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住むように呑む:高知編~前編

以前からやってみたかったことで、コロナで休止していた「住むように呑む」。コロナ初期に荻窪の西郊荘に1週間泊まったのですが、それ以来です。最低でも同じ街に4日は滞在して、泊まった近所の酒場に通りすがりにふらりとよって、梯子酒をするという呑み方が「住むように呑む」です。今回、復活記念で未踏県である高知県にお邪魔してきました。事前に行こうと決めていた酒場は2軒のみ。あとは基本的に行き当たりばったりの梯子酒です。気になった酒場に入り、その酒場で教えてもらった酒場に足を運ぶ。すっかり高知が好きになりました。

高知LOVEの久米桜

高知市中心部のはりまや橋近くのホテルに4泊しました。4泊したのに桂浜も高知城も行っていません。まさに普通に住んでいる意識です。その代わり、はりまや橋は毎日渡ってました。ホテルからコンビニに行く近道なのです。最初はレプリカかとマジで思いました。街中に「らんまん」という広告が乱舞しているのだけど、これは今やっている朝ドラなのです。そういうと五反田の酒場で聞いたのはこの話だったのかということに気づきます。だいぶ日がたちましたが、ごく一部の方の熱烈な要望により、珍しく時系列できちんとレポートを書き連ねて行きます。ただ、食レポでも飲食店紹介ブログでもないので、店の案内とかは一切ないのであしからず。
そうそう、あと感動したのが、コンビニの棚に普通にヤクルト1000が売っていることです。高知の人が羨ましい。途中で気づいて毎日呑んでいました。おかげで毎日、寝つきがとてもよかったです。単に酔いつぶれていた日もありますが…。最初は、インスタで毎日3軒ずつ書いていたのですが、これだと11日かかるのに気いて飽きてきたので、一括でこっちに残しておくことにしました。

実は初めて飲めたヤクルト1000

さあ、始まります。昼前にJAL便で高知に着きました。この日は有休です。飛行機は早い。博多よりもだいぶ近いです。場所を調べておいた酒場はここと、一番行きたい酒場であるもう一軒のみ。そちらは日曜営業なので日曜日の夜に行くことにしています。とりあえず「昼呑みなら葉牡丹だね」と様々な方が教えてくれたので、まずはここに来ます。「葉牡丹」、高知1軒目。

大通り沿いに面していて不思議な感じ

ほんとに凄いな、午前中からちゃんと酒場してます。そして、ところどころには昼ご飯の人もいて、混在感が実にいい感じ。お隣の方のオムライスも美味しそう。ホルモン煮込みを頼んだけど、これはかなりユニークな一品でビールが進みます。

独特なホルモン煮込み、隣の人はオムライス

そして串フライ盛合せ。ナス、エビ、豚、キス、イカだったかな。大量の辛子が嬉しい。時間帯を変えてまた来たくなる酒場。皆が褒め讃えるのもわかります。奥の方まで席があるみたい。

結構なボリウム

チェックイン前に高知の街を散策していて、さすがに存在はよく知っている有名なひろめ市場に行ったけど、想定通り一人呑みにはあまり馴染めそうにないので、場内を1周だけして近所の路地をしらみつぶしに歩くことにします。めちゃめちゃ入りたい食堂をみつけたけど、完全にランチタイムなので遠慮した方がいいかなと思い、昼休みが終わるまでどこかで昼呑みして時間を潰すことにします。実は数日前から無性に鰻が食べたく、いい塩梅の鰻屋を発見したので迷わず入りました。

やたらモダンな看板

せいろ」、高知2軒目です。うな丼特B(鰻3/4)のご飯半分にビール。これから呑みますから軽めです。ビールは連続でアサヒスーパードライ。キリンとアサヒが拮抗している街のような雰囲気です。外からの風が涼しい昼酒。鰻はバリッバリの好きな感じ。ただし、ニトロ持ちとしてはちょっと塩味強め。旨いやあ。そういうと、旅先ではよく鰻を食べています。

鰻3/4です。

丸吉食堂」、高知3軒目。まあ、この食堂に出逢えただけでこの旅はもう満足だというレベルの素晴らしい食堂です。ひろめ市場呑みが馴染めそうもないので、周辺の路地を1つ1つ地道に散策していたところ、古美術商と刃物屋が並ぶエリアから小路に入り、駐車場の奥にちらりと看板らしきものが見えます。それがこの食堂です。店にかかる暖簾は比較的新しそうだけど、かなり中は渋そう。もろにランチ時なので、食事使いの人に迷惑がかからないように、鰻を食べてから再訪しました。

