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心理士でプロデューサー、「混ぜるなキケン」が生み出す新たなイノベーション

今回は、ジョリーグッドの「デジタル治療VR」の制作を主導する2名のメンバーの対談です。あらゆるプロフェッショナルがネクストキャリアを築いているジョリーグッド。今回の話し手、外川さんは心理士で、その道のプロ。そんな外川さんでも、既存スキルをどう活かし事業成長に貢献するのか苦悩があったそう。その苦労と発想の転換を詳細にお伺いしています。ジョリーグッドだからこその成長環境についてよく分かる内容です。記事内で話されている「北詰流キャリアステップの考え方」は、あらゆるビジネスパーソンにおすすめしたい、エポックメイキングなものでした。

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取締役COO
北詰 裕亮(きたづめ ひろたか)
大手広告代理店、博報堂に25年在籍。企業の広告やキャンペーンを手掛けていた。その範囲は自動車、通信、航空会社など多岐にわたる。代表の上路が元同僚であり、事業の面白さに惹かれジョリーグッドに2019年ジョイン。
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DTx事業部 アソシエイトプロデューサー  心理士
外川 大希(そとかわ だいき)
大学院卒業後、発達に課題を抱える子どもの実支援現場にて、心理士として勤務。児童への療育だけでなく保護者の支援として、心理検査、カウンセリング等を提供。元々ジョリーグッドのサービス「emou」のユーザーでもある。2021年ジョイン。
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ー 外川さんは元々、ジョリーグッドの提供サービスのユーザーだったのですね。

外川:
そうなんです。VRを使ったソーシャルスキル・トレーニングを提供するサービス、「emou」を利用していました。支援現場の1人として、VRを使ってこんなことができるのかと衝撃を受けました。
ジョインしてからは、大塚製薬様と共同事業で取り組んでいるプロダクトのプロデューサーをしています。統合失調症の患者さん向けのソーシャルスキル・トレーニングの実施支援を行うVRで、「FACEDUO(フェイスデュオ)」というサービスです。ポジションとしては、プロジェクト全体の進行を管理する役割。プロジェクトの渦中で、回し回され絶賛奮闘しております…!

北詰:
外川さんは特殊なパターンですよね。サービスを使うユーザー側からジョリーグッドに接していて、そこから中に飛び込んできた。どんな想いで立場を変えたんですか?

外川:
自分の持っている現場を捨てる…というわけではないですけど、離れて羽ばたくのは大きな決意が必要でした。目の前の利用者さんや子ども達の役に立っている、という実感から離れるという感覚です。そういった覚悟をして来たところはありますね。
emouとの出逢いにすごく刺激を受けたんですよね。そのうち、emouをもっと良くしたい、広げたいと考えるようになりました。同時に、子ども達が笑顔になりスキルを身につけることを目指していたので、心理士としてより主体的に取り組みたいなとも思っていたんです。発達支援の現場では、できることが限られてしまいます。気づいたら飛び出してジョリーグッドの門を叩いていました。

北詰:
外からジョリーグッドのサービスに触れている時と、実際中に入って来てみて変わったことはあるんですか?

外川:
このサービスがどのように作られているかがまったく想像できていなかったので、それに驚きました。改善点があれば、発言すればすぐに反映されるような状態を想像していたのですが、いい意味で全然そうではない。色々な人が関わり、こだわって大切にしていることがいくつも積み重なっていることを目の当たりにしました。そのうえで、やっとひとつのプロダクトができているんですよね。重みや厚さを感じます。これは、ギャップでした。

北詰:
外からは見えにくいところですよね。DTx事業部のプロデューサーポジションなので、余計にプロジェクトに関わる範囲の広さが見えますよね。

外川:
サービスを受けている時は窓口の人しか見えておらずで。裏でシステムを作っているエンジニアの方や、コンテンツ制作の方々、キャストの方…。こんなにも多くの人が関わっている、想いの結晶ですよね。
自分もその中に飛び込んでいるので、その分だけ責任も重いし、プレッシャーです。けど、関われること、ここでパフォーマンスを出すことが本当にやりがいにつながっています。

北詰:
でも、外川さんはプロジェクトマネージャーとして、かなりの数の人を意思疎通させていかなきゃいけないですよね。プレッシャーも大きいですし、飛び交っている言語がこれまでの環境と全然違う。最初は相当戸惑ったんじゃないですか?

