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絵本のある子育て③ ママの困りごと・読み聞かせ編


「どうしたら、うまく読み聞かせができるんだろう…」

20年前、当時1歳の長男に読み聞かせを始めたころ、
わたしのひざに座って聞いてくれないし、すぐ飽きておもちゃで遊び始めるし…。絵本に全く興味を示さない息子にイライラしていました。

それだけではありません。
第一子だったということもあり、子育て全般に自信がなくて「これでいいのかなぁ」と毎日感じていました。仕事も子育ても一生懸命やりたい、けれど上手くいかずに焦ってばかり…「いったいどうしたらいいの?」と途方に暮れていました。

当時、わたしを支えてくれたのは、息子が通っていた保育園の先生やママ友の存在。子育ての悩みを共感しあえることは、とても意味のある時間だとわかり、子育ての閉塞感や孤独感もなくなってアドバイスも自然とポジティブに受け止めることができました。


いつも、つらいことからすぐに逃げてしまう自分の性格をちょっとだけ意識して「継続」してやってみる。やってみると息子の変化に気づけて喜べるようになり、少しずつ子育てが楽しくなってきました。

このころから、育児書を読んだり、講演会に参加するなど「子育て」について学び始めました。また、保育園や小学校で16年間勤務した経験から、子育て中のママから相談を受けることが増えてきました。

この記事は、わたしが保育園の育児サークルに参加し、0歳から3歳のお子さんをもつママからお聞きした「絵本の読み聞かせに関する悩み」の中から、特に多かった3つを取り上げました。わたしの子育ての実体験と合わせて紹介しています。子どもとどのように向き合っているか、是非のぞいてみてください。


読み終わった後、自分の子育てに自信がなかったママが「わたしにもできそう」「これで良かったんだ」と気持ちが楽になって、少しでも安心していただけるとうれしいです。



1.【2歳のおんなの子のママ】反応がない…楽しくないのかなぁ?


お子さんのために頑張って読み聞かせしようとするママ。けれど、子どもが無反応だと「えっ、楽しくないの?」と虚しく感じることがありませんか?


わたしがそうでした。


一度くじけてしまうと、どんどん絵本から離れてしまって、ずっと本棚に飾ってあるだけ…できれば避けたいですよね。


そんなときは、やり方を少し変えてみることをオススメします。


早起きして読んでもいいし、寝る前に読んでも、いつ読んでもいい。1日1回だったのを2日に1回にしてもいい。大切なのは「継続すること」と、子どもの反応を「ちょっと待つこと」です。


わかりやすいリアクションをする子もいれば、中にはわかりにくい子もいます。反応や表現の仕方は個性もありますし、何より「子どもの自由」だと感じています。


息子が全くおひざに座ってくれなくてウロウロしていたときに、途中でお話を止めてみたことがありました。すると「おわったの?」という顔をして振り返ってわたしを見たのです。「わたしの声はしっかりと届いていたんだなぁ」とわかると胸がいっぱいになりました。


笑った!
手を伸ばした!
お口がもぞもぞ動いてる!


ちいさな反応だったとしても、この瞬間を目撃できたらとても嬉しくて喜びに変わりますね。

ママが読み聞かせに対してストレスを感じないこと。

親子でいっしょに過ごす時間が一番幸せです。


2.【0歳・1歳のおとこの子のママ】絵本をよごしたり、やぶったり…どうしたらいい?



ひとりすわりができるようになったころ。息子は絵本を手に取り、口に近づけ、なめたり、噛んだり…おもちゃのように遊んで、やぶってしまうことが何度もあって「絵本が汚れたり傷んだりするの、イヤだなぁ」と思っていました。

実は、
この行動は、赤ちゃんの発達と深く関係していることなんです。

絵本を口にするのは成長の一過程でほんのいっとき。気づいたら口に持っていかなくなっています。絵本がこどもの身近にあることが一番なんですよ。特に赤ちゃんは、視覚や聴覚だけでなく、全身の感覚をつかって絵本を楽しんでいます。触ってみて、やぶれそうならばやぶり、たたいてみていい音がすれば何度もたたく。そうやって感覚的に絵本を味わっている大切な時期なんです。このことを知れば、少し安心できますよね。

絵本を絵本と認識できる前段階の本として「ボードブック」という本があります。通常の絵本よりも厚い紙をさらに貼り合わせ、表面は水に強く、汚れがつきにくい加工がされています。赤ちゃんが持ちやすいサイズになっていたりと、安全と長持ちのために工夫がされています。是非、手に取って確かめていただきたいです。

たとえ、絵本がやぶれてもテープでしっかりと修理をすれば大丈夫。わが家の本は、修理したあとが残っている絵本がたくさんあります。「なめちゃダメ」「やぶっちゃダメ」と制限が多いと、子どもの絵本への親しみが薄れてきますね。
注意をするより、「いいんだよ」とママがこころに余裕をもって見守ってあげることが大切です。


絵本はどれだけ使ったかで価値が上がります。
なおしたあとのある絵本は、親子の愛情の証です。

わたしと息子の愛情の証


3.【3歳のおとこの子のママ】おなじ絵本ばかり読んでいます…いろんな本を読んだ方がいい?


これも、多くのママから聞く悩みです。


同じ本を何度読んでも大丈夫ですよ。」
毎日でも。1日に2回でも3回でも…
わたしは、ママにこの言葉を送ります。

えー!と思ったママがたくさんいらっしゃると思います。
もちろん、「ママの無理のない範囲で」で大丈夫です。



同じ絵本をくりかえし読むことによって、さらに豊かなこころが育つと思います。子どもの感性は豊かです。わが子の読み聞かせを通じて感じたことなのですが、読むたびに「今日はどんなお話かなぁ」と、『前回とは違う物語を体験できるかもしれない』と期待することがありました。大人には想像しがたい気持ちですが、このような子どもの気持ちを知っていると、同じ本を何度も読んでもらいたいとお願いされても「この絵本はもう知っているでしょ」とは言わなくなりますね。



お子さんが何度もくりかえし「読んで!」と気に入っている絵本は、是非、何度も読んであげてほしいです。その1冊が親子の宝物になります。



もしチャンスがあれば「どうしてこの本を何度も読みたいの?」とお子さんに聞いてみるといいかもしれません。どんな言葉が返ってくるのか、楽しみですね。

子どものこだわりにも、いっしょに目いっぱい楽しみましょう。


4.おわりに


わたしは、これからも子どもたちに「たくさん絵本に触れてほしい」と願っています。それは、絵本に触れることが「こころを育てること」に繋がると思うからです。


絵本を読んで育った子どもは、うれしいこと、悲しいこと、つらいことをきちんと受け止められる、強くて深いこころを持っていると実感しています。


絵本のある子育てとない子育て。
選ぶことができるなら、わたしは迷わずに絵本のある子育てを生きたいし、もっともっとたくさんの絵本を子どもたちに届けたい。


これからも親子の時間を楽しんでほしい。
そして「読み聞かせしてよかった」と感じる瞬間にたくさん出会えますように、と願っています。

わたしも子育ての途中。みなさんと同じです。
いっしょに子育てを楽しみましょう!


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