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多様性のためにできる配慮

皆さまご機嫌よう。もーやんです。
読書感想文の続きです。前回の記事はこちら→(わたしのイスラーム観)

本を読んで以来、知られざるアラブの素顔に興味を持ったわたくし。ハムダなおこ氏のメルマガを購読はじめました♪

すると、2022年3月まで開催されていたドバイ万博にて、日本館のおもてなしの残念さが明らかになってちょっとショック。。。(゚∀゚)
ドバイ万博、日本だと全然報道されてないですもんね。観光客も少ないのに前回のミラノ万博より来場者数が多く、前代未聞の大盛況だったらしいですよ。

ようこそアラブへ ハムダなおこ著(国書刊行会)

〇多様性を掲げるなら、知らなければならない

本書を読み、ダイバーシティを掲げる日本で「知らなかったでは許されない」ことがいくつもあるな、と感じました。

多様性を謳うなら、知ろうと学ぶことはもはや義務です。

・食べられないものについて

本書では詳しく紹介されていませんでしたので、ちょっと調べてみました。

【ムスリムの方が食べれないもの】
◎豚肉
◎アルコール
◎ハラール認定されていない食肉

このくらいは、みなさまご存じのことでしょう。
でも、和食の基本である醤油みりん、他にもゼラチンブイヨンなどもNG。スイーツに使うリキュールもNG。

これだけで、日本にいるムスリムの方が外食する難しさが分かりますよね。せっかくオシャレなカフェに行っても、高級割烹に行っても、原宿のクレープ屋さんですら神経を使いそうです。。。(;´・ω・)

ただし、アルコール不使用の醤油はOKとか、アルコールが蒸発してるからみりんOKとか、鶏や牛なら基本OKなど人によって判断が異なるそう。

・合宿や電車、夜だけバーの定食屋さんもNG

ハムダさんの本では、ムスリムの方が日本で遭遇する苦難も紹介されています。

アラブ社会では、男女はハッキリと区別されています。知らぬ人と目を合わせることもなく、近付くこともないのです。

日本では信じられませんが『お酒を見たこともない』人がいて、居酒屋などのにいるだけで耐えられないし、合宿への参加も難しければ、電車に慣れるのも時間がかかるそう。

これからムスリムの方が日本で増えることを前提で考えると、席順や配置、イベントなどすべてに関わる要素です。学校や企業は「今までのやり方」を変えるか、代案を用意するかが必要ですよね。。。

・婦人外交

本書で残念な日本人として紹介されたのは、ある大手企業の重役たち。
アラブ社会において、妻は財宝であり母は掟です。そのため、年下の女性だからといって軽んじた発言や失礼な態度は侮辱も等しく、一族の問題へ発展することもあるそう。

また、女性達だけのフィールドがあります。男性の居ない空間では彼女たちも自由に交流や議論し、うまーく奥さんを通した仕事など、日本よりも婦人外交は活発な模様です。

うん、そりゃそうよね。
私の印象では、アラブの女性はジャスミンよろしく好奇心旺盛で活発でお姫様でお喋り大好き。ベールの慎ましやかな印象とは裏腹なものです。

さらにUAEは職業が細かく分担されていて、家事はメイドさん、ボタン付けは専門の人、掃除の人…と多種多様。
奥様は人種も宗教も異なる人達を上手く采配し、家事にご近所付き合いに、ラマダーンのご近所さんへ配る食事や喜捨など、うまーく執り行うのです。大変ですよね。もはや家庭というか職場だわ。

〇ドバイ万博の日本館は何が残念だったのか

メルマガが気になり、日本の展示について調べてみました。
配信内容は登録者限定なので詳細は書きませんが、いくつかある残念なことのうち、1つはどうやら写真の展示がムスリムの方向けではなかった様子。

https://expo2020-dubai.go.jp/ja/exhibition/

流行りの映像ものですね。
暗闇で進むのですが、ムスリムの人々にとって酷なことです。

厳格な地域では、幼い頃より男女別で育てられ、不特定多数の人(とくに男女)が近づくことはなかったんです。近付くと一族の恥で、男性と話すだけで女性は噂されます。

大人であれば、礼節をもって他人との距離感を大切にしています。

それなのに、日本館では隠されたポイントを探してあちこち歩きまわるよう指示され、しかも真っ暗だったそう。
暗闇なので誰かと(特に女性と)接触する不安がある中で不用意に歩けず、慎重なアラブ人はほとんど壁際から動けなかったとのこと。

同じような暗闇でもスイス館はきちんとガイドがあり、日本館のような現象はなかったようです。

ええーーーー!( ゚Д゚)
日本ならともかく、ドバイで開催するのだから誰かアドバイスする人はいなかったのかしらね。。。HPで紹介されているクリエーターに、1人でもムスリムの方が居ると違ったんだろうなあ。

ハムダさんも、期待していただけに本当に残念という感じで。。。
わたしだって、日本なら最先端の技術や今後の発展を感じる素晴らしい展示ができると思うだけに、なんだかショック(◎_◎;)

この出来事が象徴するように、日本人だけで考える限界がこの先いくつもあるのではないでしょうか。言語の壁はあるけど。

イスラームだけではなく、プロトコールとか日本に馴染みはないけど実践で必要になる機会が増えると思うのです。

まずは、『目の前の人に喜んでもらいたい』という小さな一歩から。
中国人にも回族などムスリムの方々はおりますので、わたくしもいつか日本でおもてなしするお客様のために。お勉強続けます☆彡


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