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国際結婚の考察(主に日本/台湾)

前回の記事からの予告通り国際結婚について少し書いてみる。

そもそも結婚ってメリット・デメリットでするもんなの?相手のこと好きであればそんなんどうでもよくね?とか、そもそものそもそもとして結婚そのものが必要なくね?という意見もとても理解できます。

ただ今回この記事はぼくが見てきた感じてきた過去及び現在進行形の国際結婚の現状を思い付きで羅列してみるので、誰かにとってなにかの参考になればと思ったりする。

コミュニケーション

一般的に言葉の壁はよく言われるところです。どちらか一方の母語での会話か英語等の第三言語で会話となるのでひとつのハードルです。こちらの母語で会話するのであればこちらが言葉に関しては寛容にならないといけないと思う。逆もまたしかり。

うちの場合は言語的問題は特にありません。僕は日中英実用レベル程度できますし、嫁は中英台日くらいの順番で全てネイティブ~準ネイティブでして、一番下手なはずの日本語ですらN1(日本語検定1級)、日本人女子高生と話しているくらいの発音なので言語的な壁は皆無です。

むしろ過去に付き合った日本人女性のほうが「本音をはっきりと言わない」という傾向があり、結局なにに不満があったか理解できないまま終わったことも多々あったことを考えると、妻にも当てはまる「台湾女子のなんでもストレートに話す」傾向は女心の理解に苦しむアホなぼくにはありがたかったし、結果的にぼくの場合はコミュニケーションでいうと日本人同士よりも良好だと思う。

ただし、めんどくさいのは妻が発音マニアであること。イギリスで言語学の学位取ってきただけあって、語学力にプライド持ってて、発音にうるさくてめんどくせーなと思うことはある。。。(→よく指摘される人) 

食事が合わない

これは切実だったりする。
どちらか一方が相手の国か二人とも第三国に住むわけですが、食の好みって大事。僕は基本的に日本食か洋食を好み、台湾料理は避ける派なんです。

台湾料理って一部美味しいものもあるのは認めるとしてしても、僕の経験上と好みの問題ってのはあるんですがハズレが多いんですよね。僕は台湾人が並んでる店は自分ではまず入らない。味の感覚が異なるのを知っているから。

であれば、美味しい台湾料理だけ把握してそれを狙えばいいじゃんって言われそうですが、お客様として旅行だけとかならまだしも、台湾人と生活するということは自分の好みだけを常に通すってのは無理だ。

台湾で仕事してれば台湾人の同僚やらお客さんとメシにいくこともあるし、台湾人と結婚したら義理家族が作ったメシを食べないといけない。

海外で食べる日本食(に限らず輸入が必要なもの)は日本で食べるよりも高いです。

一般的に台湾人女性は料理しない/できない人が多い。外食文化、共働きが多いからというのが背景だ。

うちの嫁は専業主婦だし自分で料理するのが好きな少数派な台女なので、感謝しないといけない。たけど僕が台北的な味付けが苦手であることが問題で、妻が自分用にダイエット料理と子供用の食事を別々に作っているところ、僕のために濃い味の食事を同時に3食作るのは疲れてしまったようで、僕の食事はだいたい勝手に外で済ませている。。。

台湾メシも舌に合う人であれば適性があると思う。

性格

どの項目も「人による」の一言で片づけることもできるのだが、一般的に台湾人女性は気が強く、男は優しいと言われている。

でも逆のケースもたまに見かけるのでステレオタイプに気を付けて一定期間は様子見しておいたほうがいいかも。

台湾人は男女問わず自分のことを情熱的と表現することも多々あるが、男の場合それが冷めたときは「釣った魚にエサをやらない男」が完成するし、日本人的感覚だと男女問わずストーカーっ気がある人が多い気がする。

うちの嫁は自分は怒りっぽい性格だと言っていたが、台湾人男に対してはそうだったのかもしれないが、僕の前で怒ることは少ないほうだと思う。むしろうちの嫁は気が弱い。でも冷蔵庫の中にあった嫁が好きな食べ物を食べてしまったら急に怒鳴られてのにはびびったが。。。嫁曰く、「普段怒りたいのたくさん我慢してるから小さいことくらい怒れるときに怒りたい」だそうだ。。。

