有酸素運動で海馬がデカくなり、記憶力が改善されるぞ!という実験

今回の研究では有酸素運動が海馬前部の大きさを増大させ、記憶力の改善につながることを示しました。
また、海馬体積の増大は、BDNF(脳の新しい神経を作ったり、古い神経を修復する働きを持っており、非常に重要です。)の血清レベルの上昇と関連していることもわかりました。

ソースはこちら

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3041121/


今回の実験では認知症のない120人の高齢者を対象にしています。
運動が海馬の大きさを増加させ、記憶を改善するかどうかを評価するために、中強度の有酸素運動を週3回行う群と、対照としてストレッチなどを行う群に60人ずつランダムに割り振りました。

中強度の運動を1年間続けると海馬の体積が増加し、海馬の体積の変化
がBDNFの増加および記憶力の改善と関連すると予測されていたようです。

結果として、有酸素運動は海馬の体積を増加させることがわかりました。
有酸素運動群では1年の間に左右の海馬の体積がそれぞれ2.12%と1.97%増加したのに対し、ストレッチ対照群では同じ期間に1.40%と1.43%減少していました。

この結果は、介入(運動)により、脳の衰えを抑制したり、脳機能を高める事が可能であるということを示しています。

今回取り上げた論文では運動によって脳機能が改善していましたが、脳はその可塑性故に様々な介入から影響を受けます。
食事や睡眠等のアプローチでも脳機能を高めることが可能なため、意識して脳を鍛えている人とそうでない人では大きな差がつきます。

脳は日常のちょっとしたことからも大きく影響を受けるため非常に多様なアプローチが考えられる訳です。

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