【終活110番057】お墓は好きにすればいい

命あるものは必ず死ぬ
形あるものは必ず壊れる
永遠不滅のものはない

死んだあと、日本の場合、人は火葬された後、墓の下に埋められます。
多くの場合、先祖代々、たくさんの屍とともに。
骨壺のまま収められることも、先人のお骨とブレンドされてしまうこともあります。

遺族は然るべきタイミングで墓参して、花を手向け、線香をあげて、手を合わせます。
これが日本の慣習です。いや、慣習でした?
現実的には、当事者が今置かれている状況によるでしょう。

別に埋葬は法律で定められているわけではありません。
散骨、OKです。自宅での保管もOKです。
つまり、お墓を所持・購入・維持管理することは必須ではありません。
「ゼロ葬」なる言葉も定着してきました。

もちろん、いわゆる名家で、脈々と流れる家系を重んじている人たちは、これまでの流儀を変える必要はありません。名刹を菩提寺としているような場合、その時点その時点でお墓を管理する役割を担う人のことを墓守と言いますが、現在の墓守が、何かしらの事情で墓じまいをしようと考えるのであれば、それは自由です。親類縁者がいる場合、その旨を伝えて仮に否定されたとしたら、その人に墓守を代わってもらえばいいだけのことです。そもそも、
意思のない人や経済的にかなわない人に墓守を強要するのはおかしなことです。

従来の「家」という概念が、ますます消えかかっています。
「家」を重んじたくても、そうできない人も増えています。

年配の人たちには少ないかもしれませんが、親をはじめ先祖を敬い弔い、末永く「家」の繁栄を祈念する気持ちさえあれば、儀礼的なモノにはこだわらないという人たちが増えています。

その場合には、お墓も、法事も、戒名も、位牌も要らないということです。当然、お骨も保管しておく必要もありません。最低限必要となるのは、火葬と死亡届の提出のみです。このことは知っておいたほうがいいと思います。

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