じゃじゃの私設図書館

子供の頃に本屋さんや図書館で体験したあのワクワク感を、大人になってもここで感じてもらい…

じゃじゃの私設図書館

子供の頃に本屋さんや図書館で体験したあのワクワク感を、大人になってもここで感じてもらいたいという館主の思いを形にした、浜松市佐鳴湖近くの私設図書館です。私設とはいえ図書館です。8000冊を超える蔵書から貸出期間1か月で4冊まで無料でお貸出しします。

マガジン

  • じゃじゃの私設図書館オススメBOOKS

    浜松市佐鳴湖近くのじゃじゃの私設図書館がお薦めする本

  • じゃじゃの私設図書館オススメMOVIES

    浜松市佐鳴湖近くのじゃじゃの私設図書館がお薦めする映像に関する記事をまとめています

  • 浜松トワイライトゾーンby吉田柴犬 じゃじゃの私設図書館編

    • 41本

    じゃじゃの私設図書ボランティアスタッフ吉田柴犬が贈る浜松の街角の「何、これっ?」

最近の記事

習慣化するのは気恥ずかしい

館主JajaのオススメBOOKS 書籍「120歳まで生きるロングブレス」(美木良介) 本書にある「ロングブレス」なるものを初めて知ったのは、故石原慎太郎がらみだったように記憶している。 晩年に脳梗塞を発症した石原は、その後遺症で左半身が麻痺して歩行が困難となり、発語にも不自由していたという。それが、このロングブレスを1年間続けたところ普通に歩けるようになり、やがては言葉も明瞭になったのだとか……。 ホンマかいなと思ったが、あの偏屈な(スミマセン、私個人の印象です)石原慎

    • 戦争で死ぬのは勘弁だけど……

      館主JajaのオススメMOVIES 映画「ダンケルク」(監督 クリストファー・ノーラン) 海は嫌いだ。冷たいし、波が高くて溺れそうだし、サメだっているかもしれない。 戦争はもっと嫌いだ。アホな大本営や上官に振り回されそうだし、あげく無駄に疲れそうだし、弾に当たれば痛いだろうし……、それで死ぬなんてまっぴらだ。 戦争映画をみると決まってぐったりと疲れてしまう。いったい誰がこんなくだらないことを始めたのだ。いったい何のための戦いなんだ──、いつもそう思う。 第二次世界大戦

      • 異常と正常は紙一重

        館主JajaのオススメBOOKS 書籍「コメンテーター」(奥田英朗) 大学に入って間もない頃だった。 「俺ってパンクチュアルだからさ」 どういう話の流れだったか今となってはすっかり忘れてしまったが、二つ上の先輩が何かの拍子に少しおどけて胸を張った。 「punctual」は、受験勉強の必須書「試験に出る英単語」に載っていた。たしか「時間厳守の」とか「厳格な」という意味だったはずだ。そんな横文字をごく自然に使う人をそのとき初めて知って、やたらとカッコいいと思ったのを今でも

        • なりすまし、アイデンティティ、そして信用

          館主JajaのオススメMOVIES 映画「ある男」(主演 妻夫木聡 安藤サクラ) 私は──、いや私たちは自分以外の人のことをどれだけ知っているだろうか? 世の中のほとんどの人のことは何も知らない。 だが、日常よく見かけて顔くらい認識できる人はいる。でも多くの場合、名前も知らない。 もちろん、名前も分かっている人もいる。さらには、職業とか年齢とか、電話番号といった多少の属性や個人情報を知っている人も。 あるいは現在のことだけでなく過去すら、ある程度なら知っている人だって

        習慣化するのは気恥ずかしい

        マガジン

        • じゃじゃの私設図書館オススメBOOKS
          85本
        • じゃじゃの私設図書館オススメMOVIES
          81本
        • 浜松トワイライトゾーンby吉田柴犬 じゃじゃの私設図書館編
          41本

