【外国人労働者】技能実習生の失踪問題【労務管理】
先日、技能実習生として在留しながら行方が分からなくなった(=失踪した)外国人が約九千人・過去二番目に多いというニュースを見ました。
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これは、技能実習生が制度運用初期から増加しているということもありますが、他に根本的な理由も存在しています。
1⃣ もともとの労働条件が悪い
私の顧問先でも技能実習生を受け入れているところがありますが、その業種は、自動車整備業です。
自動車整備業というと車を所持している方なら車検などで身近な業種ですし、車好きの方なら初めに就職を考える業種でもあり、業種自体の人気はあります。
しかし、それに見合った待遇がある・待遇が良いとは言えず若い人の志望者は減り、離職率も高いです。
そこを技能実習生で埋めているという実情があります。
日本人でも労働条件が悪いと考えている業種に、外国人が好き好んで働くかというと疑問符が付きます。
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2⃣ 各種ハラスメントを受けやすい
基本的に、技能実習生は転職出来ません。
現在検討されている、技能実習に関する新制度では、転職を容認する範囲の拡大も考えられていますが、撤廃されることはなさそうです。
辞める心配のない従業員に対しては、当然ダメなことですが、各種ハラスメントが発生し易い土壌が形成されてしまいます。
そういった土壌のあるところに長期勤務したいと思う方は小数ではないでしょうか。
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3⃣ 実習期間終了後も日本で働くことを希望する
技能「実習生」ですから、実習期間が終了すると、基本的には、母国に帰国することになります。
しかし、日本へ実習に来る方は「技能を学ぶ」ことに加え、「借金をして来日したので稼がなくてはいけない」という理由もあります。
そうなると、不法労働者になるとはいえ、日本で長く稼ぎたいと考える方が増えてしまうのでしょう。
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技能実習制度の目的は、単なる労働力の確保という手段ではなく、発展途上国への技術移転を進める国際協力が主です。
労働人口が減少することは間違い無いのですから、日本企業・外国人労働者・お客さんなど、全ての方に利益があり納得出来るようなものに仕上げて欲しいです。
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