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「グリーンスポット」という喫茶店のこと。

雑用でなんばに出かけたついでに、美容室に足を伸ばす。
短くしてモーヴピンクを入れて春モードの帰り道、浮かれた私は前から気になっていたワッフルが美味しそうなお店に吸い込まれてしまった。
ワッフル自体はそこそこ美味しかったものの、名ばかりの分煙でがっくりと肩を落とす。分煙を謳うなら、せめてつい立てくらい欲しかったな。

そこそこの味のワッフルを食べながら、札幌市の琴似という街にあった「グリーンスポット」という喫茶店の事を思い出した。

地下鉄東西線琴似駅近くのビルにあったその喫茶店を、当時の友人たちと「逆JARO」の店と呼んでいた。
店の入口にある食品サンプルは普通の大きさなのに、頼んで出てくるものの大きさがおかしい。
主にパフェとワッフルがやたらデカい。
明らかにサンプルより量が多く、サンプルがサンプルとしての機能を果たしていない。
一般的にサンプルより少ないことは多いけど、多すぎることは少ない。だから「逆JARO」。

パフェはサンプルの1.5倍のサイズ。容器の大きさは一緒だが、盛り具合が明らかにおかしい。手加減しろバカ。
のんきに食べていると、クリームやアイスの部分が溶けてうっかり崩れてしまう。雪印パーラーもビックリのボリューム感なのにお値段は普通。
いちごのパフェが期間限定で提供されていたが、これでもかと言わんばかりにいちごが突き刺さっていた。まるで百々目鬼だ。

ワッフルは普通のサイズだが、乗っている具の量がおかしい。小倉ワッフルに乗っている餡子が、どう見ても一缶くらいある。その上にクリームがたっぷり。
書いているだけで胸焼けがしてきた。
一度友人が小倉ワッフルを頼んだ時、店長らしき人物がニヤリと笑みを浮かべつつテーブルに置いたのを見た。明らかに楽しんでるよねあなた。

困ったことにどのメニューも美味しいので、苦しみつつも最後まで食べようとしてしまうのである。なんという事だ。

この店には更なる問題があった。
ワッフルメーカーが一台しかないため、複数人がワッフルを頼むと大変待たされる。出来たはなから出されてくるので、「一緒にたべよ♪」なんてぬかしていたら冷め切ってしまう。

一番の驚きはパフェとワッフルを両方頼んで、楽しく歓談していたご婦人方を見かけたこと。
いくつになっても、甘いものは別腹ということなのか。身には付きそうだけどね!

のちにパフェのミニサイズというメニューが出来ていたが、それでも普通サイズ。
さらに小さいサイズも出来、それからしばらくして店が無くなってしまった。

乳製品に強くないお腹の持ち主なので普通サイズは頼めなかったけど、ミニサイズと言う名の普通サイズをもう一度食べたかったな。
たぶんそのサイズですら、歳をとった今では食べきれそうにないな。

そんな二十代の思い出。

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