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路上ライブで100人集める為の10個のポイント

「ライブハウスでのノルマがきつい」「新規のお客様へもっとPRがしたい」

最近ではバンドで路上ライブをやるアーティストも少なくありません。

ただ路上ライブを重ねているのにファンが中々つかないとお悩みの方も結構いらっしゃると思います。

今回は自身の経験やプロデュースをしていたアーティストでやっていた事などから、路上ライブでファンをつける為にやるべき事について書き綴っていきます。


1 名前とキャッチコピーを書いた看板を作る

アーティストは自分自身が商品となるので、絶対に用意をする事をオススメします。

ポイントとしてはA4サイズ以上で、大きく書く事(デザインする事)
自分達が思ってるよりも遠巻きで見た際には小さく見えてしまいます。

人が少ない時はお客様もアーティストの目の前で見る事に抵抗がありますので、遠巻きでもはっきり名前が確認できるように書きましょう。

それに伴い自分のキャッチコピーや売り文句なども添えてあげると尚良いです。


”太陽のように明るく照らす前向きシンガー”
”路上ライブで全国行脚中です!”
”〇〇音楽コンテスト入賞!”などなど。

名前以外にもフックとして引っ掛けられるようにしておくと、検索にも有利だと思います。
因みにアイドルグループの方達は一人一人に自己紹介の際に振り付けやキャッチコピーを当てるのがテッパンになっています。

アイドルと自分は違う!と思う方も一度試してみては如何でしょう。


2 チラシを用意する


自分を更に知って頂けるように、立ち止まって下さったお客様や自分からインフォメーションを訪ねられた際にすぐに渡せるようにしましょう。

手書きのチラシを使っている方もいますが、アーティストの方向性に沿っているか、デザインセンスに自信がある方以外は依頼してプリント業者に発注する方がいいと思います。

CDやPVなどの宣伝材料や製品がない場合はチラシが自分の商品となると考えて貰っても大げさではありません。
またチラシは1000枚配って1人お客様が付いて下さる位のリーチ率ですので、大量の枚数が必要になってきます。

自宅のプリンターで対応する方が安価で楽なように感じますが、インク代や紙代や仕上がり、手間を考えるとラクスル等の業者に大量発注をする方が圧倒的に効率が良く安価で済みます。

アーティスト写真を載せたり、上質な紙で作り込んであげると尚人目を引きやすいと思います。


3 SNSで事前に発信をする


これも皆さんやってるかと思いますが、敢えて書き記していこうと思います。

出来れば時間や曜日や場所は固定する方が最初は有利だと思います。
ですが仕事や用事の兼ね合いもあると思うので、1ヶ月分程路上ライブのスケジュールを定期ツイートで流す事をお勧めします。

またその際に路上ライブの写真や動画、ハッシュタグを付けてあげる事でリーチ率は多少ですが上がります。

ツイキャス配信やツイプラでのイベントページ立ち上げなども併用してあげると、見にこれないファンの方やネット配信を見ている方へのリーチが上がります。

最近ではネット配信も各社熱戦を繰り広げていますが、個人的にはツイキャスかショールーム(特に女性)はオススメです。
ニコ生
などのメディアでもいいのですが、ただの宣伝目的で闇雲にやるとステマと取られ大炎上になりかねないので注意が必要です


4 物販を用意する

荷物の量と直結してしまいますので、弾き語り系の方はしんどいですが、物販も積極的に取り組んだ方がいいです。

自分の活動の資金源になりますし、グッズを販売する事で意識や夢の共有化が出来ますので、お客様を更に熱心なファンへと引き込みやすくなります。

ネットでも買えるような状態にしているのであれば、サインをしてあげたりオマケを付ける事でライブに来て下さった特別感を演出する事が出来ます。

間違っても値引きをしたりする事は損はしても得はしません。


買わない人や路上ライブだけしかこないという人は、どんなに安売りにしたとしても残念ながら熱心なファンになる事はありませんし、そうする事でファンの間で差異が発生してしまいます。

万が一にもそれがファンの間で広まった場合に取り返しもつきませんので、そうゆうお客様もいるんだと割り切る事も大切です。


5出来るだけ衣装を用意する

路上とはいえライブである事には変わりませんので、出来るだけ私服ではなくライブを意識した服装や、アーティスト像が崩れないような服装で行う事をお勧めします。

ただ私服ならではの特別感というのも絶対的にあると思いますので、そこは上手く使い分けるといいと思います。猛暑や厳冬の時期の路上ライブを行う場合は衣装は難しいので、しっかりと水分補給や防寒対策を万全にして臨みましょう。

あまりないとは思いますが、下着や水着などでパフォーマンスを行っていた場合は公然わいせつにひっかかる可能性がありますので(どのみち警察からの職務質問は免れません)やめておきましょう。

また目立ったもん勝ちというパフォーマンスでは、ちゃんとしたリピーターはつきにくく、性を武器にしすぎると最早ミュージシャンの活動というより水商売に転じてしまいます。