丸吉食堂と呼んでいいのかな

勇気を出して入ったら、その時点では先客なし。白波が大量に目に飛び込みます。

白波の大群がお出迎え

そして、作り置きメニューは好きに取れるんだけど、なんか出窓見たいな素晴らしいところに置いてあるんだよ。外から見るとまるでショールーム。これ凄い、見たことない。本当に素敵。それにしても、食堂呑みは素晴しい。

出窓にアテが並ぶのです。初めて見る光景。

ラーメンや豚汁などオーダーする料理もあるけど、鰻を食べたので満腹が悔しい。小上りもあるし、奥には座敷もあるみたい。店中ペナントにまみれています。いずれも高校野球の奴なので何か関係ありそう。後から来た人がラーメンを頼んで、おでんの牛すじらしきものをラーメンに投入して食べてます。めちゃめちゃ羨ましいです。絶対に、いつかこれをやりたい。

アサヒ⇒アサヒ⇒キリン

チェックイン前に高知の中心部を歩いていて、攻め甲斐のありそうな横丁を3つ見つけました。そして、少し仕事をしてからの夕暮れ時、3つの横丁の中では一番ホテルから遠い、天神橋通に入っですぐの右側の魅力的な横丁に戻ってきました。ここ横丁としての名前はないみたいですが、絶対にいい酒場があるよという感じの横丁です。

名前が見つからなかった横丁

で、一軒のお店から出てきた店員さんと目があったので、まずそこに吸い込まれます。「田舎家」、高知4軒目です。キリンラガーからいきます。これで、キリンvsアサヒは、2対2のイーブンになりました。カウンターに並ぶ大皿から選んで、目の前に小鉢が並ぶというスタイルみたいです。まずは鳥モツを注文。硬くて旨い。キンカンの硬さも素敵。これは凄い。こんな素晴らしい食感の鳥モツは始めてだ。そして親鶏とごぼうも追加オーダー。高知はどうやら親鶏文化みたいです。

小鉢がもう少し小さければたくさん食べられるのだけど、とにかくどっちも旨い

3つ目は高知に来たならこれを食べなといわれて、りゅうきゅうの酢の物を食べます。りゅうきゅうとはハスイモの茎だとか。アジと一緒に出て来ますが、果てしなくシャキシャキした食感で旨い。この酒場、店に入った時から気になっていたのですが、厨房が2つある不思議なレイアウトなのです。どうしてなのかなと聞いてみたら、もともと別々の酒場を1つにしたそうです。魅力的なネーミングのメニューも多くて複数人で来た方が楽しい酒場かも。小鉢の量が多いのです。類さんのサインがありました。さすがです。よい酒場でした。3品で次に行きます。

りゅうきゅう、なかなか独独の食感で旨い

田舎家のある名前のわからない横丁でもう1軒行きます。いろいろ面白い酒場はあるけど。惹かれたのはだんとつでここです。一番隅っこにあります。もうね、外から良い酒場だとわかる。昼間から気になっていました。「ひさご」、高知5軒目です。

酒が適度に入っているので気負いなく入れます

まずはお酒を聞かれたので、土佐鶴の燗。カウンターのおでん屋です。本当にいい空気感。最初は、牛スジと蛸を頼みます。蛸がえらい旨い。

1つひとつが大きいのです

おでんメニューに天麩羅があるので聞いてみたら、ここらではいわゆる○○天を天麩羅というとか。ということで、ごぼう天とカレーボールを追加します。土佐鶴燗も追加。簀巻きって知ってます?ほかの酒場でも普通にありました。

これ観て呑める奴

そしてお隣さんが頼んだ世界一でかいシイタケのおでん、多分。エノキも凄い感じ。お母様の時代から70年続く酒場だそうです。やっぱり、女将1人酒場のおでん屋は間違いありません。もう食べられそうにないので、他のお客様にお先に失礼しますといって退出します。

お隣が食べていたのは手前左のしいたけです。もう満腹なので無理でした

さあ、かなり酔ってから昼間から気になっていたホテルの近くの横丁に戻って来ました。高知55番街。十字に横丁が構成されているのです。意味がわかりますでしょうか。

魅力的過ぎる十字横丁

もはや、満腹なのでバーにしか入れません。名前に惹かれて「バーコタツ」という酒場に入ります。高知6軒目です。

果たして炬燵はあるか

入ってみたら、やはりコタツはありません。普通にバーでした。目の前のバックバーのグラッパが気になったのでしょうか、いきなりグラッパの写真が残っています。グラッパで胃の中の消化が進みます。

どうも最近、気づいたらグラッパ呑んでることが多い

次は文旦のカクテルをお願いしました。これは明確に記憶があります。あかしという日本酒蔵が創っているというジャパニーズウイスキーがベース。すっごくひっかかりのないウイスキーだったような気がします。なかなかいい感じに癖があって楽しいマスターが営むバーです。近所にあったら行きますね。

