#54【癌になって想うこと4】著名人の癌による死のニュース

漫画家・倉田真由美さんの夫で、映画プロデューサーの叶井俊太郎さんが一昨日、すい臓がんのため亡くなったというニュースが入ってきた。56歳だったそうだ。世間的には若いのだろう。

叶井さんとは直接の面識はないが、同業という縁もあり、知り合いが仲が良かったりということも重なって勝手に親近感を感じていた。
すい臓がんが見つかったのが私と全く同じ2022年6月というのも偶然とは思えなかった。

叶井さんは抗がん剤治療をしなければ、“余命半年”と診断されたものの「治療をしない」という選択をして、1年半もの間生きてくれた。

私が選べなかった選択だ。

闘病中から多くのことを発信して、私個人としても常に勇気付けられた。それだけに逝去のニュースは、ショックだった。それはまぁ癌なのだから五体満足ではないし、いつかはこういったニュースが流れるのだろうなと漠然と思ってはいたが、いざ目の当たりにするとグッと来るものがある。

ある程度ステージが進んでいたということもあり、現在抗がん剤治療中の私とは違う道を選んではいたのだが、精力的に日々活動する様子は私だけではなく多くの癌闘病中の皆さんに勇気を与えていたのではないだろうか。

病気になってからネットで癌のニュースに触れる機会が増えたが(検索のアルゴリズムだろう)、そのなかでも著名人の死は毎回考えさせられる。

どう生きるか
そして、どのように死ぬか

叶井さんの死は、病気に向き合う姿勢と命についていままでで一番考えさせられた。抗がん剤などの標準治療を受けずに、最後まで通常通りに生活を続けることを選択していた彼は満足に逝けたのだろうか。

ご冥福をお祈りいたします。



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