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先手指導

ショッピングモールで、走り回り、お菓子を手に取ってその場で食べ始めてしまう。袋を開けてしまう。何度も叱って理解してもらおうとするが、全然伝わらない。毎週のようにも同じパターンをを繰り返している。

その場で何とか言って聞かせようと思うのですが。。。
ASDを教育する療育というのは、先手指導・計画的指導が基本です。

ショッピングモールはまだ早いです。「ショッピングモールで買いたい物を買って、親の買い物にも付き合う」というスキルを身に着けるためにどういうどういうステップで何カ月後にそのスキルができるように計画していますか?

はじめは、近くの自動販売機でジュースを買う事から始めましょう。
どのジュースを買うか、自販機で買いそうなジュースの写真カードを複数枚準備します。次に自動販売機までのルートの地図を作ります。実際の自動販売機の写真や家の写真などをルートに入れておくとわかりやすいでしょう。
「ジュースを買いに行こう」と伝えて「どのジュースを買う?」とジュースの写真カードを提示、そのカードを手に持ちます。ルートで→を描きながらルートを説明し、「手を繋いで歩こうね」と手を繋いで自動販売機まで移動します。帰り道も忘れずに伝えましょう。

このように、自販機から始めたら、コンビニ、スーパー、ショッピングモールと少しずつ距離や刺激の多さを広げていく。1年後にショッピングモールで自分の買い物をするというスキルを身に着けていく計画だとどうでしょうか?

ASDの療育と言うのは、その場で何とかしようと思ってもだいたい上手くいかないものです。「場当たり的な指導」や「出たとこ勝負の指導」は無効な事がほとんどなのです。

適切なスキルを教えるというのは、先行条件(行動を起こす前の条件)が整う事で、やってほしい行動やスキルができやすくなります。
ASD療育は準備が9割なのです。そして、できたらたくさん褒めてあげるし、好きなものがゲットできるようにしておくと、子どもも、大人もハッピーになれますね。

このように、ASDの子に何かを教えようとするならば、準備をして計画的指導が必要で、「先手指導」が基本なのです。

これを、親御さんが独自で編み出して、実行していくのはかなり難しいと思います。だから、支援者や教育者は、その親子の文脈にあった方法や計画を提案し、支えていく事が役割なんだと思います。


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