外川:
そうですね。本当にこれは日本語でここは日本?みたいな感じでした。
今までの領域でも専門用語はもちろんあったのですが、北詰さんもよく使うビジネス用語の類とか、始めは分からなかったですね。「フィージビリティ」「コンセンサス」とか。初めの頃は裏でずっと検索していました。

北詰:
そんなにカタカナ使ってばかりでしたかね?すみません。

外川:
もう今はバッチリ使えるようになったので、進化したと思います。

北詰:
用語だけではなく、ジョリーグッドのプロジェクトでは色々な専門家の文化が飛び交う。医療分野も、制作の専門家もいます。外川さんのポジションは、汲み取りながらつなげていく責任があって、かなり苦労があるのかなと思います。

外川:
そうですね。ジョイン前は全然想像できてなかったんですけど。
メンバーそれぞれが責任を果たすために、自分の専門領域で全力を尽くしていて、その中で時にぶつかり、議論する。私はその中道を行くというか、全員が納得できるように方向性を定めないといけない。
でもそれって、すごいポジティブなことだと思うんです。メンバー全員が自分の役割を果たそうと一生懸命だからこその衝突というか。
異業種の専門家が集まっているので、それぞれの言葉を翻訳家的に読み解くイメージでやっています。プロジェクトに真に必要なこと、重要なことを、良いとこ取りのように見つけていく作業です。非常に苦労しているところでもあり、やりがいも感じるところです。

北詰
今、「翻訳」という言葉が出てきたけど、それが大事な観点・視点だと思いました。
僕自身、広告のプロデューサーをしていた時に、30社ほどの企業課題を聞いていたことがあって。相手の立場やバックグラウンドによって話している言葉がまったく違って、最初は何を言ってるのかさっぱり分からないことだらけだったんですよね。
「相手は本質的に何を伝えたいのか」を理解してから翻訳して人に伝える、というのは誰でもできるようで、できないことなんですよね。すごく大事な要素だと思うので、意識して持ってくれているのがすごく頼もしいなと思いました。

外川:
北詰さんはジョリーグッドの中で、道しるべであり、壁でもあり、高い所にいつつも周りを見渡してくださる守護神みたいな存在だなって思っているので、そう言ってもらえると心強いですね。

既存スキルの活かし方を見つけた時、新たなスキルとの掛け算に

外川:
僕は入社して初めて「ビジネスプロデューサー」という職種を知ったんですよね。
検索すると、どうやら広告業界・テレビ業界の言葉らしい。けど、具体的にすることも、自分に求められていることも分からなくて困惑しました。そこから走ってきて、今振り返ってみて変わったことがあるなと気づいたんです。
これまで心理士の現場では、いま起きている物事を目の前で捉え、見ていました。なのですごく集中して1点について深く考えることができていたと思うんです。それがビジネスプロデューサーになったことによって、どれだけ引きの目線で見られるかが重要だと教わりました。そうやって視野を広げて見てみると、関係ある出来事や人が多数いることに気づくんですよね。

北詰:
これは僕の考え方なんですけど、プロデューサーは形がひとつではなくて良いと思うんですよね。
個人それぞれの出自で、営業出身の人、制作が得意な人、色々あっていい。外川さんのようなパターンは今までいなかったタイプなんです。というか、心理士をやっている人がプロデューサーになるのは、もしかしたら日本社会の中で10人もいないかもしれない。そんなことに今チャレンジしてくれている。

キャリアにおける成長の仕方は、例えると、ゲームのドラゴンクエストの『職業』のイメージがあるんです。魔法使いと戦士のような、自分が今まで出会ったことのないスキルを持つ人に触れ合い、そこから受けた刺激から吸収して、それが自身の新しいスキルになる。足し算式に身に付いていき、いつか賢者になるぞ!とか、いつか勇者になるぞ!と高みを目指せる。
そう考えると、心理士がビジネスプロデューサーにチャレンジしているっていうのはすごく新しいことですよね。先ほどの翻訳のような、相手の立場に立って傾聴する力は、心理士で現場にいた外川さんならではの、トップクラスのスキル。そんな人がビジネスプロデューサーをしていて、それがだんだん自分のスタイルとして定着してきている。新しいビジネスプロデューサー像を創っているんだと思うんです。

