【3月と4月の読書記録】 正欲と取材・執筆・推敲が特に凄かった

はじめまして!普段デザイナーをやっているイワイです。
3月4月は沢山本を読んだのでnoteにまとめるよ〜、時系列順に書いても楽しくないだろうので面白かった順です。


正欲

著者:朝井リョウ

これね〜、非常に面白かったです。
要は多様性にまつわる話なんですが、少しでも多様性という言葉を目にしたことがある人にはぜひ読んでおいてほしいですね。貴方のことですよ。

あと現在の価値観を切り取っている部分があり時間が経つと感じることも変わってしまうので、今読んでおいた方が良いんじゃないかと思います。

個人的に思うことも沢山あったので、どっかでちゃんと文章に起こそうかな〜(箇条書きでは感想を書き出してある)


取材・執筆・推敲――書く人の教科書

著者:古賀 史健 

読書記録と書いておきながら、この本は読んでいる途中です。
ただこの本、タイトルの通り取材・執筆・推敲の3部構成でして、今「執筆」の途中なのですが、既にめちゃくちゃ面白い。みんなに読んでほしい。ということで入れちゃいました。

僕自身ライティングに興味があって読み始めたのですが、デザインにもかなり応用が効くな、とも感じます。「取材・執筆・推敲」はそのまま「リサーチ・デザイン・レビュー」みたいに置き換えることも出来るんじゃないでしょうか。(まだ読み終えてないから的はずれかも。)

とはいえ、言葉というのは人間誰しも使うものなので、読んで損はないのではないんじゃないかな。


イニシエーション・ラブ

著者:乾くるみ

コレも超面白かった。。映画化もされた小説ですね。読んだことはなくとも、映画を見た、名前は聞いたことがあるという人も多いんじゃないでしょうか。
合コンで出会ったマユという女性との出会いから恋愛模様を描くいた小説、と思いきやラストで状況が一変する仕掛けが施されている小説です。僕自身この触れ込みでかなり警戒しながら読んでいたのに騙されたので、結構期待していいと思います。読み終わったあと2時間くらい読み返しながら考察した小説はこれが初めてでした。

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あと帯に書いてあった広瀬アリスのコメントが的ハズレすぎてめちゃくちゃ面白かったですね。


妄想する頭 思考する手

著者:暦本純一

マルチタッチシステムSmartSkin(スマホの画面を指2本で広げたり狭めたりする技術)や世界初のモバイルARシステムNaviCamなどの発明をはじめとする、ヒューマン・コンピュータ・インタラクション研究の第一人者、暦本さんによる、アイデア発想法の決定版です。一般のビジネスパーソン、プランナー…新しいことを生み出したい方すべてにおすすめしたい1冊です。

Amazonの紹介文の引用ですが、これが割と全てですね。

仕事で「妄想」というワードについて考える機会があり買いましたが、アイデアの発想法から良し悪しの判断方法、どう試行錯誤していくかにも触れられていて、かなり面白くて実用的だなと思いました。

特にアイデアの天使度と悪魔度(アイデア自体の大胆さとそれを実現する技術力)の指標に関しては、自分がアイデアを出す・批評する際に非常に有用だなと思いました。


自信

著者:ハーバード・ビジネス・レビュー編集部

僕は、かなり自分に自信がないです。
そして自分の上手く行かないことや難しいことに考えたときに、自分に自信がないことがかなり大きな原因になっているんじゃないかなと思って買いました。

内容的には複数のソースから自信に関する主張をまとめているものであり、1つの主張を続けている訳でなかったのが良かったです。参考になるものもあれば参考にならないものもありました。

「準備する/一歩踏み出す/フィードバックを求める/リスクを取る」のような当たり前だろみたいなことをしよう、という話もあったんですが、こういう当たり前のことを少しずつやっていくのが自信に繋がるんでしょうね。個人的にはインポスター症候群にも触れていたのは有益でした。


デザイナーとして起業した(い)君へ。成功するためのアドバイスーWork for Money, Design for Love

著者:David Airey / 翻訳:小竹由加里

一応言っておきますが、独立も企業もする予定はありません!
けどいつかするかもしれないし、インハウスで働いていたとしてもフリーランスの視点は役に立つだろうなと思って買いました。