ただ、僕はその昔「香港女」という世界で最もキツイ相手と対峙したことがあるので、台湾人女性は総じて優しいと感じるし、嫁にも忍耐強く見守ってもらっていると思う。巷でよく言われる公主病(お姫様病)もぜんぜんかわいいものだと思う。

アイデンティティー

これは日本人にはあまり理解しづらいかもしれないが、台湾人のほとんどはアイデンティティークライシスを起こした経験があると思う。世界的に台湾が国として弱い立場であること、台湾内でも幼少期から自分は中華民国人か台湾人かみたいなことを迫られることが多かったからだと思う。

そういうしがらみから逃げるために海外にでたり、国際結婚して別の国籍や永住権を取得してる人が多いのかも。

特に日本人女性は台湾人男からめっちゃアプローチされてるのを目撃したことがあるが、だからこそ少し立ち止まって、いま目の前の台湾人は自分が外国人だから仲良くなりたいのかとか、自分が外国人だから結婚したいのかを考えてみてほしい。国籍/永住権とか台湾脱出狙いでこちらに近づいていると感じてしまうと冷めるので。

義理の家族との付き合い

これは別途ひとつの記事ができるくらいの分量にもできるのだが、結構大変だ。付き合うだけと結婚が別物と言われる所以はこれに尽きる。結婚は個人と個人ではなく、家族と家族という意識が強いし、イベントなどことあるごとに顔を合わせる頻度が多い。

相手が日本人だろうと欧米人であろうと義理の家族は重要事項ではあるものの、これは特に日本以外のアジアでは要注意事項だ。

台湾外に住んでいたら義理の家族と会う頻度が少ない言い訳ができるが、台湾に住むなら不可避である。義家族となる相手方の親は最低限知っておく必要がある。

台湾家族はかなりの確率で干渉してくるのでそれに負けてしまう例も多々ある。特に嫁・姑問題かな。

僭越ながら僕からひとつだけアドバイスをするのであれば「義理の家族と同居するな」である。台湾人男と結婚する98%以上の日本人女性は専業主婦ではなく、義家族同居を避けるために働く必要がある。

うちの義家族は車で40~50分程度の距離に住んでいる。少し昔であれば子育ては義理の家族に頼っていることが一般的だったようだが、台湾も高齢化社会でリタイヤが先延ばしとなったため子供を預けることはほとんどない。

あと、相手が今20代後半から30代前半くらいだとすると台湾人の親の世代は50代後半~60代前半くらいが多いと思う。その世代の台湾人は兄弟姉妹がたくさんいる。嫁のお父さんは6人兄弟だし、お母さんは(元々6人、一人早死にして)5人兄弟姉妹なので、さらに従姉とかも無限にいて名前も覚えるのきつい。

嫁の従姉は国際結婚率高くて、ベトナム人女性、オーストラリア在住のスリランカ人難民もいるし、LGBTもいるので多様性があるのは面白かったりする。めっちゃ多様性のある遠い親戚がたくさんできた。

騙されたわけではないはずだが、語学堪能なのは嫁だけで、嫁の一族は英語も(もちろん日本語も)まるっきりだめな割合が高く、僕が嫁の一族と会話する場合は中国語が必須だ。

お金の価値観

これも個人差が大きい。いつの時代もどこの世界でもお金の価値観は大事なファクターではあると思うが、比較的台湾人はお金のことは気にせずに、もしくは優先順位が高くなく相手とくっつく傾向があるように思う。一般的にひとりあたりの収入は低いのでカップルで助け合うという意識が強いのかなと思う。共働きが大多数。

昔、他の途上国の相手だと日本人は金持ちと見做されて結婚相手の家族が常におすそ分けを要求してくるというのをよく耳にしていたが台湾ではそれは感じないし聞いたこともない。

ぼくが台湾にきてから1年間は語学学生をやっていたので無収入だったわけだがその間に嫁に出会った。基本的にデート代はこちらで払おうとしてたがお断りされてむこうから割り勘を提案されることも多かった。当時、台湾で働くなら給料低いと思うけど二人で働けばどうにかなるよ、と今の嫁から言われた。

