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トンテンカンテン 〜東北に居た転勤族に関する10の質問〜

はじめに 

仙台市での暮らしも2022年の夏で早8年が経とうとしています。私自身も転勤族として仙台市にやって来てから、たくさんの方と出会いそれと同時に、異動の季節がやってくるたびに何人もの方との別れを経験してきました。

このアンケート調査では、そうした思い出を心の中で留めておくのではなく、そこに居たことを形に残して共有し、これから将来、仙台を訪れる転勤族に向けて少しでも寄り添うものに残しておきたいと思って実施しました。

「転勤」って少し不安だという方も多いと思います。

そんなときに、「大丈夫、浮いていないよ。」

そうやって背中を押してあげられる、先輩転勤族の方々の声を形にしました。これから始まる転勤ライフの参考になれば幸いです。

アンケート調査の概要 

本アンケート調査は、仙台市に現在住んでいるまたは過去に住んでいた転勤族等の方を対象とした調査です。

これまでは、転勤族や移住者等を対象とした意見の集約やそれらを総合的に取りまとめる機会が少なく、まちの課題としてもなかなか表立って見えにくい状況となっていました。

聞きたいことは山ほどありますが、本アンケート調査は、WEB回答(Googleフォーム)で行い、住む場所の選び方や仙台での暮らし方等に関する質問(全10問)に関して、2020年から2021年までの約1年間で総勢105名の方に回答していただきました。

協力してくれる皆様にも、愛着を持って、また楽しみながら回答してもらえるように、調査名を「転勤族に聞く10の質問(Questions)」、略して「転Q」と名付け、感謝(Thank you)の意を込めました。

本調査結果が転勤族の皆様ならびに今後、転勤族になるかもしれない皆様の暮らしがより良くなるための参考意見となることを願っています。

※ここでいう「転勤族や移住者等」は、会社の事例発令(着任や異動)等によって仙台に来た方、就職や転職を機に、移住された方(UターンやJターン等)またはそのご家族を対象としています。(進学により転入した学生(本人)等を除く)

※転勤族チームは、仙台市地下鉄東西線の開業時に行われた事業(WE PROJECT)から生まれた市民活動団体です。


アンケート調査に込めた想い

アンケート調査結果は、2種類の方法でまとめました。1つは、アンケート調査結果がより多くの方に知ってもらえるように、回答結果と考察をまとめた概要版です。

そして、もう1つは、概要版の内容に加えて、私が仙台市へ転勤して来てから体験したことや感じたことをまとめたエピソード集と、これから仙台にやってくる転勤族の皆様に向けた応援メッセージの寄せ書きを綴った冊子版です。寄せ書きには、仙台市に住む転勤族の方、かつて仙台市に居たけれど別の都市に転勤してしまった方、転勤族が来ることに対してウェルカムな地元の方などにお願いしました。

※冊子版は、現在準備中!

アンケート調査結果

属性(性別/年代/移住した理由) 回答数:105人

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性別は、女性48人、男性57人が回答しました。


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年代は、30代が42人で最も多く、次いで20代が25人、40代が20人で多い結果になりました。

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移住した理由は、「転勤(人事異動等)」が82人で最も多く、次いで、「Jターン転職」が6人、「Uターン転職」が4人で多い結果となりました。

移住した理由のその他では、以下のような意見が寄せられました。

・仙台市以外の宮城県から進学で仙台に移住
 ・Jターンに近いが、学生時代に仙台居住経験あり
 ・山形市出身で仙台市内に就職した後で、東京へ転勤。その後、転職で勤務地が仙台市になったが、居住地がある山形市内から通勤している。

☆補足☆
Jターン転職・・・仙台市以外出身で、東京や大阪等の他都市で就職後、転職等を機に仙台に移住した人。
Uターン転職・・・仙台市出身で、東京や大阪等の他都市で就職後、転職等を機に仙台に移住した人。
 Iターン転職・・・東京や大阪等の出身者で、東京や大阪等で就職後、転職等を機に仙台に移住した人。


問1 現在の家族形態について教えてください。

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家族形態は、「配偶者と同居」が82人で最も多く、次いで「単身赴任」が6人、「独身」が4人で多い結果となりました。


問2 仙台の居住年を教えてください。

※複数回、転出入した場合はその合計年。

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居住年数は、「5年以上」が39人で最も多く、次いで「3年以上5年未満」が23人、「2年以上3年未満」が19人で多い結果となりました。


