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骨がスカスカになる忘れ去られるカドミウム(Cd)の毒性

イタイイタイ病の原因となった公害物質として知られているカドミウムは、21世紀初頭まで、日本での利用の95%が電池 (ニッカド電池の負極)としてのものでした。その他、合金の素材や顔料、メッキ、半導体など、産業界で広く使われている。

また、 石油や石炭の燃焼による排出もあり、その広がりは水銀と並び有害金属の双璧といえる存在です。水銀と同じように、食べ物を通じて体内に蓄積しやすいことも特徴である。

人間の体内では腎臓に偏って蓄積され、年齢とともに濃度が高くなって(濃縮されて)いく。カドミウムが腎臓に蓄積されるとタンパク質や酵素と結合して腎障害を引き起こし、カルシウム代謝に異常が生じる。その結果、骨が変形したり、折れたりして全身が痛み衰弱死する場合があるとされる。

土壌が汚染されると除去が難しく、米はカドミウムをよく吸収する。日本人の主食である米、毎日の“食”が汚染されるという脅威こそが、現在でも世界や日本人にとってカドミウムが深刻な問題として立ちはだかっている所以である。

また、タバコによるカドミウムの摂取経路もあり、喫煙者のカドミウム濃度は、非喫煙者の約2倍というデータもあります。喫煙者だけではなく、副流煙による受動喫煙にも注意が必要です。近年では、鉛や水銀とともに内分泌かく乱作用も疑われている

■ カドミウムとその化合物は低濃度でも極めて強い毒性を示し、生物体内や生態系で生物濃縮する。 カドミウムの曝露許容量は低く、微量のカドミウムしか存在しない場所でも過剰曝露が発生する

■ カドミウムを大気中に排出する有害廃棄物処理場や工場付近の住民は、カドミウム暴露・蓄積量が多い

肥料のリン酸塩原料の中には100mg/kg高濃度カドミウム含有製品もあり、土壌カドミウム濃縮を促進する

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