスをやっていかなければ、お客様の感動は次第に薄れ、離れていくことになるのだと考えます。

③安くすることでお客様との距離を取る

この話も私としては、納得のできる話でした。
値段を安くすることで、人件費にコストがかけられず、必要な場所に必要な人材がいないというのは、今はいろんな場所で見かけるようになりました。

ただ、そうすることで「お客様を満足させる」という本来の業務との距離を置き、苦情が上がった際は「値段が安いから」という理由でそれを回避しようとしているという指摘は、少し胸が痛い指摘でした。

日本では「高い金額のものをいかにお得な値段で利用するか」という考え方が主流のように思います。
そして、売る側も買う側に見えない部分(特に人が関わる部分)を削減し、さもその商品がお得であることを売りにして販売をしていた経緯があります。

しかし、日本人は元来人の為になることはお金にならなくても努力してしまう民族なので「高い金額のサービスなのにお得な値段でそれなりの満足度を得ることができる」という少し変わった状態が普通になるようになってきました。

ここで大事なことは「それなりの満足度」という部分です。

本来、適正なコストをかけていれば「それなり」ではなく「しっかり」としたサービスを提供できるはずなのです。
しかし、そのコスト不足を「人のがんばり」でカバーしようとするため、上手くいった時は良いですが、悪い時は②でも上げた「満足度40%のサービス」になってしまうわけです。

しかし、まずは「売ること」が大事になっているため、売った後のことは最早ギャンブルです。
そして、それが悪い方に出た時に「この金額だから仕方がない」と売る側も買う側も納得せざるを得ない格好となってしまいます。

この「適正価格でモノが売れない」という問題は、国全体の問題とも思うので、すぐに解決できる問題ではありません。

しかし、私はこのコロナ過という特殊な時期を経験したことで、買う側が「本当に買いたいモノに適正な金額を支払い、金額と同等の満足度を得たい」という考え方にシフトしていくように思います。
それに伴い、売る側も「買う側に適正な金額を提示して、それに伴ったサービスを提供する」という姿勢にシフトしていくのではないかと期待をしています。

まとめ

動画を見て、気になったキーワード3つについて深掘りをしていきました。
「接客サービス」というキーワードにおいて、今の日本で必要な事は、日本人が本来持つ「気配り、目配り、心配り」が出来るサービススタッフを育成できる環境を見直し、今のこのグローバルな社会の中で日本人にしか発想ができない「おもてなし」を確立して、日本に来たからこそ得られる「お客様の満足度を鷲掴みにする接客サービス」を世界に売り出していくことが大切なのではないでしょうか。

かなり、長い文章になった挙句、すごく壮大な問題提起でまとめる形となってしまいました。
こういった壮大な理想を持ちながらも、日々の現場で少しずつでも100%の満足度に近づけるような接客サービスの提案を今後も書いていきたいと思います。
ここまで、読んでいただき、本当にありがとうございます。
ぜひ、よろしければ、あなたのご意見もコメントにて一言残していってください。それが私の学びとなります。

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