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【Zatsu】世の中をひっくり返すもの3

まじめな話。
前回の3行まとめ
探していないものは決して見つからない
自己愛と貪欲なまでのサービス精神
ここは酷いインターネッツですね

自分がかつて感じた3つの「特別なワクワク感」とは実のところ何だったのか。それを順番に掘り下げていこうという企画。
いまビール飲み終えて、2本目を開けながら書いています。

2.ドローン

実は、自分は完全にこのビッグウェーブに乗りそこねてしまった。一般ユーザーが娯楽用途で広く使いはじめたのが2010年以降らしいから、もう10年以上は経つんだね。当時のおれは、ほとんどの時間を仕事に費やしており、ドローンに興味はあったものの手に取る機会を逸してしまい現在に至る(仕事が詰まっているのは今も変わらないケド)。

もともとは軍事用や産業用から展開されてきたわけだけれど(ここらへんはインターネットと似ているね)、自分にとってドローンの何がいちばん魅力的だったかといえば、やはりあの鳥の視点。これは皆さん同じでしょう。そういう意味ではカメラとセットで語るべきかもしれない。YouTubeでもきれいな空撮動画がたくさんあるし。
ただ、ことの本質はそこではない。いちばん衝撃的なのは、この技術が人間に限界を超えさせたという点にある。

テレビを観ていて、画面を横から覗き込んだことってありません? 横の角度からの映像が見えるんじゃないか、みたいな。我々が地上で生活している以上、どうしたって興味の中心は身の回りにある地上物がメインになる。旅行に行けば、各地の観光スポットで写真を撮っているし。でも、その対象物が我々に見せているのは公開用の顔の一面に過ぎない。
相手のことを好きになったら、表向きの顔だけじゃなくて、それ以外の顔も知りたくなるもんだよ。横の角度から覗き込んで何か見えないかな、ってやりたくなる。なにより、せっかくの3Dなのに地上で生きる我々には上から見下ろす画がほとんどない。

でも人間があたりの景色を自由に見てまわれるのって、どんなに背が高い人でもせいぜい地面から2mくらいでしょ。もっと高いところから見たければ、建物の上から眺めるしかない。ただし、移動の自由度が制限されるから見える範囲は限定される。
飛行機に乗れば高さも自由度もあるけれど、どちらかというとあれは移動手段だからね。それに上空すぎて地上を子細にとらえるには不向き。

しかしドローンは人間の眼球を物理的に上空へ移動させてしまった。本来の人間であれば見えてはいけないはずのもの、見えないはずのもの、相手からすれば見られると思っていないもの、見られない前提でいたもの、それらが明るみに出てしまったんだ。

これは一種のサイボーグだよ。機械の体を手に入れたという実感をどれくらいの人が持っているかわからないけれど、ひとは限界をひとつ越えた(しかも安価に)。
産業革命での生産性(パワー、スピード)の驚異的な向上、そういった「できないことができるようになった」とはまた別の次元で、ヒトに許されていなかった領域に踏み込んでしまった感。自分がドローンに特別な興味をひかれたのは、背徳にも似たどこか後ろめたい感覚があったのかもしれない。

ごめんなさい、ちょっと強引か ( ̄▽ ̄;)

つづく


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