        記事

          想定外を想定したら想定内

          館主JajaのオススメBOOKS 書籍「未曾有と想定外」(畑村陽太郎) 「想定外を想定せよ」という言葉が一時期よく使われた。東日本大震災に伴う福島第一原発の事故で、東京電力の技術者等が「想定を超える〇〇で……」と言い訳を連発したことから、それを批判する中で生まれた言葉だったように記憶している。 しかし、この言葉は論理として破綻している。想定外を想定した時点で、それは想定内となるではないか。不思議なことを言うなあと私は思ったが、当時はとてもそれを指摘できる雰囲気ではなかった

          想定外を想定したら想定内

          伊豆下田の世にも奇妙な合宿所~その2~

          館主JajaのオススメMOVIES TVドラマ「世にも奇妙な物語」(ストーリーテラー タモリ) (その1(先週)からの続き) 「あ? おまえ、何言ってんだ!」 Nの思いもかけぬ言葉に鼻白んで私は怒鳴りました。 「ユーレイって、どこに?」と私と同輩のH。 「今、先輩方が立っている辺りです」 私は思わず後ろを振り向きました。もちろん、そこにいたのは一緒に麻雀をしていた上級生達だけで、彼等と顔を見合わせ、そして吹き出しました。 「どんなユーレイだ? 寝ぼけて誰かと見

          伊豆下田の世にも奇妙な合宿所~その2~

          それでも抗う

          館主JajaのオススメBOOKS 小説「遅い男」(J・M・クッツェー) ネット情報によると、介護の現場ではセクハラが頻発しているという。セクハラとは「性的な嫌がらせや相手の望まない性的な言動すべての行為で、相手が『不快』と思った段階で該当する」のだから、すべては相手次第、つまり受け手の側に決定権がある。 となれば、高齢者介護におけるそれは、ジェネレーション・ギャップによるものも多いのではないか。TVドラマ「不適切にもほどがある!」でもやっていたように、高齢者が若かった頃の

          伊豆下田の世にも奇妙な合宿所~その1~

          館主JajaのオススメMOVIES TVドラマ「世にも奇妙な物語」(ストーリーテラー タモリ) あの独特なオープニングのテーマ曲が流れると、まだ幼かったウチの息子はそれだけでもう泣き出したものです。そして、エンディングのタモリの印象的な言葉。 「次に奇妙な世界の扉を開けてしまうのは、あなたかもしれません」 長く生きていると、ごくたまにですが不可解な出来事に遭遇することがあります。そのほとんどは毎日の生活の中で忘却の彼方へと追いやられてしまいました。しかしひとつだけ、今で

          伊豆下田の世にも奇妙な合宿所~その1~

          巨大な弁当箱のような枕

          館主JajaのオススメBOOKS 書籍「枕革命 ひと晩でからだが変わる」(山田朱織) 「枕難民」という言葉がある。自分に合った枕が見つからずに次から次へと枕を替える人のことだ。私もかつてそうだった。 私は若い頃から肩こりがひどい。おまけにやんちゃして痛めた首が今でも違和感があって、顔というか頭部の座りの悪さを四六時中感じている。たまに整体やマッサージ等を受けると、 「すごいですねえ、この凝り。辛いでしょ?」 と必ず言われる。 そんな私だから毎朝起きると、肩や首筋が重

          巨大な弁当箱のような枕

          セックスは巧拙ではない(…はずv)

          館主JajaのオススメMOVIES 映画「愛なのに」(監督 城定秀夫) 主人公の古本屋・多田浩司(瀬戸康史)はサエない三〇男ながら、女子高生の矢野岬(河合優実)から熱烈な求愛を受ける。がしかし、彼には忘れられない女性・佐伯一花(さとうほなみ)がいる。 一方、一花は婚約中の男の煮え切らない態度に業を煮やしている。あるとき男が浮気していることを知り、対等な立場に立ちたいとの思いから多田に関係を迫る。 婚約者への意趣返しがその理由と知った多田は気の進まないまま一花に応える。そ

          セックスは巧拙ではない(…はずv)

