イユ-iu
感じたこと、考えたことなど。
好き!と思ったことについて、短めの感想。
心が動いた写真。自分で撮った。たまに自作イラスト。
勉強したこと、レビューなど。
これは、つい最近した私と祖母の会話である。祖母の家にはお庭があり、花を咲かせた山茶花と咲きかけた椿があった。 小学生のころの私より、今の私のほうがたくさんの花の名前を知っている。あのときだって、きっといろんな花を見ていた。それでも名前やその違いを知ってはいなかっただろう。 ・ ・ ・ 中学3年の夏、カナダにホームステイをした。出かけた先の公園で、聞き馴染みのある曲が聞こえて足を止めた。東日本大震災の際つくられた、復興支援の曲「花は咲く」。海外で聞くことになる
「印象派」なんて聞いても私はちっともピンとこない。好きとか嫌いとか以前にわからない、というのが正直なところ。 じゃあなぜ行くのか、と言われれば、たぶん知りたいのだと思う。わからないけど、好きという人も多い理由は一体何なんだろう。 そんな「印象派」の代表格とも言えるモネの展示を見てきた。平日午後なのにすごい人。一人で観に来る人もいれば、友人と、カップルで、着物姿の人も目立った。 ・ ・ ・ 印象に残ったのは、最後に展示されていた作品だった(75 薔薇の中の
夢を見た。 14時まで眠りこけていた私の夢は、今では全く関わりもしない人たちで溢れていた。高校1年生のころに話したことのあるクラスメイト。小学校のころよく席が隣になった男の子。見知らぬコンサート会場、はたまたゴミ捨て場のような駐輪場。 人も場所も脈絡もない夢が終わり目が覚めたとき、どうしようもなく自堕落な部屋が目の前に横たわっていた。 ・ ・ ・ 思えば、いつからか夢を見ることが減った。12月の今ごろは全く見ていなかったと思う。見てもすぐに忘れてしまう。忙
今日は22歳の誕生日だった。誕生日だからといって、特別な日になるわけではない。眠たい中起きて、いつもより少し混雑した満員電車に乗り、仕事をして、少し贅沢に一風堂のラーメンを食べ、授業を受けて帰る。そんな1日だ。 私にとっての誕生日は365日の中で1日だけだけど、他の人にとってはなんてこともないただの火曜日の今日。こうしていつもどおりの日を送ると、私ってほんと、何者でもないなって思う。 なんでもない、平凡で、教科書に名前がのるわけでもないただのひとりの人。それを20代
作品の中身について触れますので、未視聴の方はご注意ください。 ・ ・ ・ 「一番好きな花はなんですか」と言われて、何を思い浮かべるだろうか。具体的な花の名前が出てくる人もいれば、一番となるとどれにしようか迷う人もいるだろう。 世の中には、「いちばん好き」を聞かれたとき、それを思い浮かべるよりも先に、一番になれなかった方に思いを馳せる人がいる。この「いちばんすきな花」は、そんな人たちのお話だ。 ・ ・ ・ 2人組が苦手な4人、というフレーズを聞いて、
17時を回る秋葉原は、金曜夜ということもあり人が多かった。大勢のうちの一人として、横断歩道を渡る。 どうしてそんな秋葉原に来たかというと、現像した写真を取りに来たからだ。初めてのフィルム現像。どんな写真ができているか、ワクワクしながら店に向かった。 · · · きっかけは、夏の帰省。少し様子が変わった家の中、私の部屋は荒らす人がおらずきちんと片付いていた。本棚の上に、ちょこんと置かれた黒いものがある。気になって手に取ると、それはカメラだった。 こんなカメ
自分はできる、と普段思っていても、ふとした瞬間に弱り、自信はたちまち影に潜んでしまう。うまく動けなくなったとき、どうしようもなく、自分がダメな人間であるような気がして苦しくなるのだ。 それでも、カラオケオールして、いつも通り仕事に行き、友だちと不安なことを共有していたら、いつの間にかそういう暗い気持ちが晴れていることに気づく。そんなに悪くないよ、自分。 そんな毎日に寄り添ってくれるようなドラマが、「俺の話は長い」だ。前に一回見て、最近見直したので感想を書きたい。
