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命を見つめて❗️

4月7日、夫の念願であった詩人坂村真民先生の生誕115年記念祭が、奈良の100年会館で無事行われました。

一年前、真民先生の生誕祭をフッと思いついたのはいいのですけど、いつも大変な思いをされるのは勉強会の仲間の方々。今までいくどとなく夫の思いつきにこころよく付き合ってくださいました。
「お願いですから、そちらから主人にお断りしてください!」
と私がお願いしても、皆さんニコニコして、
「私たちは先生のわがままに付き合うのが楽しいんです😃」
とおっしゃる。全く私には想像の出来ない世界でした。30年間共に学び、飲食を共にし、志しを語り合ってきた仲間は、まるで幕末の志士たちのようなきずなで結ばれているのでしょうか?

真民祭は、一年がかりで事細かく計画され、勉強会の人たちがそれぞれ役割分担し、沢山の方々に呼びかけ、協力し合ってこられたので、当日はキャンセル待ちが出るほどの来客者でいっぱいでした。

私の夫は、司会者のオープニングの合図とともにそでの方から若い男性2人に車椅子を押されて舞台に登場して来ました。
夫は500名の来客者の前で挨拶し、真民先生に生前頂いた鈴🛎️を鳴らしながら、
「先生は私にこの鈴を鳴らして、大宇宙大和楽の世界平和の祈りを伝えて下さい!とおっしゃいました。皆さんも、この鈴をしばらく鳴らしますので世界が平和でありますようにお祈り下さい!」
と力強くハッキリした口調で話しました。

夫は今年1月、インフルかコロナのような風邪に罹り、3月になっても咳が止まらず、呼吸するのもやっとでベッドに寝たきりでグッタリしていました。
もしかしたら葬式の方が先かもしれないと私は思ったりしました。
3月末病院の検診で血液検査したら、数値が異常に高かったので癌の腫瘍が転移したのかもしれないと医師から言われました。
本人はたとえ病状がどうであれ自分の体にはメスを入れない、薬も飲まないと言ってますので、生きるも死ぬも本人次第と言うことで、ただ見守るしかありませんでした。
ところが4月に入って夫は急に元気を取り戻し、食欲も出て来て、トイレも杖をついて歩いて行けるようになりました。

昨年の春、夫は作曲家の鈴木憲夫先生が真民先生の詩を作曲しておられるのを知って、それを合唱団の人たちに歌ってもらおうと考え、鈴木先生に手紙を出したら快く楽曲を提供してくださいました。
勉強会の仲間である高橋さんが、早速一般市民の老若男女を100名集めて一年がかりで猛特訓し、当日は素晴らしいメロディにのせて、魂が震えるほどの歌声で拍手喝采でした。
朗読をして下さったのは、40数年のキャリアを持つ三岡康明さん。真民先生の詩を心で噛み締めるようにポツポツと朗読されました。一つ一つの詩にいのちが通っていて私は目頭が熱くなりました。
朗読されてる背後で、舞いをされた夫の勉強会仲間の由美子さん。70歳とは思えぬ見事なプロポーションと華やかな衣装とメイク。普段着の彼女からは想像できないほどの存在感で立派でした。
東京からお招きされた有名なお寺のご住職のお話は一番最初にありました。弁舌爽やかで、ご自身の体験談を交えて面白ろおかしく話しておられました。
話を聞きながら、私は隣の席にいた私の娘に、
「場違いな話やね!」
と陰口を言ったら、その晩のパーティでなんとその方が私の横に座られました。
お話しすると、とても気さくなあたたかい人柄で頭をかきながら、
「あんな話で良かったのかな?」
とおっしゃいました。
まだ60歳にもなってないお坊さんで自分の立ち位置でお話しされていたのだと私は後で理解しました。
いつまでたっても自分は精進できてないなと思いました!


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