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AI vs 教科書が読めない子どもたち

「AI vs 教科書が読めない子どもたち」という以前からとても気になっていた本を読んだメモを残します。



AIにとって、日本史や世界史の単語を覚えるのは赤子の手をひねるようなこと。しかし、教科書が読めない。
→これは日本の教育も同じである!

AIに多くの仕事が代替されても、人間にしかできない仕事がある、また、新しく生まれる。そう思っていても、実際には多くの失業者で溢れAI恐慌の嵐に晒される。と筆者は思い描いている。
→実際に、チャップリンの時代に同じようなことが起こっていた。ベルトコンベアの導入で工場がオートメーション化する一方、事務作業が増えホワイトカラーと呼ばれる新しい仕事が生まれたのに、多くの人はこの教育を受けていなかったから失業した。


この本では「東大ロボくんプロジェクト」に参加した筆者だからこその「なせAIは〇〇できるのか?」という、自分の力で考えて調べてみても全くわかりそうにない難しいことがわかりやすく書かれてる。

AIは意味が理解できない。
だから、
作曲や絵画や文章の分野でAIがすごい形跡を残す!という人もいるが筆者にとってはそれは理解しがたいこと。


文章の意味の理解ができなくなってきているのは、中高生もそう。

教授にアンケート
→学生と話していて論理的に話が通じないと感じることが増えた。が多かった

様々な問題の正答率を通じて
→どこの大学に入学できるかは学習量でも知識でも運でもない、論理的な読解と推測の力なのではないか。

なにが、読解力を決定するのか
→読書量、生活習慣、学習習慣、スマホを使う頻度、色々調べたが、目立った特徴がなかった。
こうすれば上がる。と言える因子が見つかっていない

教科書を読めるようにする教育を!
「一に読解、二に読解、三、四は遊びで、五に算数」

表層的理解はできるけど、推論や同義分判定などふかいどっかいができないばあい、文章を読むのは苦ではないのに中身はほとんど理解できていないということが起こり得る。
コピペでレポートを書いたり、ドリルと暗記で定期テストを乗り切ることもできる
けれども、レポートの意味やテストの意味は理解できない
→これはAIに似ている!
→つまり、AIに代替されやすい能力

AIに代替されない人材
→意味を理解する能力
ドリル学習よりも、教科書を読み、理解して解く学習。

最近流行りの「アクティブ•ラーニング」(先生の一方的な講義ではなく学修者が積極的に参加する学習法)
魅力的に聞こえる?だけど、教科書に書いてあることが理解できない学生がどのように自ら調べることができる?

英語、プログラミングよりも、まず読解力。

いくつになっても読解力は養える。

人間にしかできないことを考え、実行に移していくことが、私たちが生き延びる唯一の道。



感想


私は高校受験や大学受験、そういったイベントがあるたびに「なんで小さい時から英語を習わせてくれなかったんだ!」といつも両親に怒っていた。

私が小学一年生から三年生まで通っていた塾の先生から、まずは何をやるにも、国語。ふたつもやっちゃうと、どっちつかずになる。と言われたから、結果、塾のみ。となったのだが、この本を読んで、その時通っていた塾の方針の正しさに驚いた。

塾では、毎週、ほぼ全部の時間、国語をしていた。そしてたまに算数の文章問題。

おかげで私は、不勉強な生徒だったにも関わらず成績がとても良かった。

私が転校したせいで、その塾には三年しか通わなかったが、そのとき教えてくれていた先生とは今でもつながっている。

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