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飛騨・位山の巨石信仰 ~日高見(ひたかみ)国とヘブライの謎~

岐阜県の飛騨は、太古の昔、ひたかみ(日玉国)王国があった場所。「ひたかみ」は、日高見国とも書きます。
そして位山の巨石群は、日本だけでなく、海外でも有名なスピリチャル・スポット。今回は前回に続き、飛騨&位山の、縄文とヘブライの謎解き二回目です。


Ⅰ. 飛騨の位山と天皇との関係

岐阜県の飛騨高山にある位山は、飛騨一之宮の水無神社の奥社であり、御神体。巨石群が続くこの山は、古来から信仰の対象でした。縄文期、アマテルがイザナミから生まれた際、この位山のイチイの木でできた、笏を使って、アマテルを包んでいた砲衣を切り裂いたそうです。
また奈良時代、天智天皇即位の際、このイチイの木でできた笏がおくられます。その後も新しい天皇が即位する度に、飛騨一之宮水無神社により、位山のイチイの木でできた笏を贈る、ならわしが続いたとされ、令和天皇が即位された際も、位山のイチイの木ででいた笏が贈られました。

また飛騨の水無神社は、第二次大戦終戦間際、空襲や戦後の混乱を避け、熱田神宮の神器、草薙の剣(くさなぎのつるぎ)の疎開先に選ばれます。
これを決断されたのは、先々代の昭和天皇で、水無神社には、一時期、草薙の剣こと、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)が預けられたそうです。
位山をご神体とする、飛騨一之宮の水無神社が、天叢雲剣の疎開先に選ばれたことから、天皇家と飛騨の水無神社の並ならぬ関係が伺えます。



Ⅱ. 太古の『日玉国(ひたかみ)王国」は飛騨からはじまった?! 

そんな位山は、山自体が巨大な聖域で、日本最古の高天原伝説があります。
一般的に天孫降臨といえば九州の高千穂が有名ですが、一説では、飛騨は太古の時代『日玉の国(ひたかみ)』と呼ばれ、日本最古の天孫降臨があったとか?!飛騨(ひだ)の地名は、この「ひたかみ(日玉の国)」から来ているそうです。

『日玉の国(日玉国)』は、ひたかみと読み、「日高見」とも書きます。ヤマト王権ができる以前の日本は、この『ひたかみ(日玉)王国』だったされ、古代、茨城県にあった常陸(ひたち)の国は、この「ひたかみ」がなまったとも?!

しかし日本各地にあった、ひたかみ王国の流れを組む国々は、時代を経るごとに次々と姿を消します。平安時代、東北地方に、この『ひたかみ(日玉)王国』の流れを組む、最後の縄文系王国がありました。しかし征夷大将軍、田村麻呂将軍の軍略により、陥落します。
こうして平安初期に、ヤマト王権は日本全国を制覇しました。

平安時代、各地の古代系王国を滅ぼした後、朝廷は自らに仕える貴族たちを、地方の長官(国司)として各地方に派遣し、その地域を治めさせ、彼らを通じて、税金(年貢)を直接、朝廷に治めるシステムを作ります。
そして朝廷は「税金」という、巨大な富を地方から得ることができるようになり、朝廷に仕える、貴族たちはどんどん豊かになっていきます。
また平安王朝の宮廷では、清少納言や「源氏物語」で有名な紫式部といった、女流文化人が活躍し、華麗なる貴族文化が花開いくこととなりました。
皮肉なことに古代系王国の終焉は、新たな時代の始まりでした。


太古の昔、日本にあったとされる『ひたかみ(日玉)王国』。
東北地方にある北上山地は、この「ひたかみ」がなまったとされ、日本各地にある「日高」という地名も、この「ひたかみ」から来ていると言います。
日高と言う地名は日本各地にあり、北海道の日高山脈や、和歌山県の日高町、埼玉県の日高市、そして高知県の日高村など。これらは古代の「ひたかみ(日高見)」が由来とか?!



