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男女どちらでもないXジェンダーな私の生き方


あらためまして、うつ病を自宅療養しながらイラストを描いているミントと申します。今回は、自分の性についてカミングアウトさせていただきます。
(※性についての表現が不快に感じる方は、読むのをお控えください)


Xジェンダーとは

私はXジェンダーと呼ばれるセクシュアリティです。
簡単に言うと、性自認が「男性」「女性」どちらにも当てはまらない第三の性の持ち主です。
Xジェンダーには「男性と女性の中間らへん(中性)」「男女どちらでもない(無性)」「どちらでもある(両性)」「性自認が流動的(不定性)」など、色々あるようなのですが、私は「どちらでもない(無性)」です。
ちなみに産まれた時の性は女性です。女性服を着てメイクもしているので、周りからは普通の女性に見えています。家族は、夫と子供が一人の三人家族。

女性の体が嫌!

「女性じゃないな」と自覚したのは、中学生の頃。女子ならではの制服を着て、男女に別れて列に並ぶ時、ふと「私こっち側じゃないな」と思いました。かといって、男子側でもない。
私何?
そして、女性の外見をしてるのに中身は違う気がする自分のことが、まがい物のように感じてくることが多くなりました。
女性の皮をかぶった別物。出来損ない。
キラキラした女の子達(今思えば、女性も異性なので眩しく見えてたんです)と比べて落ち込み、そう感じることが辛かったです。

その頃から、自身の女性の体にもなんとなく違和感を感じていました。柔らかい太ももに細い腰。この太ももが嫌で、太ももの上に何かを置いて作業すること(たまにしますよね)が、自分の体をダイレクトに感じるので嫌でした。
特に生理の前は、キツかったです。この時期って胸が張って少し大きく感じるんですよね。これがすごく不快で。女性の象徴である胸がさらに大きく感じるので、まあ嫌で嫌で仕方なかったです。
とはいえ、この時はまだ「自分はおそらく女性(なんか違う気するけど)」と思ってたので、「胸は邪魔だけどあるのは仕方ない。ちぎって小さく出来たらいいのに。他の女の子もこの時期はこういう気持ちなんだろうから、我慢我慢」と思ってました。
情報の少なさから、女性と思い込んでたんですね。

そうこうしているうちに大人になり、やがて結婚することになりました。
そして、来てしまいました。人生で1番女性であることを自覚せざるを得ない時が。

妊娠と出産です。

絶望的な妊婦期間と授乳期

2、3ヶ月もの間、ほぼ寝たきりで吐き気しかなかった、めちゃくちゃしんどい悪阻(つわり)期間を過ぎると、次に待っていたのが妊婦体型との戦いでした。
出産後の授乳に備えるため、グングン大きくなる胸。普段の大きさでも嫌なのに、この大きさ何!
お風呂の鏡にうつる自分の体を見るたび、違和感と屈辱感(なぜか)で泣いていました。

ちなみに、妊娠が嫌だった訳ではないです。
子供も嫌いではないし。なんなら、妊婦さんには憧れてました。たまに街で見かけると、幸せの象徴的なものを感じて嬉しい気持ちになったものです。ただ、自分がそうなると、こんな辛いなんて。

そして出産。(※痛いなんてもんじゃなかったです)

出産したら、すぐ体型が戻るものだと思っていたのですが、全く戻らない!特に授乳のためか、胸は出産前よりも大きくなる始末。嘘でしょ??

いよいよ始まった子育てですが、問題は授乳です。子供は可愛いです。
ただ、授乳しなきゃいけない。
自分の胸を見るのが嫌なのに、授乳のたびに毎回見なければいけない。そして赤ちゃんに吸われること、これが女性性を感じさせられるのか、辛くて。本当はいけないんでしょうが、授乳中はほぼ携帯をいじって「授乳」という行為から、なんとか目をそらそうとしていました。
(今思うと、母乳ではなく「ミルク」という選択肢もあったのですが、出産した産院が完全母乳を推奨する医院だったので、頭の中に母乳という選択肢しかありませんでした)

ある日ふと、ネットでググりました。
「授乳 胸 嫌」
な、なんにも検索に引っかからないだと?
普通の人は嫌じゃないんだ?じゃあこの不快感は何??
この辺りから、自分はいよいよ他の人と違うのかなと思いはじめました。

