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練馬城址公園之実況

練馬城址公園之実況

練馬城址公園を入った所のベンチに座っていると、
オチン棒のような形状の、変態的で猟奇的な不可思議な棒を持ったオバハンが歩いていた。
オバハンは、その不可思議な棒を、ケラケラと笑いながら、豊島園駅の方へ向かって行った。

練馬城址公園之実況

犬と人間が話せる訳はないが、今やって来た眼の前の少女は、当然のように会話をしている。
通じているかのかいないのか、それは、少女にしか分からないが、ハリーポッターの施設が間もなくオープンする練馬城址公園で、この少女は魔法使いに見えた。
だが、そうなると、魔法使いサリーちゃんのイメージに近いのではないかと、世界のハリーポッターよりも、日本の横山光輝の偉大さを改めて感じるのである。

練馬城址公園之実況

自転車が、びゅんびゅんと目の前を走り去って行くが、この先には特に何もなく、一体、びゅんびゅんと何処へ向かっているのだろう。
びゅんびゅん自転車に乗っている人の顔を見ると、皆、気分が高揚して口を大きく開けているので、
松ぼっくりでも放り込んでみたいと思ったが、
近くに松ぼっくりの木はなく、松ぼっくりの季節でもなく。

練馬城址公園之実況

俺が座っているベンチの隣に、農作業のような格好のジイさんが座ったや否や、アイスモナカを食べ始め、アイスモナカを地べたに落としてしまったのだが、奇跡的にアイスモナカは、きれいな四角のままで、ジイさん良かったねと、すぐ隣で俺は安堵したのである。
一体、そのアイスモナカは何処で売っているのだろうと、助かったアイスモナカを見て、人生で一番、アイスモナカについて考えた瞬間であった。

練馬城址公園之実況

生意気そうなガキが歩いて来たかと思った刹那、そのサイズをLにしただけの、生意気そうなオッサンが歩いて来た。
生意気そうなガキは、二、三発ビンタ、或いは、
アイスクリームを食わせない等の刑で、更生の余地はあるが、オッサンの方は、もう、手に負えない。

練馬城址公園之実況

三十分以上前に、暑かったのでコンビニで缶ビールを買ったのだが、すっかり忘れていた。
鞄から出して触ってみると、まだ冷えているので、練馬城址公園の気候はよいのだろうと、呑む前から、いい気持ちになった。

練馬城址公園之実況

夕方になって随分と涼しくなって来たので、薄暗くなって来て、練馬城址公園は、自転車びゅんびゅん、犬の散歩、そして、何をしているのか皆目分からない謎に満ちた人々が次々と集まって来る。
謎に満ちた人々の一人は、俺である。
さきほどから、俺はここで何をしているのか、それは俺にも分からないので、それは誰にも分からないのである。
風が強くなって来て、腹も減って来て、そして誰もいなくなって来る前に、明るい内に、家に帰ろうと思った。

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