そうなった場合に、あなたの見た目という価値が減少したり活動が長くなると、後続から来る同じような活動方法を取っているアーティストにいつかは取って代わられる事になるでしょう。
そうならない為にも音楽という土俵の上で自分自身の武器を見つけ磨いた方が10年後も20年後も愛されるアーティストになれるのではないでしょうか。

最近のアーティストは一発当てたらラッキーかのようなインスタントというか宝くじ感覚で突飛な活動を取る事が多くなってしまっている気がします。
Mr.Childrenさんのような、加齢と共に魅力を増すそんなアーティストが一人でも多く活躍される事を願ってやみません。


6 レイアウトやpopに徹底的に拘る

意外と盲点なのがここ。
アンプなどの備品の位置や、物販の並べ方やCDに対してpopを書いたりする方は殆どいません。


「そんな事して何か変わるのかよ」と懐疑的になる方もいらっしゃるとは思いますが

私がプロデュースしたアーティストに対して、実験的に物販全てにpopを付け、縦長のコルクボードに人の目の導線を考えレイアウトさせた物販ボードを使って路上ライブをさせたところ、物販やチップの売り上げが1.8倍近くに伸びました。

何より面白いもの見たさで覗き込みに来て頂けるお客様が格段に増えた事で、チラシをお渡し出来るチャンスも増えました。


109など衣料販売店のショーウインドウなどは専門知識を学んだ店長や責任者しかレイアウトする事を許されないそうです。見栄えというのが販売物に対しても重要なのが伝わってきます。

身近なところで言えばコンビニエンスストアなどでも新商品には必ずと言っていいほど手書きのpopが付いていますね。アマゾンでもレビューを参考に買うものを決めている方も多いのではないでしょうか。

それほど言葉による説得力やそこからイメージさせる事が大切か伝わってきますね。
ミュージシャンも物販が収入の柱になりますので、これを取り入れない理由はありません。
ご自分のテーマカラーを決めて、それを中心にレイアウトを考察してみては如何でしょうか?


7 音源や演奏に拘る

やはり何を差し置いても重要なのがここだと思います。いざ路上ライブへ飛び出してみたものの勝手がわからず四苦八苦した方も、3度4度と回数を重ねると、路上でパフォーマンスをする事に慣れてきて自然にライブをしたりチラシを配る事が出来るようになると思います。

そうしていくうちにファンの方も少しずつ付いて下さるのですが、

10人前後のファンがついた辺りから伸び悩むようになったら
ここを先ず疑ってみる事をお勧めします。

録音や録画をして音楽講師や先輩ミュージシャン、何でも言い合える友人に見て貰って率直な意見を貰ってみるのもいいと思います。

カラオケやユーチューブから拝借した音源ではなく、中古でもいいのでCDを買い、そこに入ってるカラオケトラックを使用したり、オリジナルであればしっかりとミックスエンジニアに路上ライブ、オケ用としてミックス編集して貰ったものを使う方が遥かに音質も上がります。

アンプも出力が小さいもので無理に大きな音量を出そうとすると音が割れてしまいますので、重量や予算もあるとは思いますが5W前後の出力が出来る中型アンプをお勧めします。

マイクやケーブルもカラオケで使われてるようなものではなくSHUREなどライブハウスなどでも使われてるプロ用のものを用意しましょう。
ケーブルは種類がありすぎて分かりづらいと思いますのでCANAREBELDENなどの定番を用意すれば間違いありません。
長さは5mもあれば十分です。
勿論自分のこだわりや特性を考慮した機材選びでも構いません。

ひと昔前には黄色い筐体が目印のTAXIが主流でしたが音質が悪かったですね。
ただ雨に濡れても全然壊れないタフさに何度も助けられました。

演奏の方も毎回自分にダメ出しをして反省点を書き出して練習するなど、常に改善を図っていく事が大切です。

特に録音などではリアルタイムでは把握しきれない細部まで如実にわかるのでお勧めです。
最初は超絶凹みますけどね。。

ファンやお客様は少しずつ成長するあなたの姿を見て
更に応援したい!という気持ちにかられる事でしょう。


8 ファン同士のコミュニティを形成,
 ファン同士のコミニケーションを促す

これは路上ライブに限った事ではないのですが、ファン同士の交流を図る事でライブ以外の面でも楽しいと思っていただける部分が増えるので、結果的にリピート率の向上に繋がります。

応援団という名前をつけてアーティストを応援している方々がいらっしゃいますが、団結する事でより

ファンとしてもモチベーションが上がったり違う楽しみ方を見出していくのです。

その場面やきっかけを作る事がアーティストなので、最初の頃は積極的にファンとコミュニケーションをとっていきましょう
(後述しますがファンとのDMやプライベートでのやりとりは絶対NGです)


9 先輩アーティストや方向性が似ている
 アーティストと合同で路上ライブをする


他のアーティストの方と一緒に行うメリットとしては

趣向が同じお客様を共有出来る
ファン同士のコミュニティが形成される&活発化する
演奏とビラ配りや雑務を交代する事でお客様を対応出来る時間が増える
モチベーションが下がりにくい
機材を分担して持ち込む事で移動が楽になる


