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住むように呑む:高知編~後編

「住むように呑む:高知編」の後編です。よければ、趣旨は「住むように呑む:高知編:前編」をご確認ください。最低でも同じ街に4日は滞在して、泊まった近所の酒場に通りすがりにふらりとよって、梯子酒をするという呑み方が「住むように呑む」です。店名は書いていますが、店のガイドとかはまったくないので、気にった酒場があれば調べてみてください。
3日目は朝から鉄路で移動します。お目当は鍋焼きラーメンです。

しまんと1号、車中では呑みません

流石に2日飲み続けてアルコールが身体中に回っている感じで、天気もいいので鉄分補給しようと高知駅に来ました。今日の目的は昼ごはんに須崎で鍋焼きラーメンを食べること。二晩、高知市内を歩いていて、鍋焼きラーメンの店が何店かあり、そのご本家が須崎という街だと聞いたので、そこまで行って鍋焼きラーメンでビールを呑むという企画を考えました。移動中はビールを呑まずに少しアルコールも抜けて一石二鳥。
でも、どうせならばその前に朝飯です。しまんと1号に乗って西へ向かいます。朝からやってる鰻屋があるというので、須崎を少し超えて窪川という鉄道の分岐の街に来ました。それにしても、JR四国の特急率の高さは脅威的です。さて、駅前には素敵な佇まいの四万十町役場があります。驚くべきことに、四万十「町」と四万十「市」というのが両方あるのです。わかりにくいことこの上ありません。で、ここは四万十「町」の方です。
てくてくと10分くらい歩いて鰻屋につきます。本当に朝からやっています。朝ラーはよくやりますが、朝鰻は初めてでしょうか。同じ列車で来た人が別組できています。「うなきち」、高知15軒目、本日1軒目。もちろん朝からビールをいただきます。スーパードライです。これでアサヒ対キリンは、アサヒの5勝4敗になりました。アサヒ、再逆転です。アテに肝串と思ったのですが、残念ながら肝串はないというので肝煮を頼みます。これが驚くほど大量にやってきます。昨晩のラーメンが、まだほんのり腹に持たれている気もする中で、食べ切れるだろうかと心配になります。

ほっとくとこれでビールがお代わりになります

鰻重は上で4000円。もちっとした肉厚なちょっと不思議な食感です。そして尾頭付きです。カブトとは好きなのですが、この頭はかなり骨っぽいので残しました。完食したところで時刻表アプリを調べたら次の須崎行まで1時間50分もあります。こういう時間軸の日をたまには過ごしたいものです。さあ、呑めるところあるだろうか。

頭ごとくるのは高知式なのか、この店のオリジナリティなのか

次の列車までの1時間50分をどう時間を潰すか思案します。昼の鍋焼きラーメンが目的なので、これ以上、腹を満たすわけにはいきません。都合よく、朝からやっている立ち飲みなんてある街ではありません。で、四万十町というくらいだから、四万十川があるんじゃないかと地図アプリをみると、あります。少し、遠いですが…。相当にてくてくと歩いて四万十川を拝みにきました。下には降りられないのであまり時間を潰せません。

下におりるルートがみつかりません

四万十川に行く途中に、結構にぎわっているお寺があったので帰りに立ち寄ります。お遍路さんもちらほらいて、どうやら札所の1つのようです。カラフルでなかなかファンキーな岩本寺というお寺でした。鐘をつかせていただきましたが、満腹の腹にずんと響きます。高知県の観光担当の方がいて、アンケートのインタビューに答えました。この寺には通りすがりで寄りましたとか、高知には呑みに来ましたとか、観光は何もしていませんとか、このあと須崎にラーメンを食べにいきますとか、あまりに高知県の観光行政には響かない内容のない回答ばかりで恐縮します。調査のお礼にミレーを1枚もらいました。