問3 住んだことがある地区 【複数回答可】

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住んだことがある区は、「青葉区」が50人で最も多く、次いで「宮城野区」が27人、「若林区」が24人で多い結果となりました。


問4 家探しで重視したこと 【複数回答可】

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家探しで重視したことは、「職場までの距離」が60人で最も多く、次いで「最寄り駅までの近さ」が59人、「駐車場や駐輪場の有無」が38人で多い結果となりました。

「その他」では、以下の項目に1人ずつ回答しました。
居住スペースの快適さ、仙台駅までの距離、家賃、スポーツジム、地域の雰囲気、小学校の通学路、マンション同士が近すぎない所(窓からの景色が妨げられるので)、地下鉄沿線、転勤族ファミリーが多いかどうか、小学校の学区、子供の学区、図書館、元旦那の職場までの距離、道路の広さ、無回答、間取り、地域環境、中心部であること、住宅設備

問5 お住まいの近く(仙台市内)に顔なじみのお店はありますか? 【複数回答可】

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顔なじみのお店は、「飲食店」が66人で最も多く、次いで「美容室・理容室等」が52人、「クリーニング」が32人で多い結果となりました。

「その他」では、以下の項目に1人ずつ回答しました。

こどもの遊び施設、映画館、コンビニ、子供が小さく1人で出かけることはない、有志活動団体、コワーキングスペース、歯科医や内科医


問6 職場や家族以外で、仙台市内や近所に居る知人等は何人いますか?

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仙台市内や近所に居る知人等の人数は、「10人以上」が40人で最も多く、次いで「4~9人」が27人、「1~3人」が24人で多い結果となりました。


問7 1人で過ごす時に、どこを利用しますか。 【複数回答可】

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1人で過ごす時に利用する場所は、「飲食店」が75人で最も多く、次いで「商業施設等」が56人、「図書館や本屋」が49人で多い結果となりました。

「その他」では、以下の項目に1~2人ずつが回答しました

子供が小さく1人で出かけることはない、スーパー、自宅にいる、メディアテーク


問8 仙台市に在住時、自家用車やレンタカーなどで市内または近隣へ出かけましたか?

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自家用車やレンタカーなどで市内や近隣に出かけた頻度は、「何度もある」が83人で最も多く、次いで「1~3回程度」が13人、「まったくない」が9人となりました。


問9 仙台市在住して新しく始めた趣味や習い事等を教えてください。【複数回答可】

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新しく始めた趣味や習い事等は、「グルメ巡り」が28人で最も多く、次いで「市民活動やまちづくり活動等」が22人、「スポーツチームやヨガ等」が21人で多い結果となりました。

「その他」では、以下の項目に1~2人ずつが回答しました。

マリンスポーツ(サーフィン、釣り等)、乗馬、インターネット上の共通の趣味の集まり、キャリアアップ系の集まり(ONE TOHOKU等)、キャンプ、スノーボード、プロボノ・副業活動、ランニング、レーシング


問10 住民票を仙台市に移しましたか?

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住民票は、「仙台市に移した」が88人で最も多く、次いで「移さなかった」が15人であり、「無回答」は2人となりました。

アンケート調査結果は、以上です。

自由意見

本アンケート調査の最後に、仙台市での暮らしについて、今後、転勤してくる方にアドバイス等について伺いました。

・前向きな人も、否定的な人もいるので、否定的なひとの意見は聞いた振りをして無視するべき。そういう人は、市民にも市役所職員にもいる。
・ 仙台はとても住みやすいです。首都圏出身の人は虫対策だけ頑張って下さい。
・最高です。ONETOHOKUに入りましょう。
・泉中央は転勤者が多いので環境が似た人が多い点が良い。
・職場以外で親しい人、店を早く作ると楽しくて、離れられなくなるよ。
・東京にどれだけ移動するかで住居選びは変わると思います。東京に頻繁に(月2回ほど)行くのであれば仙台駅近くがいいかもしれません。
・北は案外寒いし、雪が積もる。
・横丁文化を楽しむべし。
・壱弐参横丁、文化横丁は最高です。
・孤立しないで、地域の暮らしを愉しむこと。
・牛タンだけではない。米、酒、海鮮を楽しんで下さい。
・不便な点は特にないと感じます。
・美味しいご飯、お酒が楽しめる住み良い街です。
・孤立しがちな転勤族が気軽に集える施設が街中にあるといい。
・とても過ごしやすい。子育て支援センターが充実していて子育てしやすい環境。
・自然豊かでほどよく都会の仙台はとても住みやすいです!
・お子さんがいるなら学区選びは慎重にした方が良い。
・山の幸、海の幸があり、食べ物も美味しく、日帰り温泉も充実している。道も広く、綺麗で開放的。人も温かく、とても住みやすい街。
・風がめちゃくちゃ強いので洗濯物に注意。中古車のナビだと震災前の地図で役に立たないこともある。
・食べ物が美味しいです!運転免許はあったほうがいいと思いました!
・転勤族に優しい街なので、気軽に最初の一歩を踏み出してくださいね。

