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護身用の武器を持つようになって「なぜ武装することが怖いと感じるか」を考えた

私の出身国では(当然ながら)性犯罪が定期的に発生している。というわけで、10代半ばからは、父の勧めもあり、護身用のペッパースプレーをコートのポケットに入れていた。きっかけはカラースプレー(日本でいうコンビニの防犯カラーボール)みたいのも出たと記事になったことだったのだが、武器屋で店員さんに聞くと「置いていない。そもそも許可されてないんじゃないか?」とのことだったので一般的なペッパースプレーを携帯するようになった。

ペッパースプレーは催涙剤の一種であり、警察も使うことがある立派な武器である。国によっては所持が禁止されている。ちなみに催涙剤は化学物質を使っていることがあるが、ペッパースプレーとは催涙スプレーのうち唐辛子成分でできているものを指す。

私の地元では認可された製品に限り14歳から所持可能で免許は不要。スイスとオーストリアは18から所持が許されているようだ。 

なお、対動物用は武器とみなされていないし年齢制限もない。動物用を人に使うことだってできるのだから、それもどうなんだとは思うが。

実際に持ち歩いてみて

さて、購入したはいいのだが、犯人に向かって使えばいいことはわかる。しかし気になることが山ほどある。購入時にレクチャーはないし、マニュアルもない。ちなみにスイスはレクチャー必須らしい。

  1. どうやって使うのか?

  2. どのくらいの距離で使えばいいのか?

  3. どのぐらいの効力があるのか?

  4. 使った後はどうすればいい?
    振り切って逃げられるのか?
    (逆上した相手から身を守るには?)

  5. 逆風吹いたら自分が危ないんじゃ?

  6. 相手が武器を持っていたらどうするべきか?
    使ってもいいのか?
    使って良いとしたらどんなタイミングで?

  7. うっかり自分/無関係の他人が浴びてしまった時、どう対処すればいいか?

  8. 保管はどうすべき?

  9. 缶が火災に巻き込まれた場合、爆発してえらいことになるのではないか?
    基材は油なので火の中にあれば燃えていくとは思うが、単純に高温だったらどうなる?

そしてする取り出せるよう外側のポケットに常に入れているので「常時携帯している感」がすごい。結局買っただけで使い方をよく知らないし、予行演習なしで持ち歩いていることが地味に怖かった。護身術も学校でやってた身としては、武器にまつわるあれこれを知った方が自分が持つのも、他人が持ってるのも、ある意味怖くなくなるんじゃないかと思った。

警察や軍隊ではガス体験訓練(希釈した催涙ガスを使用し)を行っていることが多い。防護マスクの大切さを知る目的もあるが、武器の威力を知ることは防ぐ上でも、使う上でも重要だと思っている。特にガス類は、銃火器と違って、威力を可視化できないことが理由だ。

結局、武器は怖いのか?
持った奴はいつでも、誰でも強いのか?

ぼんやりと「武器は怖い」という気持ちは誰でもあると思う。しかし「武器を持つ=相手に危害を加える力を持つ」ということであり、そこから「武器を持ったら強い」という考えはあまりよくないなと考える次第だ。「やばくなったら打てばいいんでしょ?知らんけど」的な考え方も浅はかで、使い方を間違えた時、真っ先に危険にさらされるのは所持者、または使用者であることを留意しなければいけない。最低限、何がどう危なくて、どうすれば身を守る道具として使えるかを理解していないと持つべきでないと感じた。

武器の強さ、扱い方を理解してない人が武器を持つことは、何をしでかすかわからない感じがあって、とても危険だと感じる。むしろ「武器は危ないので絶対に持つべきでない」みたいな考えは全くなくなった。個人・自治体・国家レベル問わず、使用を避けるために知識をつけ、調査を積極的に行うべきと考えるようになった。アメリカの銃所持は日本含め世界から批判的に見られているし、いい事とは私も全く思わない。社会環境の改善が急務だなと思う一方で、それが超難しいレベルまで行ってる気がしないでもない。2013年のBLM(Black Lives Matter)の暴力的側面を見て、武器でしか防げない悪意がある、交渉が通じない場面があるなど、人々が銃を持ちたがる理由をぼんやりと理解した人もいるかもしれない。

国防教育の是非

個人的な意見として、軍事訓練は座学だけでもやったほうがいい気がしている。というのは中国の学生を見て思っただけなのだけど、環境が違いすぎる気もしないでもない。アジアの国を見渡すとマレーシアの共同生活訓練は災害時にも役に立ちそうだし、案外良さそうだなと思った。ただ内容はよく知らない。
一方で悪用する人が一定数いると思うととても嫌だ。地元でも銃の免許を持った人による銃撃事件があるわけだし。ただ日本は個人での所持が基本的には禁止なので、あまり心配いらないかなという気持ちもある。

実際のところ軍事系の避難訓練って今どのくらいやってるのか調べてみると「学校の危機管理マニュアル作成の手引き」より3-8 新たな危機事象への対応という文部科学省のPDFが出てきた。「新たな危機事象」と書かれているということは日本は軍事攻撃が今後想定されるという意味合いを含んでいると思われ、文科省がそれを各教育機関に対し必要な教育として求めているなら歓迎したい。ただこのPDFは対応マニュアルに徹しており、兵器(ミサイル等)の何がどう危ないのか、具体的に何が起こるのか、誰がどんな対処法を取るかについては一定の年齢になったら教えたほうがいいのではないかとも思う。国外で巻き込まれることもあるし、ミサイル等でなくても、工場の爆発とか身の安全の守り方だったり、何が危険で何が安全かを知っておくことは重要に思う。ちなみにだいぶ昔、東京で火球が飛んだ時は爆発音のような音に驚いて、窓から離れるべきか少し悩んだ。そんな自分をほんのちょっとだけ偉いと思ったのが正直なところだ。

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