見出し画像

『貞観政要』

呉兢 670〜749
『貞観政要』 710年頃

・「身理まりて国乱るる物を聞かず」
いまだかつて、君主が立派な政治をとっているのに人民がでたらめであったという話を聞かない。 身の破滅を招くのは、その者自身の欲望が原因だ。欲望の対象は果てしなく広がり、それに要する費用も莫大になる。

・「草創と守成といずれか難き」
一旦、天下を収めてしまえば、気持ちが緩んで、自分勝手な欲望を抑えることができなくなります。帝王の贅沢三昧のための賦役が次々に課せら、国家の衰退を招くのは、つねにこれが原因になっています。このような理由で、守成こそ困難であると申し上げたい。

・「弓の奥義と政治の要諦」
私は弓をもって各地の群雄を打ち破ってきた。それほど弓を手にしていながら、弓についての理解が極めて不十分であった。私は天子となって日も浅い。長年手にしてきた弓についてさえ奥義を極めていない、ましてや政治においておや。

・「君は舟なり、人は水なり」
水はよく舟を載せ、またよく舟を覆す。

・「国を治むるはなお樹を栽うるが如し」
国を治めるのは、木を植えるようなもの。根や幹さえしっかりしていれば、枝葉は自然に繁茂する。

・「なんの代にか賢なからん」
どんな時代にも、人材はいると思う。ただ、われわれのほうがそれに気づかないだけのことではないのか。

・「忠言は耳に逆らいて行ないに利あり」
忠言を聞き入れれば国は治まり、忠言を退ければ政治は乱れます。

・「私自身の今後の戒めとして、記録を見せてはくれまいか?」
「帝王がご自分でご自分の記録をご覧になるとは、古来聞いたことがございません。おそれながらお断りします。陛下のなさることは、逐一これを記録にとどめる所存です。」

・「すべからく元を務むべし」
なにごとにつけ、根本のところをしっかりと押さえてなおかねばならない。君主が無為の政治を行えば、人民の生活は安定し、逆に、君主があれもこれもと欲張った政治を行えば、人民の苦しみはいや増すであろう。

・「務め、寛平に在るべし」
司法官というのは、人の罪を暴くことによって栄達もし、声望もあがるものだ。法の執行がとかく過酷なものになりはしないかと心配でならぬ。そのようなことがないよう、寛大、公平な裁きを心がけてほしい。

・「戦いを忘るれば人危うし」
備えあれば憂いなし。私の好きな言葉です。


 現役皇帝が本気で儒教をやってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?