そっか、Xジェンダーか

授乳期が無事終わったことで体型も戻り、ほっとする日々が戻りました。
ある生理前の時期に、「また胸が張るな。他の人はこの胸の嫌さにどう対処してるのかな?」と、ふと検索。これまた何にも引っかからない。え?世の女性達は、胸が嫌になることがないだと?
代わりに「胸 嫌 Xジェンダー」(確か)的な言葉が見つかりました。
詳しく調べると、
「男でも女でもない第三の性」とのこと。

あ、私これだったんだ!!
すごく、すごーく腑に落ちました。
いやー、30年以上生きてきて「腑に落ちる」ってこのことかと初めて納得。さて、分かったところでこれからどうしよう??

胸を取るか否か

胸が嫌な人は手術で取るか、いわゆるナベシャツ的なものでつぶして目立たなくするか、という二択があると判明。
ナベシャツは苦しいとのこと(そりゃ、潰すんですもんね)。
キツイの嫌い→ナシだ。
ということは手術か。

ただ、もっと調べていくと、「胸を無くしたところで、女性の体であることにかわりはない。なので、胸以外の女性らしい部位(腰や太ももなど)が余計気になりだすこともある」「胸をなくすと上半身のバランスが変わるため、服を着こなしにくくなることも」的なことが書いてあるサイトを発見。
うわー、これは厳しい!
今でも太もも嫌なのに、余計意識するとか絶対避けたい!あと、服よ。そりゃバランス変わるもんね、うーん、着こなし難しくなりそう。

体との付き合い方

色々考えて、結局体は何もいじってないです。
胸については、「寄せて上げる」という、世の女性が一番望むことを避けたらなんとか付き合っていけることが分かりました。

使っているのはTrumpのsloggi(スロギー)というブラ。ワイヤーが入ってなくて、寄せも上げもせず、ただ楽に固定してくれるブラです。
これがもう最高です。これに出会ってから、自分の胸を意識することが少なくなりました!
あと、GUNZEのパッド入りタンクトップ。こちらも同じ感じです。2つとも絶対なくなりませんよう!

自分の体にいまだ嫌悪感を感じることもありますが「嫌だなー。でも服を着こなせるのは?この女性の体があるから!」と、その都度自分に言い聞かせています。

カミングアウトしてみたら

ちなみに旦那や親しい友人数人には、カミングアウトしています。
みんな驚きはしますが「そういや昔から女性って感じしなかったもんね」とか「ドキュメンタリーで、(私みたいな人)見たことあるよ」など、割とすんなり受け入れてくれました。
旦那はどこまで分かってるのかわかりませんが「なるほどそうなんだ」という感じ。

親にも告げてみました。
母は最初、受け入れられなかったようですが、父が「そういう人がいるって、漫画で読んだことある!」と納得してくれました。
ありがとう、ビバ漫画。

恋する相手の性

カミングアウトした時、たまに聞かれるのが「男性と付き合うのって大丈夫なの?」という質問。
性自認と好きになることは全く別物なので、この質問は?なのですが、全然大丈夫です。
自分は「男女どちらでもない」ので、男女どちらのことも「異性」だと思っています。ちなみにどちらも好きです。どちらかというと男性を好きになりやすいですが、女性にも惹かれます。
なぜか、女性に惹かれる時期と男性に惹かれる時期があり、これは自分でもなんでかよく分からないです。

性の多様性

LGBTQや性の多様性がよく取り上げられる昨今、Xジェンダーやノンバイナリー(性自認と性表現、どちらにおいてもあてはまらないセクシュアリティ)という言葉も、たまに耳にするようになりました。アンケートでも「男性 女性 その他/答えたくない」欄もよく見るように。
ただ、まだまだ知られてない存在だと思います。

自分の性を確認後、一度だけLGBTカフェに行ってみました。LGBTの人だけが集うお店ということで、私みたいな人もいるかなーとワクワクして行きましたが、第三の性はやっぱり珍しいせいか、同性には会えなかったです。
色々とマイノリティーな感覚で人生を送ってはいますが、これからもこの体と折り合いをつけながら生きていけたらなと思っています。

長文お付き合いありがとうございました!

↑ちなみに、少し前に書いたこの記事が「今、このnoterが面白い」に選ばれたようで、たくさんの人に読んでいただけてありがたい限りです!
興味がある方はのぞいてみてくださいね。

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