SIZE〜TIME IS DEATH
DNA複製周期と多細胞化要因
ちょっとここから少し、話がこじれてくる、なんせ多細胞化の要因ともなれば、実に様々な要素が絡み合う、うまく説明できるか不安であるが、
キーワードをさろえてみた、ジャンルがやや混在してるが文字でまとめ上げ切れるか不安だ…。
今回はちと一点集中、文字ばっかでごめん、
細胞分裂の種類
分裂サイクル
がん抑制遺伝子
サイクリンとサイクリン依存性キナーゼ
まぁ色々繋がりが纏まって来たところでいってみましょう。
『群体の悲劇』〜癌細胞の発生
単細胞から多細胞に進化する際に経由された群体と呼ばれる生命形態がある。
単細胞生物は運動能力獲得化のため同じコピーを複製し群れて大きな一個体を形成する。
これは通常同じ大きさの細胞を有するが、肥大化するにつれエネルギーを均一化できなくなり、自然死(ネクローシス)を引き起こす部分が現れる。
アーキアからの進化種であるこれらの生物は見るという概念を持ち、光に反応し水素イオンを取り込んでいた。
しかしこの無秩序に肥大化した群体は、やがてはエネルギーの過剰摂取を拒み光から逃げるという特性を持つ様になる。
それは何故か、
制御不能となった部位に訪れる部分的死。
細胞が壊れてそれでも複製を試みる際に細胞に変異が生まれる。
その変異細胞は、増殖し、親細胞を食い潰し、死は転移していく。
進化の歴史において現在では単細胞が群体に成長し、多細胞となったと言われているが、
恐らくこれは違う、群体と呼ばれる種は完全に多細胞化の狭間に存在するのではなく、単細胞生物の一つの生存パターンとして早い段階で存在していた。
陸地面積の増大による温度上昇と、酸素濃度の局所的増加、太陽の成長に伴う、光量の変化、つまりは紫外線物質の増加が長い時間をかけて生体内で活性酸素の存在率を高めたものだと考えられる。
生物は当初分裂エラーを起こすほどのエネルギー環境にはなかったものの外的要因の変化に伴い、細胞分裂エラーによる淘汰に見舞われる。
これまで同様、生命はあくまでも外的要因により何度も淘汰を引き起こしてきた。
細胞進化の狭間も勿論この大量淘汰から生まれた機能であることは間違い無いのだと思う。
長期に亘り、これらの条件が積み木の様に重なる事で生命はそれぞれの進化を果たし、又新たな生命の活動も併用して引き起こされる。
しかしその併発は生存競争として多くの群体に大量の死をもたらしていた。
癌細胞の発生
癌細胞に関わらず、単細胞種全体に存在する概念にネクローシス(壊死)がある。
細胞自身がネクローシスを迎える際、アポトーシスの概念を組み込む以前には細胞全体の特性として、細胞自身の生命を存続させるという意思がある。
しかしこれらの細胞に起こった一つの悲劇。
正常な情報伝達が行えないこの種の細胞に、過剰な電気的信号が太陽光や、些細な放射線により引き起こされ変異を引き起こす。
死を克服する為の選択としてエネルギーを得たことで、それは癌として進化した、その癌細胞は、元の宿主である細胞種との違いから細胞内で生存競争を始める、変異型かつ転移型のそれらの遺伝子は、
当時の肥大化した群体種の死の原因の多くとなった。
光を避けるゾンビ群体
また、群体の死はATPの付与により、生命活動を再開する事がある。
これらの細胞は群体本来の機能とは別の機能を持つ傾向にある。
勿論クラミドモナスなどの単細胞は4細胞で多細胞化(別の染色体データ)する事が出来るが、これらの種は長期にわたり生殖細胞が蓄積させた染色体情報によるもので多細胞化した原初生物にこれが該当し得ないことは当たり前である。
様々な環境下での免れようの無い死に、滅びたはずの群体細胞は、ATPを再合成することで、RNA情報を変異させ新しい機能を手に入れた可能性もある。
現段階では、同化の経緯とどう前後するかは置いておいたとして、後にそれははっきりさせようと思う。
どちらにしても混合細胞種である群体の一つの機能として光から逃れる機能を持つ理由は癌細胞発生の起因となるエネルギーの過剰流入を避ける為でもあった。