この色使い
本堂らしき建物の天井です。どういうことでしょうか。
もう入口からファンキーです

こうやって時間を潰したけどまだまだ50分少々あるので、やはり四万十川までいく途中でチェックしていた古民家カフェに立ち寄ります。ザ・古民家カフェという感じのカフェです。「半平」。この古民家カフェの窓際の涼しい席で梶尾真治の旧作を読みながらお茶をして時間調整をします。ほんとは期待していたのだけど、残念ながらビールはありませんでした。なので、このカフェは訪問カウント外です。

ビールがあれば、なおよかった

さて、話を戻します。2日間のマーケティングの成果として、高知のご当地ラーメンとしては、鍋焼ラーメンと味噌トンカツラーメンというのがあることがわかりました。そして、鍋焼ラーメンというのは、須崎という街が発祥らしいです。で、窪川経由になりましたが、鍋焼ラーメンを食べるためだけに今日は須崎まで来ました。どうせなら1番有名そうなところに行こうと思い、駅からはるばる歩いてここ「橋本食堂」に来ました。高知16軒目、本日2軒目。 

住宅街に突然あらわれます。記名式なので行列にならない混雑が素敵です。

須崎駅からかなり歩きます。今日は3万歩行きそうです。そして、住宅街の中の人だかりが遠くからも見えました。凄い繁盛店です。土曜日とはいえ怒涛の16人待ち。記名式であとは自由なので待つストレスは小さめです。かつ、朝の鰻からあまり時間がたってないので腹ごなしには丁度いい待ち時間かなという感じで、しばし散歩をしました。そして、カウンター席に滑り込ませていただきますが、厨房が見えてなかなか楽しい席です。まずはニトロ持ちには塩味の強いタクワンが出てきてビールです。

ニトロもちには塩分強め

ほとんどの客は車で来ているようでビール派はほかに誰もいません。ビールはアサヒスーパードライなので、これでアサヒ対キリンは、アサヒの6勝4敗になります。

世界1、熱いラーメンかも

カウンターの上では、たくさんの土鍋の蓋に葱とチクワがセットされていきます。特大、大、普通と注文受けるごとに、それぞれの大きさの鍋の蓋が並びます。麺は固めでスープは激熱。さっきまで沸騰していた温度です。気を付けないと危険です。生玉子がいい仕事をします。これはわざわざ来たかいがあるという味でした。ほんとうはご飯入れるとうまいんだろうなと思いつつ、胃が無理だからやめてくれと悲痛な声をあげるので自重しました。ほとんどの人がやっている中で、まさに大人の選択です。

青空と海はいい

駅に戻る帰りは少し遠回りをして海岸沿いを歩きました。海はよいですね。鍋焼きラーメンと海、旅の思い出です。何一つ観光をしていませんが、高知はよいところです。

港の雰囲気もよい、もうすぐ駅です。30分くらい歩いたかな

鍋焼きラーメンの街須崎を後にして、鉄路で高知市に戻り、ちょっと雑用的な仕事を片付けて、ホテルで洗濯をしていたら、もう夕暮れ時です。多少であれば食べられそうな胃に戻ったので出かけます。前日、前々日にはあまり徘徊しなかったエリアに行ってみます。初日の屋台安兵衛の帰りに、このあたりにも酒場がいっぱいあるなと思ってたエリアです。このあたりはカツオを前面に出しているオオバコっぽい酒場が多かったので、高知3日目にして初めてカツオを食べてみようかと思いました。予約文化なのか、土曜日だからか、ホテルで洗濯をしていて出遅れたからなのか、なかなかどこにも入れず、この「藤のや」で1時間限定で8時から予約が入っているという席に滑り込ませていただきます。優しいです。高知17軒目 、本日3軒目。大間まで行ってマグロ食べ忘れそうになったこともあるので、ここは一応カツオの塩たたきをオーダーします。外からみるよりもさらにオオバコで次々予約客が来ます。他人様宛の予約感謝メッセージを前にして呑ませていただきます。ありがたいことです。またしても、土佐鶴の燗です。

