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読書記録|アダム・ハート=デイヴィス 『パブロフの犬 実験でたどる心理学の歴史』

読了日:2024年3月31日

 「心理学」の起こりから現代に至る発展を、歴史の流れとともにたどる。蘊蓄を述べるというよりも、これまでに行われたメジャーな実験を淡々と紹介していく内容となっているため、心理学に少しでも触れたことがある方には、既知な部分は少々退屈な部分があるかもしれない。その場合はその項目を飛ばして読んでもいと思う。逆に、これまであまり心理学を知る機会がなかった方にとっては、堅苦しくなく読める上に、身の回りに思いを巡らし「ああ、これってあのことかぁ」という発見もあって楽しめるかもしれない。巻末に簡単な用語解説もある。
 いずれにしても、心理学実験の総集編、お浚い版的なものとして手元に置いておいても良いのではなかろうか。

 翻訳された本独特の言葉の回し方に少し違和感を持つところが幾つかあったが、最後のページの謝辞で著者が「執筆してる間、人間の心理的性質についても多くを学ぶことができ、楽しく執筆できた」と書いているのを読んでちょっとほっこりしたので、違和感については私の中で帳消しにしておいた(笑)

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