文旦はぼんたんと違うんだよね

少し小腹が空いてきました。安兵衛の恵比寿の店はいつも混んでますね。特に場所は調べなかったけど、市内に何店かあると聞いていたので、歩いていればどこかで出会うだろうと思っていました。この日、ここまで街を歩いていたら他の安兵衛を2軒見つけたけど、いずれもあまり惹かれませんでした。なので、〆に餃子を食べようと思って、検索して調べて本店らしきところに来てみました。来てよかったです。ここは凄い、圧巻です。ほかの2軒に入らなくてよかった。ということで、「屋台安兵衛」、高知7軒目です。

無意識に提灯は写真に撮っている
雰囲気伝わらない。裏からの写真だし。まあ、酔っ払いです。

屋台のカウンターがはるか先まで40席くらい並び、立ち飲み席では職場呑みの皆さんが盛り上がっています。お祭り状態です。凄い場です。餃子は作り置きではなく、分業で次々と作られています。

今日のアサヒ対キリンは、アサヒの3勝2敗
とにかく作りまくっています

本当に見惚れます。ラーメンもいきたかったのですが、無理です。ビールはアサヒ。なんせ7軒目ですから。さあ、帰るか。

よく寄ったものだ

もう何も食べられない、グラス一杯のワイン以上は呑めないと思っていたら、グラス1杯を呑ませるワインバーがあったので、否定するまでもないので〆に入りました。「ワインの酒場」という名前だったようです。外部記憶には残っているけど、もうよくわかりません。高知で何店か外食をしている会社の経営だとバイト君に聞いたような気がします。長くて楽しい初日が終わります。高知、8軒目。写真、わけがわかりませんね。

はりまや橋を渡ってホテルに帰ります

住むように呑む、高知滞在2日目です。前の日は8軒飲み歩きました。まずは昼食がてら、すでに歩きなれた高知55番街にある間借りのカレー屋に来ました。昨日来たバーコタツの向かい側です。惜しまれつつ閉店したカレー屋が、素敵なストーリーで復活したという新聞記事を読みながら待ちます。新聞に載っているご店主がカウンターの向こう側でカレーを作ってくれています。

新聞を読み込むと、さらにカレーが美味しくなります

ああ、いい店にきました。ありがたい。そして店名通りに11時からやってくれているのも嬉しい。呑み過ぎで、朝食はほぼなしです。オーダーはカツとオムカレーを欲張りしました。結果、いい感じのボリウムになりました。ナイフで切れ目を入れて開くタイプのおしゃれなオムレツなのですが、マスターが直々席まで来てオムレツの開き方を教えてくれます。ずっとあり続けて欲しいカレー屋です。そして、やはりこの手のカレーにはハートランドが似合うのです。ハートランドもキリンなので、これでキリン対アサヒは、3勝3敗のイーブンです。「十一屋」、高知9軒目、本日1軒目です。

カツもボリウムたっぷり、かなりお腹に響きました

夕方のそこそこの時間になり、まじめに梯子酒を始めることにします。前の日に歩いていたときにチェックした酒場ですが、はりまや橋商店街にいい感じの小さな食堂酒場があるのです。「うさぎ食堂」。高知10軒目、本日2軒目です。

小さい酒場に見えるけど、奥行きがあります

ここ、ほんとにいい感じなんです。間口はかなり狭いけど、中に入ってみるとカウンター席が奥まで続き、そのさらに先に厨房があります。

ずーっと奥までカウンターが続きます

そんなに古くはないけど、お客様同士は和気あいあい。食堂呑みならでわの豊富なメニューです。ビールはやめておいて、土佐鶴の燗にウツボ唐揚げを頼みます。昼のカレーがまだ胃にもたれている感じです。そして、次々と常連さんが入ってきて、あっという間に満席になります。

この度では土佐鶴にとてもお世話になりました

みんな仲間のような雰囲気です。お客様もこの食堂を愛しているのがわかってとても素敵です。短時間ですが仲間に入れていただきます。近所に欲しい酒場、いや食堂です。まじでそう思いました。というより、高知まるごと東京に来ないかな。ちなみにこの食堂、いろいろなところにウサギがいます。

ここにもウサギが

昼のカレーが美味しく重かったのか、なかなか空腹になりそうもないので、かなり歩くことにします。さらに市内の土地勘が高まりました。そして、昨日から気になっていて昨日は来れなかったもう1つの横丁「おびや町横丁」にきて、ここのぐっと奥にある酒場に入りました。この横丁にもいろいろと魅力的な酒場がありましたが、中でも外観・店名等からここが断トツで吸引力があったので吸い込まれます。「たに志」。高知11軒目、本日3軒目です。「家庭料理、お茶漬けの店」です。

