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『天才はあきらめた』山里亮太著 ー人生に効く名言盛りだくさんのバイブルー

自己否定は努力をやめる言い訳でしかない。

今なら思う。「こんな僕が」とか「邪魔しちゃいけない」という言葉は、頑張ることをやめるのに最適な言葉でしかない。その言葉に甘えて、時間が経っても何もしなかった自分に幻滅する。このループを断つことができていたら、あんなに心を追い詰められることはなかっただろうなぁと本当に思う。

山里亮太『天才はあきらめた』朝日文庫 2018年 189頁

今や天才芸人とも言われる南海キャンディーズの山里亮太さん。

大女優の蒼井優と結婚し、順風満帆の人生にも見える彼だが、そこには地獄のような努力の日々があった。

自分の醜さも交え、死にものぐるいで笑いのために奮闘する芸人としての人生を綴った自叙伝。人生に効く名言盛りだくさんのバイブルです。

***

つい諦めてしまいそうになることがある。

大きな失敗をしたとき
自分なんか……と自己否定するとき
目先の楽しみに気持ちを奪われてしまうとき

努力する目標を考えるより、今やっていることをやめる逃げ道を考えることのほうが簡単だ。

努力は苦しい。必ず結果が出るとは限らない。
特に自分が目指しているものを達成した人を見たとき、才能なんじゃないか……? 天才だからできたのでは……?
と、自分の努力を疑うような気持ちが胸に溢れてくる。

そんなとき、僕はこの本を読む。
時間がないときにはお気に入りの場所に付箋を貼ったところを読み返すようにしている。

中でも大好きな言葉がある。

失敗は止まらなければ次の成功の最強のスパイスになる。

山里亮太『天才はあきらめた』朝日文庫 2018年 74頁

失敗したら誰だってへこむ。
なんでダメだったんだろう。失敗したからもうダメだ、と諦めてしまいそうになる。挙句の果てにはあまり努力していなかったんだから失敗するのは当たり前だななんて、自分を正当化しようとさえしてしまう。これは本当に良くない。

ただ、失敗は止まらなければ失敗ではなくなる。お笑い風にいうと、成功までの前フリとして失敗が活きてくる。

だから、失敗してもへこんでいい。悔しくなるほど泣きたい夜があってもいい。ただ、止まらないことだ。

その失敗を反省し、原因を探り、次に起きたときには失敗しないようにする。そしてまた努力する。成功は保証されない。しかし、失敗も確約ではない。

努力することから逃げない限り、きっと道は見えてくる。
本作を読んで、そう告げられている気がした。

努力しているけど、なかなか成果が出ないと悩んでいる人におすすめです。

現在テレビドラマ放送中の山里さんとオードリー若林さんの半生を描いた『だが、情熱はある』も本書で描かれた内容なのでぜひ。


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