Ⅲ. 聖域としての位山 ~写真で見る聖域~

縄文と深く関わっている飛騨の位山・・。数年前、位山に登った際、たくさんの巨石群に圧倒されました。
位山にはさまざまな言い伝えがあり、それらの伝承は神代にさかのぼります。しかし実際に歩いてみると、神聖すぎて人間を拒む場所ではなく、歩いて清々しいという感じの山でした。

位山の登山道のはじまり。石でできた鳥居をくぐり、聖域に入ります。
巨石群やストーンサークルがたくさんあります。
時間がとまったような、不思議なデジャブ感がありました。

位山にはたくさんの巨石群があり、なぜ古代人たちがこれらをつくったのか不思議に感じました。自宅に帰ってから調べてみると、古代人たちは「岩石崇拝」を行っており、巨石信仰がそこから来たことを知りました。そしてこの「岩石崇拝」は遠くヘブライにも通じるものがありました。



Ⅳ. 日本の神道のはじまりは自然崇拝

日本の神道のはじまりは自然崇拝。三重県の伊勢神宮では、アマテラス神は太陽。月はアマテラスの弟である、月読(ツキヨミ)神。ツキヨミは、月を司る、または夜を統べる神として崇められています。
そして末っ子のスサノオは、根の国の神。あの世と関わりのある神さまとして知られています。
ほかにも、和歌山県の熊野の那智大社の御神体は、境内の滝。そして九州の高千穂神社の御神体は、天岩戸と呼ばれる洞窟。日本の神社は、御神体が、滝や山、巨岩や巨木といった自然そのものであることが多いです。

飛騨一之宮の水無神社も、位山自体を御神体としています。そんな位山の巨石群の起源は「岩(磐)石崇拝」です。
日本では、由緒ある神社の境内やその近くに、周囲をしめ縄で囲んだ石や岩があり、聖なるものとしてあがめられています。これが「岩石崇拝」。
「岩石崇拝」は「イワクラ(磐座・岩座)」、「イワヤ(岩屋・石屋)」、「イワサカ(岩境)」、「イシガミ、イワガミ(石神、岩神)」の4つに分かれると言います。

岩石信仰形態は「イワクラ(磐座・石位・石坐・岩座)」「イワヤ(石屋・岩屋)」「イワサカ(磐境)」「イシガミ・イワガミ(石神・岩神)」の4つに分かれるという。「イワクラ」は「神が依りつき宿る岩石への信仰」であり、「イワヤ」は「神が依りつき、籠る岩窟への信仰」、「イワサカ」は「神を迎え、祀るための区切られた岩石空間への信仰」、「イシガミ・イワガミ」は「岩石そのものを神として祀る信仰」を指す。

神は美しいものにしか宿らない ~磐座聖地への旅~ 
              https://www.surugabank.co.jp/d-bank/event/report/130521.html                

古代、位山はこれら4つのすべての崇拝が行われたのかもしれません。
岩(磐)そのものを聖なるものとしてあがめていた古代の縄文人。
縄文の人たちは、おもに2つのやり方で巨石信仰を行っていました。
一つ目が、「岩」を「神」のような聖なる力を持つ存在としてあがめる崇拝。これが「イワクラ(磐座)」や「イシガミ・イワガミ」、「イワヤ」信仰と呼ばれるもので、これがおそらく神道の自然崇拝の起源だと思います。
もう一つは、岩を「聖域」そのものとして活用する方法。これは巨石に、神を招いて神事を行う「イワサカ(磐境)」。こちらは、巨石の持つパワーを使い、聖域として利用する方法。このイワサカは、原始の祭場のはじまりです。

つまり太古の昔、位山で行われていたのは、岩を「神」そのものとして崇拝する信仰と、もう一つは、岩を「聖域」として扱い、そこに「神」を招いて神事を行う祭場としての役割。岩を「神」としてあがめるだけでなく、「聖域」として活用することも、古代の飛騨で行われていたのではないか?
そう感じたのは、巨石群と多さと、そこから感じた畏怖の念。そして古代のヘブライ人も岩石信仰をしていたと言います。


Ⅴ. 岩石(巨石)信仰があったヘブライ

ヘブライ人とは古代、パレスチナあたりの住んでいた民族で、黒髪、褐色の肌をした有色人種。イエスキリストもヘブライ人で、日本人と同じ非白人。初代、神武天皇が飛騨の位山に登った際、両面宿儺があらわれ、神武天皇に王位を授けた。その後、神武天皇が王位を授かった山を「位山」と呼ぶようになった、との言い伝えが飛騨に残っています。

