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また、目玉焼き?

皆さん、こんにちは! 共創したい監査チームの清水です。
前回(2023-07-04)は、内部統制・リスクマネジメント・ガバナンスの関係
を「目玉焼き」に例えてお話ししました。

皆さんは、GRCという略語を見聞きされたことがあると推測します。
これも「目玉焼き」かと思われるかもしれませんが、そうではありません。
確かにGとRは、ガバナンスとリスクマネジメントの頭文字ですが、Cはコン
トロール(内部統制)ではなく、コンプライアンス管理のようです。

ところで、コンプライアンスは、内部統制の目標の1つで、「法令等の
遵守」とも置き換えられます。では、この「等」は何でしょうか? 法令以外
の社会規範、つまり、「特定の集団や社会に存在する暗黙のルール・慣習」とされ、法令以外の世の中の慣例、究極的には「常識」も含まれます。
ですから、コンプライアンス=法令遵守ではありません。

一方、ESG/SDGsのグローバルな社会課題の解決に取り組み、ステークホルダー(利害関係者)と対話し、それらをグローバル基準で行う「サステナ
ビリティ経営」も重要性を増しているのはご存じのとおりです。
さらには、「パーパス経営」という言葉を耳にする機会も増えました。特定
の会社・社員に共通の価値観を醸成するための「経営理念」よりも広く、
社会的な存在意義を社内外に自ら発信するものとされます。

つまり、コンプライアンスは、法令や社会規範のような「他律」から、
ESG/SDGsへの取組やパーパス経営のような「自律」にも拡がっており、
市場を意識したブランディングや社員のエンゲージメントを高めるための
方策を含む位置付けに変化しています。つまり、従来のコンプライアンスと
パーパス経営の間にグラデーションはあるものの、明らかな垣根は無く
なり、広義のコンプライアンス概念ができつつあると考えます。

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