男女間で圧倒的な収入の差が明らかでない限り、男が払って当たり前のような風潮は台湾人女性から感じたことない。奢り奢られ論争もほとんど聞いたことない。

例外として、駐在員で超一流企業の部長(当時独身)からの依頼でうちの嫁の友達繋がりで独身の女の子と食事の機会をセッティングしたことがあったが、会計の際に伝票を見ながらどうしようかなぁと優柔不断なしぐさをみせたのでこちらから男で割り勘を提案したことがある。それは流石に「自分から紹介依頼して、流石にあの行動はないね。稼いでるのにカッコ悪い。」という台湾女性からの生のコメントはあった。一般台湾女性の2桁倍稼いでるでしょうに。ちなみに、その人は翌年に20歳年下の別の台湾人女性と結婚して別の国へ横異動となった。

台湾人女性の同僚から「あの案件うまくいったから昇進できたから今度ランチ私に奢らせて」みたいなのも結構あるので、女性が強いと言われている社会は女性が稼いでる。なので台湾女性は男にとって金銭的に優しい側面もある。

逆に時折見かける例は日本人女性が専業主婦として台湾に嫁いできて、台湾人夫と家族が働けとプレッシャーをかけつづけ、でも台湾で働く自信がない日女が重圧に耐えられなくなるケースである。日本人女性が台湾人男性と結婚するなら95%(感覚値)は共働きとなることを覚悟したほうがいい。基本的に女性は働いて一定の稼ぎがあることを期待されているのが台湾社会なのである。

くっつくときはあまりお金にこだわらないが、くっついたあと極端にお金がないと揉めるケースだ。

日男台女カップルの場合、男の給料のxx%を女に上納して台女が生活費を管理しているケースが散見される。

うちの場合は台湾在住で台女専業主婦なので少数派ではあるのだが、妻が芸術系の人なので自分のキャリアとかお金のことを気にせず慎ましい生活ができればいい人だけだったりする。

結婚

上記の問題がクリアできて結婚に進むとする。
結婚はそれそのものだけで大変だけど、国際結婚だと2か国での婚姻届け提出と結婚式なのでさらにやることは増える。あと、国際結婚特有の手続き、台湾文化特有のイベントなどもある。結婚したのは6年ほど前なので記憶が定かでないこともあるが注意事項を下記に挙げる。

  • 結婚記念写真撮影

  • 式場&クッキー選び

  • 派手な車の手配

  • 訂婚(婚約式/台湾式)

  • 闖關 [ chuǎng guān ]

  • 婚禮(結婚式/洋式)

  • 結納金

結婚式の記念写真撮影は丸一日がかり、早朝7時にスタジオ集合で衣装の着付け、メイクアップで室内撮影、その後屋外に移動して写真を撮りまくる。僕らの場合は陽明山の森の中と花畑、台北市内に戻って公園のカジュアルショットなどを終えて、19時頃解散だった。ざっくり予算4万~8万元。写真ができたら結婚式の招待状を作る。

式場を選び、参加人数が決まったら引き出物としてクッキーを予約する。予算400~600元/箱。ブライダル業界は結構高いので交渉が必要。式場は10人掛けテーブル数によった。1テーブル20,000元とかだったはず。32テーブルだったから64万元+アルファ。うん、そんなもんだった。

ここまでの分の費用はだいたいご祝儀で差し引きゼロに近くなったが、日本でも2次会パーティーとしてやる嫁の家族全員分の旅費とか含めると流石に結構赤字となる。かつ、国際結婚の盲点且つ時限爆弾的な赤字要素があるがここではただの文句になるだけなので伏せておく。

式の当日朝いちは新郎は男友達を引き連れて派手な車で登場するしきたりになっている。会社など派手な車を持っている友人に事前に頼んでその役をやってもらうことになる。のちの「闖關」のために新郎は3~4人男友達を、新婦も同様に女友達を集めて事前にチームを作る。

訂婚(婚約式)は当日の午前に家族と親友のみでこじんまりと行った。台湾の伝統的な式だと理解すればいいと思う。贈り物の交換とか形だけおこなった。

あと、台湾の古い慣習では結納金を「大包」(50万元)とか新婦の親が要求してくることがあるようだが、現代では絶対的でなく、家族によるそうだ。

訂婚のあとに新婦が衣装替えを行っている間に、「闖關」の用意にうつる。「闖關」とは上手い日本語訳が見つからなかったが、「試練の突破ゲーム」である。結婚とは困難を乗り越えてするものであるからだそうだ。