外川:
これまでは、ジョリーグッドの中で心理士スキルという剣を活かせなくて、持て余してしまったり邪魔になったりしていました。その時「目の前だけで捉えず、引きの目線で見る」を実行してみたんです。すると、心理士のスキルは人と関わるスキルだ、ということが見えてきた。それを活かす対象が障害や迷いがある人に対してだっただけで、抽象的な引きの目線で見ると、人そのものが対象で、相手を笑顔にしたり少し前向きにしたりするスキルなんじゃないかなと思ったんです。
そうなると、これって社内外問わずすごく活きる強みだなと、考えを転換できました。人にポジティブな影響を与えられる人は、仕事をしていく上でも推進につながりやすいですし、人へのアンテナ感度が高いと社内関係も円滑になる。バックグラウンドを掛け算で活かして、二刀流でやって行きたいなと思っているんです。

北詰:
外川さんのように、自分の個性や特性を活かしながら暴れているのが、ジョリーグッドの本当に面白いところですよね。外川さんは心理士、他にも医療機器メーカー出身でエンジニアの知識を持ったプロデューサーや、制作に長けたプロデューサーもいるし、医師でありエンジニア・プロダクトの設計者のような事をしている人もいる。まさに異種格闘技。

僕自身は全体的に事業を見ているので、サッカーで例えるとフィールドでみんながプレーしてくれているのを監督として見ているみたいな目線です。得意技はシュートなのか、パスなのか。自分の個性を突き合わせながらフィールドを自由に描き、事業を推し進める。見ていてものすごく面白い。そして共に高め合っている稀有なチーム。僕も刺激をもらっています。

外川:
ああ、そうですね。個々の強いバックグラウンドの面では自分がプレイヤーであり、プロデューサーという役割では監督であり、いろんな立場に立てるのが、ジョリーグッドで成長できているポイントだと想いました。

あらゆるプロが、再度初心者になれる場所

ー外川さんがこれからチャレンジしていきたいことはありますか?

外川:
まず事業としては、2022年10月にローンチしたサービス「FACEDUO」を大きくするために事例を作りたいなと思っています。精神疾患の患者さん向けのプロダクトなので、実際に利用された患者さんにどのような変化があり、自己実現に繋がったのかを事例として追いかけたいです。
また、個人としては0→1を生み出す仕事がしてみたいですね。これまでは、既にあるものを回すような種類の仕事だったので、自分で提案をして、必要なことを考え実現し、成果までつなげることに挑戦したいです。

北詰:
いいですね。0→1はアイデアや提案をどんどん言ってもらっていいと思います。提案をぶつける相手もいくつもいるし、積極的にやって欲しいですね。
同時に、1→10にも目を向けて欲しいなとも思っています。外川さんのバックグラウンドが活きる領域だと思うんです。現場で人に寄り添って来た実績、本質を理解し読み取り、翻訳し伝えるスキルを活かして、プロダクトを成熟させていくことができる。プロダクトにとっても重要なフェーズなので、頑張って欲しいなと思っています。

外川:
ありがとうございます。
しっかり現場に行って生の声を社内に持ち帰り、より良いプロダクトにしていきたいです。

北詰:
社長が事ある度に言い続けている会社としての理念で「プロダクトやサービスは使われて初めて価値になる」というのがありますよね。
これまでのジョリーグッドは、我々の仮説や監修の先生の意見を基にプロダクトをつくり上げることに全力を出してきました。この先はユーザーのことをより理解し、使いやすいプロダクトに磨き上げるフェーズでもある。広げ、良くすることへの貢献も期待しています。

ー最後に、ジョリーグッドの成長環境について、採用応募者へひとことお願いします。

外川:
ジョリーグッドは、全力でリスキリングに取り組める場所です。
これまでのスキルを活かすことができる土壌やプロジェクトがあります。新たなチャレンジをする時に、本当にいい意味で新人になれる。再度スタートラインに立った時に、見守って、サポートしてくれる人、導いてくれる人、いろんな立場の人がいて、その人たちとフラットにお互い学び合える、そんな環境があるんじゃないかなと思っています。

北詰:
ジョリーグッドは、色々なバックグラウンドを持った人間が得意技を出し合いながら、掛け算で新しい事業作りにトライしているチームです。監督の立場で見ていると、それがすごく面白くて、場合によっては「混ぜるなキケン」みたいなことも。その刺激が新しいイノベーションを追う力になっているし、どんどん新しいバックグラウンド・スキルを持った人たちが集まって来て欲しい。「混ぜるなキケン」状態を膨らませたいですね。新しい自分を見つけたい人には特に、楽しい環境なのではと思います。

(ライティング:橋尾 日登美)


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