しかし、それだけでは抑止力にはならず、当時群体らは分裂時に行う無糸分裂を変化させる為のサイクルを考え出す。
無糸分裂:
細胞分裂の周期は、サイクル状に回りG期、S期、G2期、M期に分かれており、単細胞の時代はG期の臨界点に達し強制的にねじ切られる分裂をベースとしていた。
強制的分化の副作用として肥大化した群体のエネルギー処理を行えなかった細胞には、ネクローシスと癌細胞が生まれる種とがあった。
これを避けるために、細胞が均一に揃った群体らはある機能を作った。
強制的にねじ切られ無尽蔵に増殖し、無尽蔵にエネルギーを消費した結果、死のリスクを負うことよりも、分裂を制御し、頻度は少なくとも確実な細胞を作り出し、癌細胞発症につながる様な機能を破棄する試み。
それは自らの染色体内部に、外的要因と内的要因の生合成の比較を行う為にまず自らの染色体に容易にATPが結合しない構造に組み替えた。(サイクリン依存性キナーゼ)
まずこれで過剰に反応するのを防ぎ、必要な分子(サイクリン)が生成され、結合し初めて、ATPと結合できる様にした。(サイクリン複合体)
現在では各染色体毎にそれぞれのがん抑制遺伝子が存在し、その染色体分裂時に全てのチェックを入れる。
生命の染色体数はその種類により大きく異なる。
これは複雑化する過程で遺伝コードを書き換え、癌による死の可能性を狭めるものである。
当初無闇矢鱈に闇雲に手当たり次第に発生した癌細胞を選別する為にも、がん抑制遺伝子は、必要だったのだろう。
少しさらに補足するなら一本ずつの染色体全てに共通するのはサイクリン依存性キナーゼと呼ばれるCDK、これは各染色体にそれぞれ一つづつ存在する。
全て形が違う理由は特定のサイクリンを選び取る為。
また各染色体の特徴に合わせて幾つかの抑制遺伝子はそれぞれ設定されている。
サイクリンタンパク質
増殖指令が出た際サイクリンと呼ばれるタンパク質が働く、正常にチェックを終え、サイクリンを合成し次の段階に入るが、
チェック機構自体が損傷している場合、損傷状態のままでチェック段階を過ぎ誤った情報をコードするパターンがある。
細胞はエネルギー的飢餓から暴食の性質を持つ、チェック機構にはこれも含まれており、過剰に摂取されたエネルギーから、そのエネルギーに見合うように突然変異する。
基本的には必要なエネルギーを補強した際には、その後の暴食を避ける為リン酸化が起きる、
エネルギーが励起しやすい状態(日光浴などの過剰照射環境)だと全ての性質は侵されやすく、その性質から群体は逃れていた事になる。
多細胞進化の要因は一個体の細胞の全体死を免れる為であり、その為に老化して壊死する様な細胞には癌が産まれる可能性が多くある為、そうなる前にタイミングを見極め自ら死ぬ選択肢を作り出した。
多細胞種の細胞はそのほとんどが停止状態にあり、癌細胞などは停止サイクル自体を持たないため人体の正常な細胞に比べ転移、増殖が早い。
アポトーシス
テロメアの限界(細胞老化)に近づくと分裂不能となる為分裂休止のG0期に入り、その後カスパーゼ(アポトーシス誘導酵素)が働き、細胞自体が自死を選ぶ。
あくまでも全体性の保存性を高める為に用意された死は自然そのものの摂理の変化なのか、それとも宇宙が温度低下とともに表面化させた概念の一部と同質のものかそんな疑問も湧きもするが、そんなこんなで生命は新しい死を取り入れて、進化をする。
文字が多くなり過ぎて、重くなってきたので以上
予定より、細かくなり過ぎたがおそらく、ここは重要なとこなのだろう
染色体別と器官の関係、サイクルのその他の詳細など興味をそそる部位は多く残ってはいるが、いづれそれは出てきそうです。
point
①生命は環境の変化により、いくつもの生存競争が起こり、その中の一つの生命戦略の変異体が癌
②全体を捉える事で初めて部分的死を余儀なくする選択的死を発想した。
③時間的な概念を初めて取り込み、サイクルを完成させ、有糸分裂という打開策を取り入れた。
まとめ
SIZE〜9部〜TIME IS DEATH
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