・坂のある土地も多いから、冬場は凍結もあるので冬対策(スタッドレス、雪かき用品やスプレー等)が無いと困る場合がある。
・自家用車を持っていないなら公共交通機関の駅やバス(仙台市バス)が利用しやすい場所に住んだ方が何かと便利。
・子育て世代となって、色々転勤ありましたが、冬や雨で子供を連れて遊べるスポットが中心部に少ないと思う。
・山形など近隣市町村のような屋内遊園施設が有料でもよいのでほしい。
・車のマナーがとにかく悪いです。信号のタイミングもおかしいので、後ろから追突されないよう気をつけてください。
・晴れの日が多いので、気持ちがいいです。
・仙台の街中には道が狭いところや一方通行が多いので、車を持っている場合、道幅や駐車場の出し入れのしやすさを実際に確認した方がいいです。
・どこに住んでも生活に必要なお店(コンビニやスーパー)は近くにあるので、通勤や通学を第一に考えて住まい探ししても大丈夫です。
・大都市から転勤される場合は、公共の交通機関のギャップに驚くと思います。本数も路線も少なく、不便に感じると思います。雪が降った時に出勤出来る路線か否かなどを考慮してお住まいを探されることをお勧めします。
・あまり雪は降らないので、冬は過ごしやすいと思います。また関東への移動も便利です。夫の転勤で3年しか居られませんでしたが、もっと長く住みたかったです。
・友達を連れて行くところがない。
・“東北の人は温かい“といったイメージはあまり持たない方が良いと思う。子供がいない場合、なかなか知り合いが増えないかと思うので、一人で快適に過ごせる場所を、早めに見つけると良いと思います。
・子育て環境はとても充実していました。のびすくや児童館にはお世話になりました!
・仙台は自転車があると便利だと思います。
・地下鉄沿線に住むととても便利です。
・仙台はいいとこだよ。
・車の運転ができるとよい。
・地元の人にとって、仙台以外の人の持つ見識は重要だと思うので、積極的に地元の人と交流した方が良い。
・最高です、心から仙台に帰りたいたいです。将来の野望は仙台と他の拠点の多拠点生活です。
・通勤も楽だし、店も一通り揃っているので便利な場所。
・街を歩き廻り、楽しむ気持ちを忘れずに。
・早く会社以外のコミュニティに参加すると良いです。サークルとか趣味の集まり、常連になる店とか。
・カーシェアリングが思ったより便利だった。
・必須ではないが、仙台は車があった方がエンジョイできると思う。
・今は転勤期間が終わり東京におりますが、とても楽しい素敵な街でした!
・出身地等にとらわれず、様ざまなコミュニティがあるので思いきって飛び込んで見たほうが良いと思います。懐に入ると仙台の人は優しい。

おわりに

転勤族は、地域住民からみれば「よそ者」と呼ばれ、すぐに別の地域へ移住してしまうので地域愛が希薄だったり、多数の都市での暮らしを経験しているためにその土地ならではの文化やマナーが異なるなど、批判的な意見も耳にします。でもそれは、一部の方だと思いますし、日本人も海外旅行に行けばよそ者ですし、文化やマナーが違って当然です。その時に、地元の人から「大丈夫だよ」と笑顔で対応してもらうと安心できます。

仙台市の基盤を築いた伊達政宗公も色々な都市を転々としてきたある意味「よそ者」だったにも関わらず今に残るこの街をつくりあげました。その精神を、今も受け継ぎよそから来た人に「大丈夫だよ」といえる寛容度が高い人が住むまち、仙台市であることを願っています。

本アンケートの印刷用PDFは、以下からダウンロードできます。

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「トンテンカンテン 〜東北に居た転勤族に関する10の質問〜」



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