- 運営しているクリエイター
2022年8月の記事一覧
短歌を食べる(10首)
短歌を食べる 丸田洋渡
初めましての二十分後に煮卵と海老天がそれぞれに届いた
推されたい 怖 立ち食いのざる蕎麦は自分のせいだけど不味かった
ひとりにつき名歌はせいぜい七くらい ねぎトロ丼にねぎは不可欠
食べるシーンが遅くて長い もし映画館で観たなら発狂は確実
友だちCが謝りながら舐めている酢醤油に辣油の紅い海
この数に対して人が一人では満足しないだろうゾンビも
詠むことは世界を
Invasion Patterns (50首)
新作の短歌連作です。
────────
Invasion Patterns 丸田洋渡
震えの水 矯正された子どもなら十年後には結果が分かる
インターホンを覗くべきでは無かったと思ったんだったんだったんだ
/
(囚人の好きだった)金木犀の北限について調べている。
ダムを見に来た それ以外することはない あってはならないとさえ思った
霧の都市で霧の恋愛していたい左ウィンカー