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2021年の良かった映画10選

▼採点基準:

6段階で格付けしました。

6段階評価の目安:
A: splendid 最高!
B: very good 大変良い
C: good 良い
D: bad わるい
E: terrible 最低 🤢
F: not a film ごみ 🤮

C評価以上なら「面白い」「1800円の元は取れた」という感じです。採点基準について詳しくはこちらの記事に書いてあります。

▼採点結果:

同じランク内では公開順に並べています。

▼総評:

2021年はあまり多くの新作を観られず29タイトルになりました。割合的には例年に比べて大当たり(B評価以上)が多かったと思います。加えてZSJL公開という大変重要なイベント(A+の出現)もありました。またネットフリックスの作品は8タイトルでした。もう少し余裕があれば観る本数が増やせたかもしれませんが、過去作を優先してしまったり、なんとなく予告編から好みでないような雰囲気を感じ取ってしまい手が伸びませんでした。

▼最高(というか究極)=ZSJL:

最高だったのは誰が何と言おうとZack Snyder's Justice Leagueですね。これに関しては反論する相手が降参するまで議論し続ける自信があります。まあ、しませんけども。笑。思いの丈は別記事に綴りました。

▼最高=DUNE、SOHO、レザレクションズ:

2021年、私にとって最高(Aランク)だったのはDune、Last Night in Soho、The Matrix Resurrectionsの3本です。私はビジュアルと作家性を重視するので、この3本が傑出していました。

DuneはSF超大作の看板を掲げながら実態は貴族社会の陰湿な権力争いをジワジワ時間を使って描く姿勢が圧巻でした。メカニックのデザインや雰囲気は、同監督のArrivalやBlade Runner 2049で観たものの延長線上という感じでそこまで衝撃は受けませんでしたが、古風な衣装の雰囲気と、ティモシー・シャラメを筆頭に顔面力の強い俳優陣のパワーで押し切った感じです。パート2ではイスラム世界の価値観が絡んできて展開されるであろう物語がどうなるのか非常に楽しみです。

Last Night in Sohoは60年代フィーチャーのレトロな雰囲気が堪りませんでした。まさに光と音とファッションのマジックの連続で、映画的体験の原初に立ち返ったような痛快な作品でした。どうしても字幕が邪魔に感じられたので、早く字幕がない環境で再視聴したいです。この特徴はLa La Landにも共通して言えることですね。マジで没入感が異次元レベルで高まるタイプの作品だと思います。

The Matrix Resurrectionsは20年経ってもなお革新的であり続ける監督と制作チームの姿勢に感服しました。ちょっと作家性に尖り過ぎて世間的には低評価ということになりつつあるようですが。レザレクションズに関しては皆さんが言及しない本作から不快感を受ける本当の理由について解説したので是非そちらを読んでいただきたいです。

▼最低=ドンブリ2:

2021年、私にとって最低(Eランク)だったのはDon't Breathe 2でした。脚本と演出がすごく中途半端なところに着地してしまった感じが非常に残念な作品でした。第1作で卓越して優れていたシチュエーション設定の巧みさが、本作では方向性の定まらない雑多で荒唐無稽で現実離れした複数の登場人物によって全て相殺されて、凡庸かつ論理が破綻しているクソ映画になってしまいました。そこには説得力など微塵も残っておらず、ただゲームのようなスリリングなシーンが連続しているだけでした。複数の脚本家によるリライトを受けまくった結果なのか、単話完結のつもりがフランチャイズを要求されてスタジオの言い分に付和雷同した結果なのか分かりませんが、強固な意思を持って独自のキャラクターを守り通せなかったのが最大の敗因でしょう。

▼特によかった10本:

Twitterでは毎年恒例のベスト10を決めるハッシュタグが流行っていたので、私も乗っかって10本選びました。

ベスト10選出結果

繰り返しにになりますが2021年はZack Snyder's Justice Leagueの一人勝ちでした。まだ言及していない作品について一言感想を書いていきます。

るろうに剣心 最終章』は日本映画としては出色の出来だったと思います。個人的には墨絵のようなシンプルさでハードボイルドに作り上げたThe Beginingよりは、適度なギャグとオールスターキャストの豪華さと、本シリーズの代名詞とも言える「何十人によるド派手な殺陣」の最終進化形態を見せつけてくれたThe Finalの方が優れていたと思います。また俳優としても、ヴィランを演じた新田真剣佑のサニー千葉の息子(2021年には不幸がありました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます)に恥じない鍛え抜かれた体躯とか、約10年のキャリアで女優として成長した武井咲の渾身の演技とか、見所が多い作品でした。

アニメですが『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』も良かったです。説明台詞が多く、あまりにも丁寧すぎる作りで『Air/まごころを君に』を10代で体験した筆者にはやや物足りない感じは正直ありましたが、きっちり終わらせようとする庵野監督の思いが伝わってくる人間味があって温かい映画だと思いました。

サンシャイン池崎のYouTubeが最高でしたので貼っておきますw

Godzilla vs Kongは、ネオンでギトギトの映像で新しさを演出しつつ、物語は完全に昭和ゴジラをリスペクトした構成で、非常に好感が持てる作品でした。個人的にはKing of the Monstersが残念な作品(支離滅裂すぎて逆に退屈)だったので、本作では良い意味で期待を裏切られました。

Oldは最高クラスの映像で、最高にブラックなジョークで笑わせてくれました。ラストは劇中ではハッピーエンドっぽく見せていますが、あれって本当は超胸糞悪いバッドエンドに繋がってますよね。そういう所も好きでした。

The Last Duelはリドリースコットの研ぎ澄まされた技巧と、優秀な俳優陣による凄腕の演技が結集した、非常に見応えのある作品でした。ただし作品から放たれる人間不信感とかギラギラ感では『羅生門』の方が勝っていますね。

Sound of Metalは難聴を発症した若いミュージシャンの苦悩がとても丁寧に描かれていました。観ていて何度も感じたんですが、若者は間違いを犯すんだよなあ。というか、もう少し医者もきちんと説明してやれよと思ったり。でも勉強ができない子供って大人になってもああいう感じで人の話がちゃんと聞けなかったり、冷静に判断する能力がないのかもしれないですね。こちらはAmazonオリジナルの作品で私はPrime Videoで視聴しました。

2022年1月8日追記:
2021年7月に公開されたThe Lighthouseを立川シネマシティの日本語吹替版特別上映で観てきたのですが、完全に私の嗜好性にピッタリで、ハイクオリティかつ衝撃的な作品でした。評価はAです。こちらをアディショナルタイムの滑り込みとして、2021年の10選に編入したいと思います。押し出されるのはシン・エヴァです🙏

2021年ベスト10(修正版)

2022年3月1日追記:
アカデミー賞のノミネートなどを受けて、スルーしていたNetflixとPrimeVideoの作品を見直して、さらに修正しました。おそらくこちらが最終版になります

2021年ベスト10(再度修正版)

▼ネットフリックスの作品について:

佳作揃いでしたが、惜しくも私のTOP10には1本も入らなかったので、別記事で感想を書きました。宜しければそちらも読んでくださいませ。

了。

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