          デザインとは課題の本質を解決する行為

          館主JajaのオススメBOOKS 書籍「コミュニティデザイン」(山崎亮) 当館のある浜松にドーム型多目的スタジアムを建設する動きがあると聞く。北海道の北広島市に開業した新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」(北海道日本ハムファイターズの本拠地)の成功もあって今や日本全国津々浦々、スタジアム計画流行りである。 だが、平日の仕事で首都圏のそれに関わっている──そして首都圏ですら、その運営が難しいと知っている──私としては、それらの多くは実現すれば将来、死屍累々と横たわる

          デザインとは課題の本質を解決する行為

          人間の本質はオセロゲームの駒

          館主JajaのオススメBOOKS 書籍「Humankind 希望の歴史」(ルトガー・ブレグマン) 著者は、人間の本質は悪だというトマス・ホッブズの性悪説を退け、それを善とするジャン=ジャック・ルソーの性善説を支持する。 たとえば、ノルウェーの刑務所は殺人犯等の受刑者に社会性を学ばせながらリゾートホテル並みの快適性を与えるが、むしろ再犯率はアメリカの刑務所──罰を与えることに重きを置くため人間として扱わない──より50%も低いという。 著者の「ほとんどの人は善意に基づいて

          人間の本質はオセロゲームの駒

          シェーンの意味不明な言葉で引き際を考える

          館主JajaのオススメMOVIES 映画「シェーン」(主演 アラン・ラッド) 一昨日、今週のオススメBOOKSとして書籍「男の引き際」について書いた。その際、この映画について触れ、主人公シェーンの引き際が理想だと述べたところである。 映画のストーリーは紆余曲折あるが要するに、開拓農民のスターレット一家に世話になった流れ者シェーンが、農民たちと対立し嫌がらせを繰り返す牧畜業者ライカー一家を早撃ちで一網打尽にし、このままここにいて欲しいと願うスターレット家の少年を尻目に、「人

          シェーンの意味不明な言葉で引き際を考える

          年老いた象が群れを離れるように

          館主JajaのオススメBOOKS 書籍「男の引き際」(黒井克行) 男の──いや男だろうが女だろうが──引き際は難しい。本書には潔い引き際を飾った人たちが紹介されているが、こんな人たちは稀である。 政界や財界、芸能界から球界……、果ては身近な組織に至るまで、引き際を誤り、老害をさらしている例は枚挙にいとまがない。私は、あの(尊敬している)イチローですら、現役の引き際を間違えたと思っている。諸般の事情があったにせよ、会長付特別補佐などという意味不明な立場になってまで、現役に固

          年老いた象が群れを離れるように

          正常性バイアスと同調性圧力

          館主JajaのオススメMOVIES 映画「ドント・ルック・アップ」(監督 アダム・マッケイ) レオナルド・ディカプリオにジェニファー・ローレンス。メリル・ストリープやジョナ・ヒル、さらにはアリアナ・グランデ等々と、これだけ豪華な出演者を並べておいて、このドタバタ劇は無いんじゃないのォ? 製作費もそれなりにかかっているように見えるし……(ラストはCG感丸出しだけど)。 とは思ったものの、よく考えてみると、これは現代の世相を映す風刺画だとして観れば、なかなかどうしてよく出来て

          正常性バイアスと同調性圧力

          ハイ、信じてません!

          館主JajaのオススメBOOKS 雑誌「プレジデント 信じてはいけない! 健康診断、医者、クスリ」 ここ何年も健康診断を受けていない。健診を受ければ何かしら異常値を見つけられ、再検査さらには病院通いを強いられる。これが結構ウザい。 以前も書いたような気がするが、医者・病院の類が嫌いなのだ。したがって、体調が悪くなっても少々のことなら寝て治してしまう。医者には行かない。薬も嫌いだから、極力飲まない。 それでも、“少々のこと”ではないときがたまにある。私の場合は、尿酸値が高

          ハイ、信じてません!