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新月の風と3つのさなぎ


ぱさ ぱさ ぱさ

その夜を うちやぶったのは

蝶の舞!

ねむっていた この顔に

たしかに ふれた

やわらかい あなたの羽

うずをまく

あたたかい 振動と 

くすぐったい あまい風

目をあけて まわりを みわたしても

あなたは みえない

新月の 風に まじって

わたしに逢いに きてくれたのね

時間も 距離も

関係なく

いつも あなたは ちかくにいる

いつも とても ちかくにいる。


*  *  *  *  *  *  *  *  *

頬に蝶の羽ばたきを確かに感じ、目を覚ました今朝。はじめて挑戦してみた蝶(ヒメちゃん)の絵を、昨日 描きあげたからでしょうか、、、。

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今日の朝日✨


10月後半。

ぐっと温度が下がり、パタリとアゲハ蝶を見かけなくなりました。

今、畑にやってくる子たちは、モンシロチョウ、モンキチョウ、シジミチョウ、セセリチョウ、、、ちいさな蝶たち。

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じゃがいもの葉っぱで休むシジミチョウ。


畑には、たくさんの青虫もいたのですが、一気に10度も下がった翌朝、亡くなってしまった青虫たちも。オルレアのしげみには2匹のキアゲハの青虫がいましたが、終齢を迎えていた大きな青虫は、オルレアから5メートルほど離れたカボチャの葉っぱのうえで亡くなっていました。

さなぎになるの、間に合わなかった、、、。

蝶は通常、卵や さなぎ、または土のなかで越冬する場合が多いようです(葉っぱの下で仮死状態になる種類もいるようです)。すでに幼虫(青虫)になっている場合、10度以下になると活動を停止し、死んでしまう場合がほとんどだそうです。しかし、もし「さなぎ」になれればキアゲハの場合は「マイナス196度」でも生きられるそうです。「さなぎ服」はわたしたちがまとう どんな服よりも、軽くてあたたかく、雨も風もしのげる奇跡の服。

キアゲハはとても思い入れのある蝶で、、、まだちいさなキアゲハの青虫は、葉っぱのしげみで生きていたので、おうちへ連れて帰ることにしました。

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(じゆうな木)「きぃちゃん、うちくる?」
(きぃ)「いく」


夜間はケースのなかにいれ、セーターにくるんで多少保温しながらしばらく様子をみました(あたためすぎると寒い季節に羽化させてしまうから、さなぎで越冬させるために、あたためすぎないように気をつけました)。

しかし、、、なんとそれから2日間、きぃは全くうごかなかったのです。

寒すぎたかな、、、それとも脱皮かな(終齢幼虫になるまでは脱皮を繰り返して大きくなります)? それでも2日も動かないなんて やっぱりダメだったのかな?と思っていると、、、


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(じゆうな木)「わぁ😂よかった! めっちゃ時間かかったね🥺」
(きぃ)「うん、さむいから、じかん かかる」


2日後に最後の脱皮。無事、よく見慣れている「歌舞伎スーツ」に身を包みました。それからは、もりもり食べて、、、時間をかけて とてもゆっくり大きくなっていきました。

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夜、セーターにくるまれたケースのなかから、「ぽと」と うんちの音がすると

きぃちゃん、ちゃんと 生きている。

思わず にやりとしてしまいます(笑)。

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(じゆうな木)「そろそろ、さなぎ??」
(きぃ)「まだ」


そろそろ さなぎかな?と思うくらい大きくなってから3日ほど経った、昨日の夕刻のこと。あたらしいオルレアの葉っぱを補充していると、

(きぃ)「もう、はっぱ いらない」


手の方に乗ってくる きぃちゃん。

さなぎになる直前は、少なくとも丸1日くらいは動かなくなります(これは脱皮の前も同じです)。その間に、体内の不要なものは うんちで全部出し切ります。オルレアには戻りそうになかったので、わたしは野外に出している 月桂樹を持ってきました。

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この月桂樹には、さなぎのまま越冬しようとしている(?)ナミちゃん(ナミアゲハ )とクロちゃん(クロアゲハ )がすでにいます。上の写真の上にいる さなぎがクロ、下の さなぎがナミ。


クロとナミのお隣の枝に、そっと誘導すると、きぃはすぐに気に入って、とても丁寧に枝と葉っぱを歩き、最後にはその枝の一番うえの葉っぱを とても丹念に歩いて、そこでじっとすることに決めたようです。


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丹念に葉っぱを歩きながら、白い糸みたいなのを口から出して葉っぱに からだを固定しています。おもしろいのは、ちゃんと「おしり」だけは、葉っぱの「ちょっと外に」出しているところ。うんちがちゃんと下に落ちるようにしていました😁


そして 丸1日経った、今日の夕方。

家にかえってくると月桂樹から忽然と(!)姿を消している きぃ、、、。さがすと、だいぶん離れたところで休憩をしていました。うんちを出し切ったあとは、かなりのスピードで歩き始め、さなぎになる枝や葉っぱをさがします。

月桂樹から離れたということは、他の枝葉がいいのかな?と思い、それからまた、いろんな枝を試したのですが、、、なんどもあえなく断られ(苦笑)、、、1時間ほどして、もう1度、月桂樹へ誘導してみました。するとやっぱり月桂樹がよかったようで、そこでまさに今、さなぎになろうとしています。

さなぎーず

それにしても なんという光景、、、😂 みの虫くんまで、、、。笑


蝶にはじまり、さなぎでむすばれる 新月の日。

また明日からゆっくり月は みちていく。


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(じゆうな木)「春に あおうね、きぃちゃん。おやすみなさい、たのしくて すてきな夢を🌈」
(きぃ)「うん、はるに あう。おやすみ」