燗酒は土佐鶴の独壇場のようです

粗雑にならないしっかりとしたオペレーションの酒場です。ホスピタリティあります。四万十川の川海老も頼みました。川海老って手長海老なんです。長い手までしっかりと揚がっていてなかなかよかったです。川海老、好きだな。

手の長い川海老

結局、また55番街に戻ってきました。そして、初日の晩から気になっていた酒場を覗きます。5人も入ると一杯という感じの小さい酒場で、昨日、一昨日はなかなか入れる余地がなかったのですが、この日は入れました。

あかしやきはありません

昭和39年5月1日創業という55番街の十字路角にある酒場です。目の前に立つ女将が23歳の頃にはじめたというので、計算するとこの女将は83歳!!!! 凄いです。「京や」、高知18軒目 、本日4軒目です。
高知でも忘れ去られつつあるようなおばんざいを出しているといいます。開店40周年まではカツオのたたきばかり出していたというのですが、もう大きな店がどこもかしこもカツオのたたきを出すようになったので、おばんさいの酒場に変えたとのこと。それからさらに20年たっているのでこれはまた凄い。看板にはあかしやきの店とありますが、一時期はやっていたそうですが今はありません。昨日のギネスパブといい、高知には看板と中身が違う酒場があります。まずは燗酒を頼みます。銘柄がよく聞こえませんでしたが、しっかりと2合で出てきました。一緒にお通しなのか、アテもいただきます。旨いです。

飲み始め、旨いです。

壁のメニューに「願いのだんご」というのがあったので聞いてみたら、幸せの条件について語ってくださいました。これも壁に貼られています。
「幸せの条件」
〇家族が健康である
〇朝起きた時仕事がある
〇人間関係が豊かである
〇感動できる心がある
〇少し御銭がある
この5つの願いにお客様の願いを1つ加えた6つの願いを込めて一生懸命に作るのが「願いのだんご」だとのことです。そしてこの酒場の一押しは原木しいたけのたたき。椎茸を揚げて、みょうがと大葉で合わせて食べます。新玉ねぎもたっぷり添えられます。カツオのタタキでやっていた時代のタレを使っているとか。見てくれもカツオのたたきっぽいです。推すだけあってとても旨いです。いいしいたけのあった日しかやれないそうです。

原木しいたけのたたき

燗酒2合が空いたので、焼酎のお湯割りを頼みます。やはり高知、栗焼酎ダバダ火振です。そしてお湯割りの作り方がユニーク。結局、壁のメニューは無用の長物のようで、次々と女将が見繕ってアテをつくってくれます。間平ザメの干物が浅漬と一緒に出てきます。

これは何とクイズを出しつつ、答えもしゃべってしまっているのが素敵

壁の張り紙には幸せの条件の下に「食べ物は人の運を開き、人生を変える力がある。」ともあります。同感です。その次は沖うるめが2本出てきます。ここらで止めます。でも、止まらずにもう一品、出てきます。ほかに2組いるいたお客様と一緒に女将の話に聞きほれるという、まさに劇場型酒場でした。いつまでもお元気で続けられてください。ありがとうございました。はらたいらさんの絵があります。よくお出でになっていたそうです。

55番街

ちょっと55番街を離れてみます。相当に満腹なので、バーっぽい酒場を探します。ここの前を通りがかって、入ろうか入るまいか一瞬躊躇しましたが、2階のハイボールバーと書いてある酒場に入ります。「ハイボールバー赤目」。高知19軒目 、本日5軒目。

21時から3時まで営業の素敵な酒場

下から見上げると結構、中は暗めです。でも、入ってみたらなかなかよいバーでした。入った自分を褒めてあげたい。9割以上のお客様は角ハイを頼むとのことなので自分もそうします。氷を入れるタイプでした。21時から27時の深夜活動の人向けの酒場です。日曜日もやっているとか。そして、もう始めて5年になるバーだとか。近場にあると重宝するタイプの酒場です。ラーメンについていろいろと教えていただき、翌日の予定が決まりました。ハイボールを2杯いただいて、また街を徘徊することにします。

