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肺が半分にしぼむ?! 高校生が実際に体験した「気胸」の一部始終

 とある高校生の普通の夏休み
課題に追われ、遊びに浸り、ゲーム三昧の日々を過ごしていました。
夏休みも終りに近づき、学校という名の現実に戻っていく予定だったその時でした。


症状とその時の心境

 まず最初に出たのは右側の「背中の痛み」でした。 
痛みとしては肩甲骨の裏背中の右側中央部
あたりがズキズキと痛む感じで、そこまで強い痛みではありませんでした。

 症状が出た時、長時間車で移動していたこともあり、姿勢が悪いことからくる痛みだと感じてそこまで心配になったり不安に思ったりはしませんでした。

 その夜、いつものようにベッドに横になると胸に違和感を感じました。
具体的に説明すると、仰向けやうつ伏せでは何の違和感もなかったのですが、体の右側を下にするように寝ると胸中央部あたりで、心臓の鼓動に合わせて「ポコポコ」という音と痛みがあったのです。さらに「ポコポコ」という音が鳴った後から、息を大きく吸うと右胸に痛みが走るようになりました。
 
 さすがに今までに経験したことのない症状で、とても不安に感じたのを覚えています。インターネットでいろいろ調べていくと「心狭症」「気胸」
など、心臓と肺にかかわる怖そうな病気がたくさん出てきて、さらに心配になりました。

症状の経過と安心

 背中の痛みがあった次の日から、次に出てきたのは「」でした。
咳と言っても痰が絡んでいない「空咳」と言う乾いた咳で、我慢しようと思えば自然と治まっている感じでした。
 ただ意識し始めると止まらなくなってしまう厄介なものでした。

 そんな状況が3~4日続いていましたが、次第に寝た時の胸の違和感や背中の痛みがなくなっていき、不安が安心に変わっていきました。
 しかし、いまだに深い呼吸で生じる右胸の痛みや空咳が治まることもなく、痛みによって呼吸がどんどん浅くなっていくのを感じました。

クリニックでの診断

 胸の痛みや咳などは健康な状態ではありえない症状ということで、近くの病院に掛かることにしました。検査としてはレントゲンを撮り、症状を事細かく伝え、触診も行いました。
 しかし、そこでわかったことは「何もわからない」ということだけでした。
 
 というのも、この症状の病気が呼吸器系なのか心臓系なのか分からず、内科のクリニックに掛かったため、医者の専門外であった呼吸器系の病気は診断できなかったのだと思います。 
 
 幸い心配そうな僕を見て、近くの医療センターへの紹介状を出してくれたため、次の日にそこへ掛かることにしました。

医療センターでの診断と気胸の判明

 医療センターに到着し、今までにない大きさの病院に緊張している中、まず最初に総合内科で診察を受けました。
 クリニックからの紹介状や僕の体の症状を総合内科の先生に伝えて、レントゲンや血液検査の結果を踏まえて呼吸器内科を受けることになりました。

 呼吸器内科を受ける前にCTをとり、いざ診察室に入ると……
先生から受けた診断は「中程度の右自然気胸」というものでした。

 先生からどのような病気か聞くと、
「気胸とは、肺の一部に穴が開き、空気が漏れることで肺がしぼんでしまう病気で、高身長、やせ型の若い男性に多い。肺から漏れた空気が多いと心臓が圧迫され、場合によってはショック死してしまう。」
と言われてとても恐怖したのを忘れられません。

突然の手術の決定と術内容

 僕のCTの画像や、レントゲンを見ると右の肺が半分ほどになってしまっていることから、一刻も早く手術を受けることが決まりました。
 運よく、次の日が呼吸器科の手術担当で空きがあるとのことで、翌日に手術となりました。
 手術が決まった時、強がって落ち着いたようにしていましたが、体は震えていました。(笑)

 手術をするにあたって、どんな手術を受けるのか、手術による合併症の話、麻酔の影響、など体に起こりえる手術の悪い影響をたくさん説明され、とても怖くなりました。
 実際には悪いことが起きるのはとても低い確率なので心配する必要なかったと思います。(笑)

気胸の手術

 ブラと呼ばれる肺に穴が開く原因となった部分を切除し、再び穴が開かないように保護シートを貼る。
 肺から漏れ出た空気や術の傷からの出血や膿を体外に排出するための管(ドレーン)を一定期間入れたままにする。

 このように切除術だけで終わらず、管を入れたままにするというのが特徴的だと思います。
 管が刺さったままというのがかなり気持ち悪いし、もちろん痛みが生じるので治すのが大変な病気にかかったなあと思いました

手術の準備

  • 点滴の投与

  • 術開始7時間前に最後の軽食

  • 術開始3時間前に最後の水分補給

  • 血栓予防の弾性ストッキング着用

  • シャワーを浴び手術着に着替える

 手術を行うにあたってこんなことをやりました。
 弾性ストッキングがきつくて履くのに10分もかかったり、食事もたくさんとれなかったのが大変でした。

手術の開始

 手術室へいざ向かうとき、母親が手術室の目の前まで一緒にいてくれたので、不安や緊張もなくなんとなく楽しみだったのを覚えています。
 手術中に目覚めるのが怖いと思う方もいると思いますが、脳波を測定することで目覚めないように麻酔を調整しているそうです。

 そして、手術室に入り手術台に横になるととても暖かいタオルと緑のシートをかけられ、血圧や心電図、酸素濃度や脈拍、額に脳波の測定器を貼って点滴と酸素マスクからの麻酔の投与が始まりました。
 
 投与が始まってから30秒ほどは目を開けていましたが、視界がゆらゆらしてきたので目を閉じようと思ったところから数秒で記憶が消えていました。

手術の終了と最初の夜

 手術が終わってから30分ほどたった時が記憶に残っている最初の目覚めでした。術終了直後にも意識はあったそうですが、母親曰く、目がぐるぐる回ってどうにか寝ないようにしていたとのことです。(笑)

 目覚めてからまず感じたのは背中の痛みでした。傷口や管の刺さっているところがそこまで痛まなかったので、そこはうれしい誤算でした。
 しかし背中の痛みは寝るのが正直つらいほど痛み、3時間ほどしか眠りにつけませんでした。
 
 他に辛かったことは、気管に唾液が入っている感覚があったことでした。
痛みと肺を切除した後という恐怖から咳払いが出来ませんでした。そのため、気管から唾液を出すことができずに夜を過ごしました。
 原因としては術中の呼吸の補助のために酸素を送る管を口から気管に入れていたことがあると思います。
 
 看護師の方が夜中でも見回りに来てくださり、痛み止めの点滴や体の具合を聞いてくれたのが唯一の救いでした。

 長い夜を痛みから耐え凌ぎ、ようやく迎えた朝は痛みから解放されることもなくつらい朝でした。特に着替えのために体を動かすのがとても痛かったのを鮮明に覚えています。

その後の入院生活

 入院生活はどうだったのか、最近退院したので家での過ごし方などは、次の記事で書こうと思います。


ここまで長い記事を読んでくださりありがとうございました!!
高校生が始めて書いた文章なので至らぬ点がたくさんあるかもしれませんが少しでも同じ病気の方や、気胸の疑いがある方への支えや共感の
対象になっていただけたら幸いです!!


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