神武天皇のお名前の「イワレヒコ」は、ヘブライ語では「イワレ」は「イスラエル(ユダヤ)人」。「ビコ」は「最初の子」。つまり神武天皇は、ヘブライ語で、一番最初に生まれた「長子」、あるいは「長男」をさすと言います。そして両面宿儺(りょうめんすくな)は、「神が依りつく地域に住む人々を統治する」という意味だとか?!
詳しくはこちらに書いています。もしお時間がありましたら読んでみてくださいね。


また、ヘブライでは、岩は「神」としてあがめていたと言います。 何でも「イワ」は、神を意味するヘブライ語の子音 (yhwh)に任意の母音をつけて、日本流の「神」の呼び名、「イワ」となった、との伝承があります。
これが意味するのは、岩石信仰が、古代のヘブライに存在した可能性があるということ。古代、位山は日本人、ヘブライ人の両方にとっても、「岩石信仰」の場であり、聖域であったのかもしれません。
そういえば飛騨高山は、イスラエルからの旅行者がとても多いです。位山とは関係ないと思いますが・・。



Ⅵ. 位山山頂からの景色 ~白山女神の謎~

位山は日本最古の高天原伝説が残る場所。山頂は平らで、高天原と呼ばれています。高天原とは、日本神話における天上の国で、天上界をさすそうです。実際、位山山頂に、天の岩戸と呼ばれる巨石群がありました。

位山の山頂の地図です。
山頂は歩きやすいです。
木道がひかれている場所もあり、山頂は本当に平らです。
山頂もすばらしい森が続きます。

位山の山頂近くkからは、乗鞍岳や木曽御嶽といった山々の景色が見えます。また、石川県の白山も見ることができます。
白山は、信仰の山としても有名です。そして白山神社のご祭神である、白山姫も謎の残る女神。白山神社は、全国に約3000ほどあり、中でも岐阜県に多く395社あります。それにも関わらず古事記では一切ふれず、正史から隠された女神。白山は石川県なので、飛騨からは遠いはずですが、位山山頂から白山を見ると、とても近く見えるんです!
白山姫については長くなるので、こちらはそのうち「古事記が封印した女神たちの謎(仮)」で書けたらいいなと思います。

高天原と呼ばれても差し支えないほどの、見事な景色が山頂からは見えます。
位山山頂からは、遠くに長野県の山並みも見えます。
木曽御嶽や乗鞍岳も見えます。
とても景色のいい山でした。
白山女神で有名な、石川県の白山も見ることができます。



Ⅶ. 位山山頂にある二つの天の岩戸 ~最古の高天原伝説~

そして位山最大の謎が、山頂に天の岩戸が二つあること。山頂付近も巨石群が続き、不思議な光景が続きます。

巨大岩と、そこに根をはった大木の風景が続きます。

位山山頂には天の岩戸が二つあり、上記の写真と同じ巨石群が二つ並び、不思議な光景でした・・。
以前訪れた長野県の戸隠奥社にも、天の岩戸はありましたが一つしかありません。また天孫降臨で有名な九州の高千穂神社もご神体は、天の岩戸だと聞いてことがありますが、こちらも一つだと思います。
なぜ位山に天の岩戸が二つあるのか?これは意味があるのだと思いますがわかりません。たぶん、位山の天孫降臨伝説を解く、重要な鍵だと思うのですが・・。

ちなみに高千穂はヘブライ語で、「シオンの丘」という意味で、エルサレムの南東にある丘をさすそうです。天孫降臨伝説が残る、飛騨と高千穂。そのどちらにもヘブライの伝承があるのは興味深いです。


それにしても太古の昔、『日玉の国(ひたかみ)』と呼ばれる王国があった飛騨に、なぜヘブライとの関わりがあるのか?!
そして縄文だけでなく、ヘブライにも存在した巨石信仰。そして、それをつなぐ、巨石群の位山・・。
これらの謎を解くつもりが、逆に深まり・・・。
飛騨の縄文の謎解きは、しばらく続きそうです。



P.S.
こちらで、数年前の位山登山の様子を書いています。
もしお時間がありましたら読んでみてくださいね。


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