コースター、シンプルでいいですね

さらに歩きます。街を逆方向に向かいます。街を隅々まで歩くとバーに出会うものです。たぶん結構、新しめの、和がコンセプトっぽいバーです。「フクワウチ」。高知20軒目 、本日6軒目。

引き込まれるネオンサインです

和と言えば日本酒。燗酒はやっていないような雰囲気だったので、高知に来てからまだ呑んでない有澤さんの文佳人を呑みます。高知市から遠くないようなので時間が確保できたら蔵に行ってみるかな、とも思います。お通しはイチゴです。これが甘い、旨い。
でも、まだ行っていないエリアを歩きたくて、1杯で立ち去ります。後日談ですが、ヒナタさんの話では、実は燗に合う日本酒もいろいろ持っているバーだとのこと。うーん、まだまだ修行が足りません。見抜けなかった。もう少しゆっくりいればよかったのですね。

イチゴが出てきます

そして、またさらに街を歩きます。このあたりもまだ歩いていないエリアです。そして、次の酒場に出逢います。こういう酒場が自分がふらふらと歩いているルートに現れるということ、それをみて迷わず入るという行動をとること、いずれも自分を褒めてあげたいです。もう相当に酔っていて記憶は怪しいですが、素晴らしいワインバーです。「paroles et musique」、高知21軒目 、本日7軒目です。 

グラスに撮影する自分が映り込みます、酔っ払い

凄いな、高知という街は。本当に素晴らしい。ほんとにあらゆる業態でいい酒場がある。しかも徒歩圏内(注:毎日20000歩以上歩いていますが)。酔っぱらっていて記憶は曖昧だけど。ポルトガル人の移住者が創っているというパンがとてもよかったです。お代わりしました。

このパンです

外部記憶をみると、どうやらワインをグラスで3杯呑んだあとにグラッパを呑んでいるようです。7軒目にしてよくやります。グラッパが4種類あって、悩んだ末に選択しています。その日の〆はやっぱりグラッパですね。お話をしていたらヒナタの話になって、以前にコラボで燗ワインの会をやったとか。明日の夜、そこに行くんですよ。明日はそのために昼酒は自重しようと思ってるんですよという話をしていたような気がします。本当にこういう酒場を見つける自分を褒めてあげたい。なんか凄く楽しかったです。

〆のグラッパ。でも、〆にならなかったのです

梯子酒の果てにまた中心街に戻ったら、毎日気になっていた屋台のうどん屋のところまで来ました。大丸の前です。「和楽路屋」。お腹と相談するまでもなく、これは入るしかありません。このうどんやの近くで路上アーティストに昨晩は似顔絵を描いてもらいました。これがなかなかいい味出して似ているので何かに使えそうです。嬉しいです。さて、屋台のマスターの真向かいのカウンタに座って、天婦羅うどんを頼みます。みんなビールを呑んでいるみたいなのでビールも頼むと、ビールはないよと言われます。あのビールのような液体はお茶なんです。見るからにビールなんだけど。ということで、飲酒をしていないのでここは訪問カウント外です。厨房の中には凄い機械があります。まさに町の発明家です。うまく説明できないので、是非、この機械は見て欲しい。写真撮ったんだけど、ぶれぶれなのと人が映り込んでいるので、この店の写真はうどんだけにします。

