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コントな文学『話が入ってこなかった』

コントな文学『話が入ってこなかった』


通り雨の帰り道、私は密かに憧れていた同じ大学に通う斉木先輩と歩いていた。

雨が上がって南の空に虹が掛かった。

「虹ってね、雨上がりや水しぶきが飛び散るときに見ることができる自然現象で、光が雨滴や水滴に当たって反射して屈折していることによって生まれるんだ。
通常は7つの色で構成された円弧状の形をしていて、赤、オレンジ、黄色、緑、青、藍色、紫の順に並んでいるんだよ。
一時的で幻想的な美しい光景だからこそ、昔から多くの人を魅了してきたんだろうね」

博識な斉木先輩が虹の説明をしてくれた。

だけど私は雨に濡れて白いポロシャツから、がっっっつり透けて見えてる乳首が気になって話が入ってこなかった。

なんなら虹の美しさも半減してしまった。

そして雨水が蒸発して空へ消えていくように、斉木先輩への想いも消えていった。





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