発信している音楽性が類似する事で、
それを好むお客様同士を共有する事が可能です。

一見するとファンの方の奪い合いになるかというとそうではなく、路上ライブが好きなお客様のコミュニティというものも実在します。
そういった方の中では分け隔てる事なく応援する文化が根付いてるので安心して合同ライブをして構いません。

前項でも述べましたが、ファン同士のコミュニケーションが深まる事で新規ファン獲得への拡散力が高まります。
人の輪が出来ていれば群集心理で立ち止まる人も増えて参りますので


始めたてやマンネリ化してしまっているアーティストの方にお勧めです。

単純に演奏時間は短くなりますが、元来ライブハウスと同じセットリストをこなす必要はないと思っていますので、立ち止まって下さった方やファンの方とコミュニケーションをとる事をお勧めします。


インディーズアーティストにとって、パフォーマンスと同じ位
重要なのが接客だと個人的には思っています。

商品のクオリティが同じで態度のいい店と悪い店があるなら、間違いなく態度のいい方で購入したいと思うはずです。

路上ライブで気をつけたい事の一つに
回数を重ねる事によるマンネリ化だと思います。
慣れというのは良くも悪くも左右します
モチベーションは行動に出てきてしまいます。

刺激というわけではありませんが、誰かと一緒に作業をする事で心機一転する事もあるので、心当たりがある方は試してみては如何でしょうか。

また合同路上ライブの場合、アンプやケーブルなどは一本あれば事足りてしまうので、分担する事で機材を軽くする事が出来ます。
特に寒い日や暑い日などは体力がごっそりもっていかれますので荷物が減るというのは単純に嬉しいのではないかと思います。


10 どんな時でも続ける事


何を始めるにせよ最後はここに辿りつくと思います。
1回や2回で劇的に何かが変わる事は正直ありません。

むしろ初めての路上ライブでお客様が1人でも付いて下さったら
ラッキーだと思います。
それ位世の中には娯楽に溢れていて、ライバルが沢山いるのです。

気候がいい時期なら気持ちがいいですが、猛暑や厳冬の路上ライブは本当にしんどいです。

私も夏場は何度も熱中症になったり
冬は手の感覚がなくなったりしました。

続けていれば絶対やめたくなる時はあります、が路上ライブでファンを100人集めたりメジャーデビューまでいったアーティストはそれを乗り越えた人だけです。

路上ライブからメジャーアーティストになった川島あいさんは1000回路上ライブをやってダメなら音楽を諦めるという決断をして臨んだそうです。
(しかも実際1000回やりきったそうです、凄まじい根性..)

コブクロさんもいきものがかりさんも何年も
後路上ライブをやってチャンスを掴みました。

どんなに才能が溢れている人でもプロになるという事はそれだけ時間がかかるという事。
(コブクロの由来は小渕と黒田という名前を合わせたとこからきてるという事が意外に知られてない。いきものがかりの吉岡さんのモノマネを見た事ある人はファン歴長い)

腐らず愚直に続ける事でチャンスは必ず訪れます。
個人的にはチャンスに出会う場所にいけるという考え方をしてます、辛い時はその道中なんだと考えるといいかも知れません。

話しは脱線しますが、2月の22時頃に私はとあるアーティストの伴奏でギターを弾いていました。
真冬なので着込み挑みますが、それでも30分を超えた辺りで指の感覚が麻痺してしまいます。

1曲弾いてはポケットの中のホッカイロを握りしめ、どうにかこうにか演奏をしていました。
19時から始めて、場所を転々としながらその日最後の場所で演奏している最中の事。

着物を着た女性の方から演奏後にお声がけ頂き、演奏の依頼を頂く事が出来ました(その方は後に私の三線の師匠になる絵美こさめ先生です)

そうしたきっかけを経て私は現在沖縄三線の講師も行っております。
正直真冬の路上ライブは体力や精神力をごっそり削られるので断った方が楽なのですが、やっぱり続けてよかったなあと思っています。

話しを戻しますが、本当に色々な出会いがあります。
罵詈雑言を浴びせられる事も酔っ払いに絡まれる事もしばしば。
しかしながらファンの方や通りがかりの方に

「応援してるよ!」「いい声だね!」

んな風に激励を頂くだけでも
今日1日を乗り切る力になるのは間違いありません。


辛かったら半年間おやすみをしてもいいと思います。
猛暑や厳冬の間はライブ配信など現代のツールを利用するものいいと思います。


最後に


こう書いてみるとやらなくちゃいけない事は沢山ありますし
時間がかかるものばかりです。
しかし100人以上のファンの方に囲まれるというのは特別な事ではなく
決して特別な人達だけの夢物語でもありません。

この記事が活動のヒントになれば幸いです

いつかあなただけの景色に出会える事を信じて。


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