いかにもやわそうな素敵なうどん

綺麗な天婦羅うどんですよね。うどんは胃にも心にも優しいやわうどんです。このシチュエーション的には最高ですね。左上のはビールではなく、お茶です。紛らわしいのです。
そして、高知の街らしく隣のおじさまが声をかけてきてくれて、盛り上がります。話の流れでもう1軒一緒に行くことになります。おじさまが先ほどまでいたというスナックにUターンします。「(名称不明スナック)」、高知22軒目 、本日8軒目です。高知の旅での初スナックなのでちょうどよかったです。もちろんスナックの名前も場所も記憶にはありません。そうして楽しく高知の夜は更けていきます。午前2時を過ぎたなというあたりまではなんとなく記憶があります。おじさまをタクシーに乗せて見送った記憶もあります。何も忘れ物をしていない自分を褒めてあげたいです。ヤクルト1000効果もあり、熟睡です。 
 
20230423 豚太郎
「住むように呑む:高知編25」
朝、起きるといよいよ滞在4日目です。明日、帰京するので最後の晩です。この日の夜は唯一酒場を予約しています。サケとサカナ ヒナタです。以前にサケフクさんでたまたまご一緒させていただいたことがあり、必ず高知に来たらここに寄ろうと思っていました。燗酒の酒場です。御酒燗帳にも参加されています。ここでたっぷり呑み食いできるように、今日は昼酒を自重します。ちょうどいいので、昨日仕入れた情報で豚太郎の土佐国道店までいって念願の味噌とんかつラーメンを食べます。ホテルから30分以上歩きますが、まったく苦になりません。店に到着時点ですでに万歩計は6000歩オーバー。流石に多過ぎないかなと思ったら、スマホの万歩計は24時リセットなので寝る前に2000歩以上歩いていたようです。

完全セルフサービスのラーメン店

豚太郎土佐国道店」です。高知23軒目 、本日1軒目。今日は昼酒自粛といいつつもビールだけは飲みます。キリンです。これでキリン対アサヒは5勝6敗。キリンが盛り返します。セルフ店仕様だけど、ホスピタリティありのいい感じです。キムチも付いてきます。

トンカツとラーメンはよく合います

具材は、きくらげ、葱、もやし、メンマ、ゆで卵、そしてトンカツ。これ、本当に良いな。なんて豊かな食文化の街なんだろう。昨日の酒場のマスターの話では、豚太郎は店によって味もメニューも違って、それぞれ俺はあそこの豚太郎が好きだ、いや俺はあっちの〇〇店が好きだといった店があるとか。まさにラーメン二郎のビジネスモデルと一緒なのです。私は以外と一之江店が好きです。

さあ、腹も膨らんだので、また30分かけて街中に帰ります。この日は日曜日なので、日曜市というのが開催されているそうで、そちらに急ぎます。日曜市はさすがの規模でした。大半が野菜・果物で、新玉ねぎ・トマト・文旦あたりが大量に出ています。100円でトマトを食べられるところがあって、冷え冷えのトマトを食べたけど、過去最高に美味しかったです。買って帰ろうかなとも思ったけど、この日に帰るわけでもないからなぁと断念。あとはニンニクを買います。昨晩の酒場で、ニンニク談義になり、高知は赤ニンニクで白よりも辛みがあって絶対に旨いから買ってかえるといいよといわれたので、アドバイスに従います。もっと飲食ができる店が多いのかと思っていましたが、数も少なくあまり魅力的な店も見つかりませんでした。ラーメンを食べていて出遅れたからかもしれません。

お天気だったので気持ちがいいのです

そして、日曜市のはずれの方の刃物・骨董品エリアのあたりで、ハーブ屋さんがありました。ハーブ愛が強すぎていろいろと教えてくれます。あれやこれやと買って帰ります。凄いなハーブ仁淀川。

ハーブ仁淀川、ちょっと長居しました

ノンアルの昼は続きます。「松岡かまぼこ店」。ひろめ市場の近くのかまぼこ屋さん、初日から気になってたんだけど、小腹がすくタイミングがなく、立ち寄れませんでした。おでん種の練り物が豊富なんだけど、それよりも揚げ物の充実度が凄いのです。初日からずーっとここのチューリップが食べたくて、ようやく願いが構いました。玉子コロッケと2つ頼みます。商店街のベンチで食べたけど、最高のチューリップでした。丸健水産みたいに酒呑みスペースを作ったら、ひろめ市場が潰れるほど繁盛するんじゃないかという感じです。エビフライもアジフライも食べたかったよ。なんかお母さんが名物お母さんみたいで店頭でサインをされていました。夜に備えてビールは自重します。なので、ここも訪問カウント外です。
 
