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超短編小説 犯罪がなくなれば

世界中で犯罪が増え世界は混乱した。

犯罪者は脳の機能に異常がある。それは知られていた。脳の機能を正常にするにはどうしたらいいのか。「脳の正常化プロジェクト」が始まり世界中の研究者たちが参加した。

様々な研究の結果、特定の遺伝子に問題があることがわかった。プロジェクトは次の研究へと動いた。世界は固唾のんで見守った。

研究班Aが特定の乳酸菌を飲めばその遺伝子に作用し脳の機能が正常化すると発表した。その特定の乳酸菌を犯罪者に継続して飲ませればいいと。

乳酸菌なら問題ないだろう。ヨーグルトとかで普通に口にしている。

特定の乳酸菌は世界に広まった。そして犯罪者に飲ませる運動が始まった。犯罪者が自ら飲んだり、騙されて飲んだりいろいろだ。だが、継続して飲ませることは難しかった。効果はなかった。

研究の結果、普通の人が口にしても問題ないということがわかり、特定の乳酸菌は一般の食品や飲料にも入れられるようになった。これならどの犯罪者も口にし継続して摂取するだろう。

最初はどうなんだろうという声もあったが、しばらくすると「私は何をしてきたんだろう」と犯罪者たちが口にするようになってきた。効果が出てきたようだ。

犯罪は徐々に減っていき世界は正常に戻っていった。

気がつくと地球の人口は半分になっていた。


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