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四畳半タイムマシンブルース

鑑賞:2022年9月@バルト9

初見なのに初見な気がしない作品でした。「四畳半神話大系」と「サマータイムマシンブルース」を両方もと読んで見ていますので、楽しく満足できました。初見の方は、どう思われるのか想像するのが難しい作品です。

森見登美彦節とヨーロッパ企画味の魔の融合です。見る前から懸念点が想像できてしまうのですが、見事に良い作品に昇華していました。懸念点は、グダグダしそうなのと、登場人物の多さ、時間軸を面白く伝えられるのか。

まず、グダグダについては、それが持ち味ですから、どれだけ受け止めやすくなっているかです。思いのほかグダグダしないで、時間もコンパクト。「やればできる」笑
登場人物の数も、正直多いです。こればっかりは、初見だと要らないキャラだらけです。分からなくても楽しんでもらえるように頑張っていると思いますので、これも期待以上でした。もちろん、既存作品を見たり読んだりしていれば、より楽しめるのは間違いありません。
時間軸を面白く伝えてられるのか、ここが悩ましいです。「サマータイムマシンブルース」は元の芝居や映画を見ていますので、既視感だらけで、劇中の説明が補助的にしか受け取れないため、初見では少しツラいかもしれません。

話も舞台も分かっているのに楽しめましたので、とても良い作品となっていたと思います。ちゃっかり、上田誠風のキャラがそんな風に出るんだな、というのがヨーロッパ企画ファンの見どころでしょうか。

満足度の割にスコアが低めなのは、森見登美彦節が思ったより足りないのが理由です。森見登美彦節が肌に合わない人には楽しめない作品ですが、そんな人を考慮してもしょうがないのに、割とアッサリした作品になっていました。誰かしら1人ぐらいは、くどい描き方をして貰いたかったです。

ヨーロッパ企画ファンは見ておいて損はない作品で、残暑に見るには最適なサラリとした感覚で楽しめるでしょう。


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