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「女医.夏野蝉子の診療カルテ」〜冬山木立〜


冬山さ〜ん、ふゆやまこだちさ〜ん!診察室へどうぞ〜…どうなされました?

おぅ先生よぅ、おらぁ昔からこのドヤ街で気ままなその日暮らしをやって来たんだ。世間の風も、何処吹く風ってな!へ、へ、へ…
でも最近、これじゃいけねぇって!思う様になったんだよ…何だか時代から置いてけぼりくってよぅ、後々大変な事になるんじゃねぇかってってな!不安になっちまうんだよぅ、年なんかねぇ…

そうですね…ん〜、時代過敏症ですね!少し心が炎症起こしてるみたいですね

先生よぅ…医療ってのはさぁ、日進月歩で常に時代の最先端を目指すから、先生だって時代に敏感なんだろ?

まぁ、確かに医療に限らず進歩の歩みは止められないけど、古い知識も大切ですよ!温故知新って言いますからね。それに時代の先端で時代を切り開いてる人は案外、時代遅れに憧れているものよ。
この前、日本三景に行ったのよぅ、あそこの島は数千年変わらず人々を魅了しているの!時代の先端でもなければ時代遅れでもない、だからこそ常に新しい風が吹いているのよ!

あ、俺知ってるぜっ!あの、東北の方だろ…えーっと…何処だっけなぁ?先生…

あそこよ!えーっと…何だっけ…私も忘れちゃったわよ!この前行ったのにねぇ….ハ、ハ、ハ、ハ〜😅

何だよ、先生も俺と大した変わらねぇなー!😆もう良いや、なんか気分が軽くなったよ…また来るぜ、先生!

はい!お薬は大丈夫そうね!時代は時代、貴方は貴方自身を頼りにしなさい!はい、行ってらっしゃい!…😄

女医.夏野蝉子は、そこが「松島」だと言う事は始めから気づいていた…

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