そんなこんなで夕暮れ時が近づき、本日のメイン酒場に向かいます。「サケとサカナ ヒナタ」、高知24軒目 、本日2軒目。市の中心街から少し西に行きます。よい燗酒場は街の西にあるものです。国分寺のがらーじ、藤崎の捏製作所とか。ここもそうです。はまりや橋からチンチン電車で6つ目の電停の街「升形」にこの酒場はあります。もちろん、6つくらいの電停でしたら徒歩圏内です。高知城を横に観ながら歩いてお邪魔します。

呑みたい外観

もう、とっても来たかった酒場。今日はここで呑むために、昼のビールから酒を断ってました。ご主人が腱鞘炎になったのをSNSで見て訪問できるか心配していましたが、だいぶ回復されたようです。お通しがまずいろいろとあって呑めます。燗酒はお任せですが、十字旭からスタート。

一皿にいろいろと盛り付けられています。どれも旨いのです

お通しだけでいくらでも吞めるので、2杯目もいただきます。扶桑鶴。

カウンターに鎮座します

黒板のメニューは、試したいものばかりで悩みます。取り外し式の胃が欲しくなります。苦悩の末に「四万十豚肩ロースだしカツ」を行きます。これね、凄い旨い。声出しそう。

1つ、おっそ分けをしました

酒は、扶桑鶴から久米桜、久米桜はこちらの酒場向けラベル、高知ラブ。まったく賛成です。高知ラブ。

コウチアイ

次のアテは、落花生スパイス煮。これも凄い、本当に凄い。今年食べたアテで1番かも。

持ち帰りたい

そうこうしているうちに、梅津の生酛の自然。精米98%。次のアテはカツオとアボガドの海苔わさび和え。ここで十字旭の鏡草ラベル。箸置きはサケフクと同じです。仕事で高知に来ているという方が、マスターに「山陰のご出身ですか」と聞いておられました。いいです、それ。

6つくらいいただいたみたいです

そして山陰東郷がやってきます。最後のつもりが、うっかりもう一杯。日置桜糸白見。ここが実家だという人と昔、渋谷で飲んだな。さあ、歩いて帰ろう。

とっても満足して中心街に戻ります。その途中で昼間も気になっていたのだけど、夜しかやっていないようなのでスルーしたアイス屋があります。通りの逆側からも目立つ黄色い電飾ロゴ。横断歩道を渡って吸い込まれます。新しい店みたいですが、一世代違う人たちが群れています。

「21時にアイス」。アルコール提供がないので訪問カウント外ですが、なかなかありそうでなかったコンセプトの夜だけやるアイス屋です。メニューには、モンブラン系とわらび餅系があり、だいぶ悩みましたが、後者にしました。アイスができると専用の台に置かれ、写真を撮りなさいというやわらかなプレッシャーが来ます。酒で傷んだ胃にアイスはやさしい。外に出て風に涼みながらいただきました。

アイスは酒を中和します

さあ、中心街に戻ってきましたが、日曜の夜はほとんど酒場がやっていません。満腹だけど一軒くらい呑んで帰りたいなぁという感じだったのだけど、魅力的なところになかなか出会えません。まあ、だいぶ呑んだから呑まなくてもいいかなと思いつつ、55番街とおびや町横丁のエリアにきました。

ひとときの説明が素敵です

ありがたいことに、おびや横丁には灯の灯る酒場が3つありました。その中で感覚的に良さげなところに入ります。「ひととき」、高知25軒目 、本日3軒目。1階のカウンター席。2階もあります。カウンターの中のお二人が、燗味処のお二人を思い出させるような感じでした。