新郎とその男友達チームが(着付けをしている)新婦を迎えに行く手を新婦の友人チームが無理難題を押し付けて妨害してくるという設定で、実際にはクイズ問題や罰ゲームで腕立てさせられたりめちゃくちゃまずい(or 辛い)飲み物飲まされたりしながら突破していくゲームをする。全てのゲームをクリアする(罰ゲームを受ける)と新婦がちょうど着付け終わった頃で再会できるという流れだ。

昼飯は食べる時間はなく、昼から洋式の結婚式が始まる。これは割と日本で催される洋式の結婚披露宴とほぼ同じだが、司会は友人ではなくプロの人を雇うこと、新郎新婦がダンスか歌を披露すること、極めつけは「台湾人家族が異様に多いこと」である。

僕は外国人として台湾にいるので新郎側に呼んだ人数は会社とバスケ等合わせて40人程度。新婦側から280人…そのうち220人くらいは嫁の一族の繋がりとかで、親戚といっても遠すぎて嫁も初めて顔合わせる人も多かったそうだ。。。。そう、お義父さんは6人兄弟、お義母さんは5人兄弟姉妹で従姉、はとことか無限にいるもんな。。。。

ちなみに台湾ではかなりの割合でプロポーズを友人などを集めて撮影しサプライズ形式でやるのが流行っている。僕はこれはスキップした。

2か国での婚姻届け提出→流れ作業なので意外と簡単だった。工数と時間はかかった記憶はあるがネットでマニュアルみてひとつひとつ流れに沿えばいいと思う。

離婚

国際結婚って大変だし離婚する確率も高いんじゃない?って思われる方も多いと思います。

たまたま見つかった記事が、2017年をベースにしているので少し古いデータではありますが、どちらにしてもコロナ前のデータのほうが好ましいので日台ともに2017年の離婚率を見てみます。参考程度に。

  • 日本全体の離婚率34.7% (日本国厚生労働省統計資料から)

  • 台湾全体の離婚率39.4% (台湾内政部人口統計資料から)

そして台湾人と結婚した日本人男女別だと

  • 日本男と台湾女の離婚率32.7% (台湾内政部人口統計資料から)

  • 日本女と台湾男の離婚率18.2% (台湾内政部人口統計資料から)

[悲報]台湾人女性と結婚した日本人男性の末路

意外でしたが、日本人同士、もしくは台湾人同士での離婚率よりも日台夫妻のほうが離婚率が低いという結果になりました。

上の表のをよくみると、似た者同士のほうが離婚になりやすい傾向があったり。台男と中国女の離婚率82.5%ってやばくね?とか興味深い。

離婚率ってその年の結婚数と離婚数で計算してたりしてそれぞれの結婚年数が違うし、人口動態の変化が影響与えるし、特に国際結婚は手続きの煩雑さから既に別居し事実上離婚状態でも統計に反映されない割合が多いという問題もあることは念頭にいれておいたほうがよいかもしれませんね。

日男としては、「日男と台女の離婚率やばいんでしょ?」という噂を耳にすると不安になるんですが、日女と台男の離婚率と比べて低いというだけで、もう少し広くみてみると異なる結論が導き出されるんですよね。

日女と台男夫婦の場合、女性が台湾に嫁いできて子供ができて専業主婦になってしまうと、不満があっても経済的に頼るしかなく、子供も日本に連れていけないから我慢するという事案もあり、離婚統計に表れない数字があるはずで、一概に「日女と台男夫婦の相性がいい」とは限らないと思います。

最後に

国際結婚は大変だし出費も増えるが、その反面よいことも多くある。特に日本人文化の中で伝聞ではメリットは表に出にくい。(謙遜文化で過度の幸せ自慢はしなく、どちらかというと愚痴りが表に出やすいため)

当記事に上げた項目も確認しながら、一方で特に台湾人は個人差が大きいのでステレオタイプにならないように、個人として相手がどうなのか見定めたうえで前に進むのであれば全然アリな選択肢だと思います。
Good Luck!

参考文献

長榮大學応用日本語学修士論文 - 現代台日通婚研究-日本人と結婚した台湾人女性を対象に 2016

applemint【台湾の結婚はハードル高し】台湾人の結婚観と結婚式の謎ルールに迫る 2023

Radio Taiwan International 台湾ミニ百科(2021-04-28)台湾の離婚の仕方は?

台湾で牛肉麺を喰らわない [悲報]台湾人女性と結婚した日本人男性の末路 2018 

[悲報]台湾人女性と結婚した日本人男性の末路

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