「具体的にどうやって仕事を貰うの?」とか「どこで仕事する?」とか「価格や契約条件は?」など、本当に独立の際に役立つ情報も書かれており非常に参考になるんですが、インハウスデザイナー的にはパート1の「どこから始める?」という項目は全てのデザイナーに参考になると感じました。

このパートは、「第1章:デザイナーに必要な心構え」「第2章:常に学び続けよう」「第3章:君のニッチを見つけよう」「第4章:フリーランスのメリットとデメリット」の4つの章で構成されています。この心構えの内容や学び続ける姿勢、自分は何を強みをしているのか考える、ということは全デザイナーが大事にすべきことだと感じたので、それだけでも読んだ価値があったような気がします。仕事に迷った時に読み返したいですね。


オンスクリーン タイポグラフィ 事例と論説から考えるウェブの文字表現

著者:伊藤 庄平, 佐藤 好彦, 守友 彩子, 桝田 草一, カワセタケヒロ, ハマダナヲミ, きむみんよん, 関口 浩之, 生明 義秀

これ、想像よりかなり実用的な書籍でした。
ブラウザやデバイスごとに差が出ないようなCSSの当て方や、一般的なオンスクリーンの1行の文字数、フォントサイズからカラムのwidthを逆算する方法など、かなり具体的な知見から、読みやすさ・アクセシビリティ・魅せ方・歴史など、多岐に渡る「オンスクリーンタイポグラフィ」を知ることが出来ました。

自分は現職では少し実装から離れてしまったので実業務に活かせる部分は少ないのですが、「また手を動かしてWeb/UIを作りたい!」って気持ちになるような本でした。


人間

著者:又吉直樹

3,4月に本を沢山読んだキッカケになった本かもしれません。もともと又吉さんの考え方とか好きで、たまたま手にとった本です。

正直、一ヶ月半前に読んだ小説なのであまりちゃんと内容を覚えてないのですが、思春期の人間のどうしようもなさとか、しょうもない人間のしょうもなさとかが上手く描かれていて、人生ってあっけなく終わるしあっけなく続いていくよな、確かに人間ってそうだよな、と感じて、とても面白かったです。


桐島、部活やめるってよ

著者:朝井リョウ

最初に紹介した正欲の作者、朝井リョウのデビュー作です。映画化もされましたし、キャッチーなタイトルなのでご存じの方も多いと思います。

正欲でも感じたのですが、朝井リョウは「異なるレイヤー/異なる価値観の人間の思考・行動」を描写するのが果てしなく上手だなと思います。特に高校生という多感な登場人物たちを、異なるスクールカーストの人間とその世界をこの解像度で描写できるのは流石です。朝井リョウ自身はどのレイヤーから高校生活を送ってたのか、少し気になりました。


推し、燃ゆ

著者:宇佐見りん

芥川賞を受賞した21歳の作家、宇佐見りんさんの話題の小説ですが、正直僕にはそこまで刺さりませんでした。

「推しとファン」という関係性の新しさ、その関係を安直にドラマチックにしないこと、推しを推すことということを丁寧な心理描写と情景描写で表現したことなどが評価されていると思うのですが、自分自身が「推す」ということに身近であるのでそこまで新鮮に感じませんでした。

キャッチーなタイトルと題材でしたので、劇的な展開と伏線などを無意識に求めていたのも原因かもしれません(イニシエーション・ラブなどを読んだあとだったので)。まあこれは好みですね。

自分の中の感想が是正されてしまうのが嫌で感想等は漁らないようにしていたのですが、これをまとめた後Amazonのレビューを少し読みました。「主人公の諸々の心理・情景描写は発達障害をとても高度に表現している」という感想があり、腑に落ちました。

作中でも明言されてなかった(よね?)ので僕は気付かなかったのですが、言われてみれば色んな場面が結びつきそうだと感じました。ただ定型発達の方や発達障害寄りでも鈍い人は魅力に気付けないかもしれません。。世の中がより理解出来るような引導になる作品になると嬉しいですね。

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はい。以上3, 4月で読んだ10冊の本の記録と簡単な感想でした。
やっぱ本は生物なので、読んだ直後とかに感想を書くのが一番いいですね、2ヶ月前に読んだ本の内容を思い出すのかなり大変だった……

この他にも、読んでる途中の本が沢山あって、沢山あるのにも関わらず平気で本を買いまくっているので5月も本を読みまくりたいですね!

この本読んでみたよとか、この本もオススメとかあれば励みになりますのでよろしければ!ではまた〜

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