桃の味がするトマトを頼んだら、本当に桃の味がしました。最初に呑むのはダバダのお湯割。そして、最後に海老春巻とレモンサワーかな?。少し歩いて帰らないと腹が苦しいです。食べ過ぎました。おやすみなさい。

帰京する朝になりました。やっぱり高知に5日いて、桂浜と高知城に行かなかったのはいいけど、ひろめ市場にいかなかったというのは、まずいかなと思い、今日はひろめ市場に向かいます。さすがに平日の10時過ぎは一人客でも恐縮せずに飲める程度の賑わいです。何軒も寄りましたが、ここは市場1つで一軒カウント。で、「ひろめ市場」、高知26軒目 、本日1軒目。1杯目は「ほてい茶屋」さんで高知のクラフトジンマキノジンのソーダ割。これ呑みたかったんです。これを開発したバーがあると聞いたのですが、情報仕入れるのが一歩遅く、日曜休みで行けなかったのです。

出逢えました

あては「珍味亭」さんで鯖寿司と貝2種。各酒場で見かけたチャンバラ貝とマイゴ。マイゴはながらみですね。巻き貝を上手に食べるには、けして自分は動かずに貝をまわすことです。どれもよかったです。「ひろめ市場」、平日朝なら天国です。

貝づくしをやりたかった

2巡目は燗酒と揚げ物。「司食堂」でハランボとウツボ。ウツボは大好き。ついでに、「鰻のまん」で鰻キモたれ。そうこうするうちに、明神丸がオープンする時間になり、開店待ちの行列ができます。

揚げ物に燗酒

まわりをみると普通に早めのランチの人もいるけど、やっぱり食べているのはカツオ率高いです。それにしても、ひろめ広場のサービスシステムはなかなか素晴らしいです。できそうでなかなかこれはできない。だんだん混んできたので、予定とおりに立ち去ります。最後の最後の〆は、あの酒場であれを喰うと決めていたのです。

左にあるのが出窓

ということで、最後の最後に訪れたのは、初日にも来た「丸吉食堂」、高知27軒目 、本日2軒目。再訪したい酒場だらけなのですが、実際に再訪したのはここだけでした。初日の昼に来て風情に惚れ込み、常連さんがラーメンにおでんを入れて食べていたのに憧れて、それをやってみたいと思ってまた来ました。そして、もう一度、出窓も観たかったのです。

外から見るとこんな感じ
中からみるとこんな感じ
出窓の向かい側にはおでん

念願のラーメンを頼んだあとに「ちゅうにち」というメニューが目に入ります。なんと中華の麺にうどんのスープという品です。次回はこれを食べなければ…。中華そば420円、日本そば320 円、ちゅうにち380円。絶妙の値付です。逆の「にっちゅう」はやらないのかな。こちらのおでん、小さくきったこんにゃくで止めをしています。知恵です。満腹です。 高知で最後のビールはアサヒスーパードライでした。アサヒ対キリンの対決は、7勝5敗でアサヒの勝利で終わりました。アサヒ関係者の皆様、おめでとうございます。

牛すじと玉子は勝手にトッピングしたものです。可能性は無限大。

旅の最後はいつもの通り、飛行場呑み。高知空港の飲み屋は2軒のようで軽めの方に入ります。「うちんくの食卓」、高知28軒目 、本日3軒目。

マミーソースを添えて

津野山ビアカクテルというのを注文します。四万十の緑茶とビールです。これがなかなか濃いのです(お茶がです)。そしてアテはガリアジなるメニュー、つまりガーリックアジフライです。旨い、ありそうで見ないメニューだけど、合わないはずがない。飛行機が遅れてたので、予定よりもゆっくり呑めました。お疲れ様でした。また、来ます。本当に高知、ありがとうございました。 

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