先日、朝起きたら起き上がれなかった。起き上がろうとするとボロボロ涙がこぼれる。接客の仕事だから、泣き腫らした目で応対するのは失礼だろう。でも、仕事だから、行かなきゃ、でも動けない。 前の夜からおかしかった、と今では思う。明日の仕事が嫌で嫌で仕方なくて、眠りたくなかった。いつもすんなり眠れるはずが眠れなかった。 このnoteでも書いてきたように、私は不登校の経験が三度もある。そのどれもが、頑張りすぎた夏を越した秋に起きる。あぁ、このまままた動けなくなるのかな。私はやっ
いつの日か、電車の改札へ降りる階段を下るとき見つけた広告。ぼんやりとしたイメージの絵画と、明朝体チックな文字。新国立美術館「テート美術館展 光」。 絶対行こう、そう夏休み前に決意したはずなのに、引き延ばして引き延ばして、最近開催時期を調べたら「もう終わるじゃん!」とギリギリな私の性格が出てしまった。 いつ行けるかなぁと考え、バイトがかなり早く終わる日が最終日だった。仕事と授業の合間にでも、と捻出した時間で乃木坂駅に向かったのだった。 チケットを買うにも混雑していた
大学を出てイヤホンをつけていると、向こう側でドンという音が聞こえた。もしかして、と思いイヤホンを外すと、またドドンと音が響いた。花火だった。その日は隅田川の花火大会だったらしい。確かに、電車に乗るときに浴衣姿をよく見かけた。 バイト6連勤最終日で大学の授業が最終日だった。終わったー!と思いながら大学を出たから、なんだかその音がお祝いの音に聞こえた。 この春から大学に復学し、昼に働き夜に授業という生活を送っていた。仕事も大学も週5であったので、かなり体力的には大変だっ
夏の大根はあんまり美味しく調理できなかった。やっぱり旬がいいのか、と思いスーパーを回っていると、枝豆を見かけた。おお、枝豆か。居酒屋のおつまみでしか最近は食べていない。夏バテ気味で食欲が落ち、料理欲もあまりないが、枝豆をゆでるくらいなら休日の私でもやるだろうと思い、手に取ったのだった。 自分でゆでるのは、記憶の中ではじめてだった。袋を開けると、青臭さがあった。いつもの枝豆の匂いではなかった。先端を少し切るというちょっとしたひと手間を加え、塩を揉み混み、沸騰したお湯に入れ
アニメや漫画など作品において、感情移入するキャラクターが変わることは楽しみの一つだと思う。 かくいう私も、映画「THE FIRST SLAM DUNK」を見て、宮城リョータではなく母の薫に感情移入してしまった。親の気持ちは、歳を重ねるにつれその重みを増すようだ。 そのときにしかわからないことは世の中にあり、タイミングや運が絡んで経験になる。14歳の私は「大人になってあのときは若かったなんていう大人には絶対なりたくない」と思っていたが、今ではその気持ちがわからないでも
ゴオォ、と音がした。出勤前、歩いていると上空に飛行機が飛んでいた。思ったよりも近い場所を飛ぶ飛行機を見て、こうして空を自由に飛べるのは平和なんだろうと思った。お盆の真っ只中、電車はいつもより空いている気がする。いつもと変わらない日常。 今日は終戦記念日。なんだか文章が書きたくて、noteを開いた。 ・ ・ ・ 帰省したとき、両親の結婚式や兄の生まれた頃のアルバムを見せてもらった。フィルム写真は保存の仕方がいいのか、ほとんど色褪せずに残っている。 ふと、一
飛ばされてしまったと思っていた洗濯物が、郵便ポストの近くに置かれていた。お気に入りの洋服が戻ってきて嬉しいし、そうやって置いてくれる人がいるあたたかさが嬉しかった。 サンダルで歩き疲れ、家まで続く階段を登りながら、あぁやっぱり私は人が好きなんだな、と思ったのだった。 ・ ・ ・ その日はちょうど、友だちとディズニーシーに行った日だった。7年ぶりのディズニーシー。こんな感じだったっけなぁと不思議に思いながら楽しんでいた。 その中でも楽しみにしていたのが、夜
久しぶりに時間ができたので、ふらりと本屋さんに寄った。地元にいるときは、1時間に2本しかないバスの待ち時間に本屋へよく寄った。買うためじゃなく、ただ置いてある本を眺め、たまに手に取るだけ。それだけで、なんか日頃のストレスがふっと軽くなる。 本が好きだ。目を引く装丁、文庫の裏のあらすじ、ペラペラとめくる感覚、文字の詰まり具合、新書の紙の匂い。 その本がたくさんある本屋さん、図書館も好きだ。分類分けされた棚。背表紙の文字だけをたどるのも、なんだか気になった本を手に取って