いい看板です。提灯もよかったです。

中に入るとカウンターには大皿料理とおでんが並びます。大皿料理の中で1番肉々しいのを頼みます。メニューの名前を聞くと「肉」と返ってきます。確かに肉でした。スペアリブの甘辛味の奴です。ビールが進むヤバい奴です。ここではキリン。これでキリン対アサヒは、4対3でキリンが逆転しました。ハートランドが1軒入っていますが。

「肉」、食べました

ビールのあとは、土佐鶴の燗酒とおでんに進みます。日本酒は土佐鶴が3連勝です。おでんに簀巻なるものがあるのは昨晩も聞いたけど、高知の独自食なのでしょうか。

色の濃い簀巻です。

聴くとこの酒場、深夜2時半までやっているとか。そんな時間まで呑んでると、お茶漬けが食べたくなるんだろうなと素直に思います。そしておばあちゃん優しいです。近所に欲しいな。

ちょっと腹がふくらんだので、とりあえずは食べないですむタイプの酒場を探そうと思い、街中を歩きます。外の看板にギネスパブとあるので、ギネスでも1杯呑むかなと思って入ったら、しっかりとしたオーセンティックなバーでした。

看板には、ギネスパブとあります。

ギネスでもパブでもありません。その代わりなかなか素晴らしいバーです。早い時間なのでそんな場を独占します。「バー・フランソワ」。高知12軒目、本日4軒目です。

ギネス1杯のつもりが、3杯呑んでますね

ギネスは大昔の看板を残しているのだそうです。目の前にあったSCAPAを水割りでいただきました。2杯目は、ジントニックにします。2015年の写真に創業50年と書いてあるので1965年創業の酒場です。そして、ここの男性用トイレが凄いのです。そうそう、トイレってこれでいいんだよなと思いました。廃マーク商品だそうですが、TOTOさん是非とも復活させて下さい。

これ、ほんとに旨かった

3杯目はジンベースのショートをお願いします。蜂蜜と金柑。これが踊り出したくなるくらいうまかったです。元気百倍になって街に戻ります。次はどんな酒場に出逢えるかな。また、あまり食べられそうにありません。

こんな外装

そして、またしても55番街に戻ってきました。次は立ち飲みのビアバーです。「KOCHI BEER LABORATORY」、高知13軒目、本日5軒目です。高知って凄いな、あらゆる業態の素敵な酒場があります。タップに志賀高原のIPAがあったので、条件反射的にまずはそれを頼みます。それから高知のビールがあるのに気付き、山本麦酒の白煙というのを頼みます。名前通りのテイストでした。

いい空気感です

なんかとっても店名どおりのLABORATORYな内装の酒場。素敵なオーナーにお客様に満ちています。高知の人は楽しいですね。近くに欲しいタイプの立ち飲み酒場です。たまたまですが、その時のお客様は皆さん移住者でした。高知は凄いな。

倒してしまわないか、酔っ払いには少し不安なグラス

もはや、はっきりとは訪問した記憶がないのですが、外部記憶はしっかりと覚えてくれています。「呑兵衛屋台」、高知14軒目、本日6軒目です。ラーメンは1食目ですね。

心惹かれますね

写真を見ると少しずつ記憶が戻ってきます。瓶ビールとしじみラーメンが外部記憶には明確に映っていました。ピールはスーパードライなので、これでアサヒ対キリンは4対4のイーブンになりました。拮抗していますね。さて、最後はどちらが勝利することになるのでしょうか。このラーメン家は多分、倉嶋さんが泥酔して屋台安兵衛に戻れずに訪れたラーメン屋ではないかと推察されます。前日に存在を確認していましたが餃子で満腹だったので見送りましたが、この日は少しだけ胃袋に余裕があったので立ち寄ったのでしょう。で、しじみラーメンを食べています。後客の皆さんほとんど同じものを頼んでいたように思います。これだけしじみを補充しておけば、私の肝臓はもう大丈夫でしょう。

しじみたっぷり、朝にも食べたい

2日目はこれでおしまいです。ラーメンの話ですが、街を歩いていて「鍋焼きラーメン」というのが高知名物だと知ります。また、酒場で出会った人から「味噌カツラーメン」も高知名物だと聞きました。この2つは絶対に食べないといけません。「鍋焼きラーメン」は須崎という街が発祥で、高知市からはそう遠くはないそうです。翌日は完全オフなので、そろそろ鉄路に乗って移動しつつ呑むというのをやってみようかと思います。ということで、この旅のレポートはまだまだ続いてしまいます。
すみません。後半に続きます


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